金子道仁の発言 (本会議)

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○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。
 私は、会派を代表して、財政演説に対し質問いたします。
 財政法上、補正予算では、特に緊要となった経費の支出のため必要な予算の追加を行うことができると規定されています。翻って、今般の経済対策に記載された各事業について、補正予算に計上すべき緊要性は認められますか。緊要性と必要性が明確に認められるのは、物価高により厳しい状況にある生活者、事業者の支援、それ以外は、必要性があっても緊急性に疑いのある事業が総花的にちりばめられている印象です。今次補正予算の緊要性について、総理の認識をまず伺います。
 緊要性に疑いのある事業の一例として、税関体制の整備について伺います。
 昨年度は、補正予算でも、不正薬物・爆発物探知装置、エックス線検査装置等を調達する費用が計上されています。税関の機能強化という必要性は認められますが、補正予算で措置が必要な緊要性があるとは思えません。こうした事業を二年連続で当初予算ではなく補正予算で計上したのはなぜか、総理の見解を伺います。
 総理は、プライマリーバランスを二〇二五年に黒字化するという方針を表明しておられる一方、コロナ禍を経た財政拡張により実現は困難に見えます。総理が表明したプライマリーバランス黒字化の目標を達成できなければ、我が国の財政への信頼に重大な影響を及ぼすと考えます。
 内閣府の試算では、令和五年度の国と地方を合わせたプライマリーバランスは二十七・七兆円の赤字となる見通しです。二〇二五年度まで残り二年ですが、どのようにプライマリーバランス黒字化を達成する見通しですか。二〇二四年度、二五年度にはそれぞれプライマリーバランスがどうなる見込みか、総理に具体的な数値目標を伺います。
 政府は、コロナ禍で拡張した財政の平時への回帰を掲げています。平時の一例として、コロナ前の二〇一九年度の補正予算額は三・二兆円。一方、今般の補正予算額は十三・二兆円、二〇二〇年から減額はしているものの、補正予算の規模はリーマン・ショック時の二〇〇九年度の十四兆円と同水準、東日本大震災直後の二〇一二年度の十・二兆円を大きく上回る水準で、全く平時に回帰していません。
 ポストコロナに移行した今は、東日本大震災を上回る危機的な状況、またリーマン・ショックと並ぶ経済危機にあるのでしょうか。総理の御認識を伺います。
 総理は、就任当初から繰り返し述べられている財政の単年度主義の弊害是正という表現、今回の緊急経済対策にも見られますが、財政の単年度主義の弊害とは具体的に何を指すのか、改めてお伺いします。
 この質問をしたのは、コロナ禍を経て、逆に基金の膨張の弊害が目に余るようになったためです。二〇二〇年度以降、基金の造成が相次ぎ、残高は昨年度末で十六兆六千億円に上ります。基金は設置されるだけで管理費が掛かり、また、税や国債によって調達された貴重な資金が、想定された資金需要がないにもかかわらず基金に留保され、活用されず死蔵されてしまう事例が散見されます。
 現行のルールでは、基金の使用見込額を調整することで、結果的に国庫に返納を免れることもできてしまいます。総理は、このような基金の弊害をどのように解決するおつもりですか。
 河野太郎行政改革担当大臣は、行政事業レビューの中で、基金の積み増しは政治の責任であるとした上で、基金の年限を明確に設ける考えを明らかにされました。
 政治の責任とは具体的にどのような意味か、基金の期限は具体的にどの程度の期限であるべきか、考えるか、行財政改革担当大臣にまずお伺いします。
 また、総理も当然これらの考え方を支持すると思いますが、いかがでしょうか。総理の御見解も伺います。
 政府は、今般の補正予算でコロナ・物価高予備費、ウクライナ予備費を合計二兆五千億円減額し、補正予算の財源に充てています。本年度は、当初予算で予備費が五兆五千億円計上されており、今般の補正予算での減額後もいまだ三兆円が残ります。
 予備費の歴史を遡ると、東日本大震災直後の二〇一二年度当初予算で一兆二千六百億円、リーマン・ショック翌年の二〇〇九年度当初予算でも一兆三千五百億円です。
