岸田文雄の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(岸田文雄君) 伊藤孝恵議員の御質問にお答えいたします。
 まず、GDPギャップについてお尋ねがありました。
 GDPギャップは、推計方法等により結果が大きく異なるため、幅を持って見る必要がありますが、新型コロナウイルス感染症による急速な経済の落ち込み後、改善傾向で推移をしてきました。その結果、負のGDPギャップは解消に向かいつつあり、二〇二三年四―六月期は小幅ながらプラスとなりました。今後、こうした改善傾向が安定して続くかどうか、これが重要であると考えています。
 今般の総合経済対策を速やかに実行することで、デフレから完全脱却し、新たな経済ステージへ移行を実現してまいります。
 国民民主党の御提言への評価についてお尋ねがありました。
 御党の提言については、政策の手法は異なるところもあるものの、物価高から国民生活を守るという点、あるいは持続的な賃上げの実現など、政策の目標は共有している点も多いと考えています。
 その上で、政府としては、今回の経済対策において、デフレに後戻りさせないための一時的な措置として、所得税、住民税の定額減税等により、国民の可処分所得を直接的に下支えする、このこと、こうした取組を考えております。
 また、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力を強化するための供給力強化、これが必要です。このため、半導体や脱炭素の大型投資に対する集中的な支援等を講じてまいります。
 これらを含めた総合経済対策を着実に実施することで、デフレ完全脱却の千載一遇のチャンスをつかみ取り、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる経済を実現してまいります。
 各種控除と児童手当についてお尋ねがありました。
 基礎控除は、一定の少額の所得については負担能力を見出すには至らないとして、原則全ての納税者に適用される所得控除です。賃金労働者の方は百三万円が所得税の課税最低限となりますが、これを境に本人の手取りが逆転することはなく、制度上の壁は存在いたしません。
 児童手当については、今般、こども未来戦略方針に基づいて抜本的拡充を実施することとしております。こうした措置も含め、主として歳出面で前例のない規模で子ども・子育て政策の強化を図る中で、年少扶養控除の復活は検討課題としてはおりません。
 また、児童手当の支給期間の高校生年代までの延長に伴う十六歳から十八歳の扶養控除の整理については、整理の結果、かえって負担が増える場合もあるという御懸念をいただいており、そうした点を踏まえて整理を進めてまいります。
 トリガー条項の凍結解除と燃料油価格激変緩和対策事業に対する会計検査院の指摘についてお尋ねがありました。
 トリガー条項の凍結解除に比べると、激変緩和措置であれば、灯油や重油なども支援対象としつつ、迅速かつ臨機応変に価格抑制を図ることができます。出口を見据えるに当たっても、原油動向や取引環境等も踏まえながら補助率を段階的に縮減するなど、柔軟かつきめ細やかに対応できる点で適していると考えております。
 また、御指摘の価格モニタリング調査は、電話等によるガソリンスタンドの全数調査を実施した上で、価格設定の根拠が不明なガソリンスタンドを個別訪問するなど、価格抑制の実効性を最大限確保すべく実施しているものです。今回の会計検査院からの指摘を受けて、先月から現地調査の方法の改善を行っております。調査結果を分析し、事業に活用していくとともに、価格抑制の効果を経済産業省において今後具体的にお示しをしてまいります。
 そして、定額減税の目的と効果についてお尋ねがありました。
 我が国経済はデフレ完全脱却のための千載一遇のチャンスを迎えており、今般の所得税、住民税の定額減税は、デフレに後戻りしないための一時的な措置として、国民の可処分所得、これを下支えするものです。本格的な所得向上策に向けては、先週十五日の政労使の意見交換の場において、足下の物価動向を踏まえて、来年の春闘に向け、今年を上回る水準の賃上げの協力を経済界にお願いしたところであり、官民連携により、来年に向けて、賃金、所得税、住民税の定額減税を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう取り組んでまいります。
 このように、賃上げと定額減税との相乗効果を発揮することにより、経済の好循環を実現するべく取り組んでまいります。
 なお、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置のうち所得税においては、現下の家計の負担増にならない仕組みとしており、定額減税と矛盾するものではありません。
