岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 金子道仁議員の御質問にお答えいたします。
補正予算に計上した事業の緊要性についてお尋ねがありました。
今回の補正予算については、物価高から国民生活を守るための対策はもとより、賃上げの実現や国内投資の拡大などのための取組など、総合経済対策に掲げられた施策についてそれぞれ必要額を精査した上で予算措置するものであり、緊要性が認められるものであると考えております。
緊要性に疑いがあると指摘をいただいた円滑かつ厳格な税関体制の整備についても、国境を越える電子商取引の拡大に伴う輸入申告件数の増加、また、摘発件数が増加傾向にある不正薬物など、喫緊の課題に対応するものであり、今回の補正予算において予算措置すべき緊要性があると考えております。
財政健全化の取組についてお尋ねがありました。
私の経済財政運営の基本は、従来から申し上げてきたとおり、経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして財政健全化に向けて取り組んでいくというものです。
今回の経済対策において最優先にしていることは、デフレからの脱却を行い、経済を成長軌道に乗せるということです。経済が成長してこそ、税収も増え、そして財政健全化にもつながっていく、このように考えております。こうした考えの下、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化というこれまでの財政健全化目標に取り組んでまいります。
なお、今回の経済対策等を反映したプライマリーバランスを含む経済財政の姿については、年末に決定される来年度予算案等も踏まえて年明けにお示ししたいと考えております。
東日本大震災、リーマン・ショックとの状況の比較についてお尋ねがありました。
現在、我が国経済は、三十年ぶりの三・五八%の賃上げ、過去最大規模の名目百兆円を超える見込みの設備投資、五十兆円ものGDPギャップの解消の進展など、明るい兆しが見られます。そのため、リーマン・ショック後の世界的金融危機や、未曽有の大災害であった東日本大震災の影響を受け経済が悪化していた時期とは状況は異なると認識をしております。
他方で、デフレ完全脱却のための千載一遇のチャンスを迎えており、これを機に、低物価、低賃金、低成長のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資が牽引する成長型経済への変革を図る歴史的な転換点に立っていると考えています。
財政の単年度主義の弊害と、基金についてお尋ねがありました。
民間企業に対して長期的な視点を求めるのと同様、国においてもより長期的な視点に立った戦略的な財政運営を考えることは重要であると考えております。財政の単年度主義の弊害とは、そうした長期的視点を欠いた対応を指すと考えております。
御指摘の基金については、科学技術の振興や経済安全保障などの中長期的な国家課題に対応するために活用してきておりますが、その執行管理について透明性の確保や検証等をしっかりと行っていくことが重要であると考えており、行政事業レビューの枠組みの下、各府省が執行状況を継続的に把握し、適正に取り組んでいるところです。
先日、十一日と十二日、秋のレビューにおいて、河野行政改革担当大臣から基金の終了期限の設定等が重要である旨言及がありましたが、こうしたレビュー結果を踏まえて、私が議長を務めるデジタル行財政改革会議及び行革推進会議の下で、基金の点検、見直し、進めてまいります。
予備費についてお尋ねがありました。
予備費は予見し難い予算の不足に充てるために設けられている制度であり、予期せぬ状況変化に万全の備えとして計上してきたものです。
本年度の予算において、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策等として一定規模の予備費を計上したことは、適切な対応であったと考えております。
この点、本年度の予備費の予算計上について、防衛力強化のための財源確保を意図したものであったという指摘は当たりませんが、今後とも予備費の適切な計上と執行管理に努めてまいります。
また、予備費を実際に使用するに当たっては、事後に国会の承認を得るため、その使用実績をお示ししてきているところです。その上で、予備費については、予測困難な事態に対応するために計上するものであり、あらかじめその詳細な見積りをお示しすることは困難である点については御理解いただきたいと考えております。
国民負担率についてお尋ねがありました。
国民負担率はコロナ禍で高止まりしましたが、足下で低下する見込みです。その低下を確かなものとし、岸田内閣として、国民負担率をコロナ禍の水準に後戻りさせることなく、高齢化等による上昇に歯止めを掛けることで国民の不安払拭に努めてまいります。
このような経済財政運営の一環として、防衛力強化のための税制措置については、その実施時期について、昨年末に閣議決定した枠組みの下、景気や賃上げの動向及びこれらに対する政府の対応等を踏まえて判断することとしており、内容面でも法人あるいは個人への影響に最大限配慮することとしております。
また、少子化対策の当面の集中的な取組の財源確保に当たっては、六月のこども未来戦略方針に基づき、賃上げと歳出改革によって実質的な国民負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することとしており、国民に実質的な追加負担が生じないことといたします。
行財政改革についてお尋ねがありました。
燃料油の激変緩和事業の価格モニタリング調査は、電話等によりガソリンスタンドの全数調査を実施した上で、価格設定の根拠が不明なガソリンスタンドを個別訪問するなど、価格抑制の実効性を最大限確保するべく実施しているものです。
小売価格の推移を統計的に分析している既存の調査との重複排除の観点では、激変緩和事業の開始直後の二〇二二年四月から、価格モニタリング調査の電話対象から既存調査の対象を除外するなどの効率化を実施してきました。また、会計検査院からの指摘を受け、先月十月から、現地調査の方法の改善、これも行っております。
今後も、本事業を含め、政府全体で、予算事業の不断の見直しなど、引き続き歳出改革を含めた行財政改革を徹底してまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