 ポストコロナである本年度、果たして東日本大震災やリーマン・ショックの時期を上回る予備費計上は適切だったと言えますか。さらに、年度途中でその半額近くを減額するのは、必要以上の予備費を計上したという証左ではありませんか。総理の見解を伺います。
 やはり、今年度当初予算で、リーマン・ショックや東日本大震災の年度の四倍を上回る額を予備費に計上したのは、見通しが甘く、問題があると言わざるを得ません。
 多額の予備費を計上すれば、当然、年度末に多額の決算剰余金が発生します。この決算剰余金は、五年間で四十三兆円を確保するとしている防衛財源にも回されます。これでは、歳出改革に本腰を入れなくても、国債発行により多額の予備費を計上し、決算剰余金を水増ししてしまえば、防衛財源を調達できてしまいます。防衛財源を確保するため、あえて巨額の予備費を計上しているというもくろみにも見えますが、総理の見解を伺います。
 会計検査院の調査によると、令和二年度の予備費に関し、額を過大に見積もったため、年度内に使い切ることができず、残額を翌年度に繰り越していた省庁がありました。適切な見積りと計上のため、計上時の見積りを公開とし、執行時の、執行後の実績を公開として、見積りと結果を突き合わせる予実管理をしてはいかがでしょうか。見積りと実績の比較を恒常的に行うことで、今後は必要最小限の予備費を計上できると考えますが、総理の見解を伺います。
 財務省は、令和五年度の国民負担率が、見通し、四六・八%であると公表しています。江戸時代、年貢の率が五公五民を超えると不満が限界を超え一揆が発生したそうですが、先日総理が減税を打ち出したにもかかわらず、支持率の低下という現代の一揆とも言える不安表明はとどまることがありません。これは、今後も国民負担率が上がり続けるのではないかという国民の不安が背景にあるのではないでしょうか。
 再来年度の防衛増税、そして社会保険料の負担増加、新しく子ども・子育てのための医療保険制度を活用した支援金制度の創設、増税ではないと言いつつ、実質的に国民負担率が上昇する要素ばかりです。これでは、国民は将来に希望を持つことが困難です。消費でなく貯蓄を選択するのは当然で、個人消費は拡大しません。こうした国民の不安を払拭するために、今後これ以上国民負担率は上げない、そのような明確なメッセージを発信しませんか。総理の御所見を伺います。
 国民負担率が上限に来ている今こそ、抜本的な行財政改革に取り組むときです。改革により財源を捻出し、これ以上国民負担率を上げないというメッセージを発信すべきときです。そのために、立法府、行政府、双方が危機感を共有し、協力して徹底した行財政改革を行う必要があると考えます。
 しかし、このようなときに、非常に憂慮すべき事例が会計検査院の調査によって明らかになりました。資源エネルギー庁が実施していたガソリン価格のモニタリング業務です。六十二億円を上限として実施されたモニタリング調査の結果が小売価格の分析等に使用されていなかったとの事実が明らかになりました。単価決定に当たっては、以前から行っていた石油製品小売市況調査の結果を用いていたわけで、事業開始時から重複が明らかであったと考えます。
 こうした重複行政を看過し容認する行政内部の雰囲気こそ、強く危惧すべきです。本来は、外部から指摘される前に庁内で自発的に無駄を省くアクションを取るべきであり、こうした動きが全くありませんでした。総理は繰り返し行財政改革を訴えながら、そのメッセージが行政に全く浸透していないのではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 このような状況で、防衛財源捻出のための三兆円強の歳出改革、少子化対策の財源として、社会保険の歳出削減、これができるでしょうか。総理にお伺いします。
 日本維新の会は、これからも徹底した行財政改革を訴え、その財源を、子ども・子育て世代を支援する政策を積極的に提言してくることをお約束し、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 金子道仁

speaker_id: 6561

日付: 2023-11-20

院: 参議院

会議名: 本会議