 また、今回の経済対策において最優先にしていることは、デフレからの脱却を行い、経済を成長軌道に乗せるということです。経済が成長してこそ税収も増え、そして財政健全化にもつながっていくと考えております。
 そして、予備費についてお尋ねがありました。
 今回の補正予算では、特に新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費について、まさにコロナ禍から平時への移行等を踏まえ重点化を図ることとするとともに、所要の減額を行い、財源として活用するものです。また、本予備費の使途変更については、あくまでも、物価高に賃金上昇が追い付かない中、賃上げ促進の環境整備のため必要な経費について予期せぬ不足が生じた場合にも機動的に対応できることを明確化する、こうした観点から原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費へと見直すものであり、これ、御指摘のように、なし崩し的に使途を拡大するというものではありません。
 大阪・関西万博の会場建設費についてお尋ねがありました。
 御指摘の報道については、国、大阪府・市、経済界が三分の一ずつ負担する会場建設費が最大二千三百五十億円になったことについてのものだと理解しております。会場建設費は、資材費、人材、人件費の高騰等の要因がある中、工事内容の見直しなど合理化努力について国及び大阪府、大阪市、そして経済界において精査を行った上で受け入れることといたしましたが、今後も費用抑制に向けて不断の見直し、これを行ってまいります。
 その上で、会場建設費の国負担分について、万博会場の工事スケジュール等も踏まえて、順次各年度の当初予算、補正予算について、に措置することとしておりますが、今般の補正予算においては、必要な金額として五百十億円を計上しております。また、会場建設費の国負担については、経済対策の柱立てに沿って、経済の回復基調の地方への波及及び経済交流の拡大に含むものとして整理をしております。また、今回増額となった五百億円についても、国、大阪府・市、経済界が三分の一ずつ負担することとなり、国としては約百七十億円の負担となります。
 大阪・関西万博について、国民の関心が高いことは承知しており、これまでも国会において関係閣僚を中心に説明をしているところですが、引き続き政府として説明をしてまいります。
 そして、基金の見直しと緊要性についてお尋ねがありました。
 基金については、行政事業レビューの枠組みの下、各府省が執行状況を継続的に把握し、適正化に取り組んでいるところです。
 先日、十一日、十二日、秋のレビューを行い、河野行政改革担当大臣から全ての基金の点検、見直しの必要性について言及がありましたが、こうしたレビュー結果を踏まえて、私が議長を務めているデジタル行財政改革会議及び行革推進会議の下で、基金の点検、見直し、これ進めてまいります。
 なお、基金に充てる資金を含め、予算は内閣において毎年度作成し、国会における審議、議決を経ることとされており、基金の適正化に関する取組についても、このプロセスの中で政府として説明責任果たしてまいります。
 また、今般の補正予算では、宇宙分野における研究開発など、我が国の成長力の強化、高度化に資する事業等において基金を活用することとしておりますが、これらは経済対策に掲げられた柱に基づく施策を迅速かつ効率的に実施するためのものであり、財政法に求める緊要性の要件、これを満たすものであると考えております。
 そして、少子化対策についてお尋ねがありました。
 少子化については、若者の経済的な不安定さや共働き、共育てをしにくい労働環境など、結婚の希望の実現を阻む障壁、これを一つ一つ取り除いていくことが重要だと考えております。
 このため、本年六月にまとめたこども未来戦略方針では、若い世代の所得を増やす、そして社会全体の構造、意識を変える、また全ての子ども・子育て世帯を切れ目なく支援する、この三つの柱を掲げ、前例のない規模で少子化対策の強化に取り組んでいます。特に、若い世代の所得の問題については、児童手当の大幅な拡充、高等教育の負担軽減、年収の壁の見直しなど、長年指摘されながら実現できなかった経済的な支援策の拡充を図るとともに、岸田政権の最重要課題として賃上げに取り組んでいます。
 そうした中で、支援金制度は、賃上げと歳出改革によって実質的な国民負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で構築することによって国民に実質的な追加負担が生じないこととしており、支援金制度の構築により、雇用や賃上げに悪影響があるかのような表現は当たらないと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121215254X00620231120_020

発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-11-20

院: 参議院

会議名: 本会議