岩渕友の発言 (本会議)
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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、二〇二三年度補正予算案について、岸田総理に質問します。
イスラエル軍がガザ最大の病院を攻撃しました。人道的危機が一層深刻化し、ジェノサイドの重大な危機が目の前で進んでいます。それでもまだ総理は現場の状況が確認できていないと、イスラエルの国際人道法違反を正面から批判しないのでしょうか。
日本共産党は、ガザ攻撃中止と即時停戦に向けた要請文を発表し、各国政府と国際機関に働きかけを行っています。総理もこの立場で即時停戦を求めるべきではありませんか。
三十年に及ぶコストカット型経済の変革といいますが、経済対策と補正予算案は、世界の緊迫した情勢と国内の困難な実態に応えるものになっていません。
経済対策の目玉とする所得税、住民税の定額減税について、六割以上が評価していないのはなぜだと思いますか。一年限りの減税、その後待っているのは大軍拡のための増税だということを国民は見抜いているからです。さらに、定額減税は半年以上も先、約一千万人に恩恵が及びません。しかも、総理は、還元を強調してきましたが、税収増加分は既にありません。還元とは一体何だったのでしょうか。
減税というなら消費税です。はざまも隙間も生じません。「女性自身」の記事で減らしてほしい負担ランキング、断トツの一位は消費税でした。逆進性が高い上、個人消費を落ち込ませている主な原因だからという理由は、そのとおりです。
七月から九月期のGDPは年率マイナス二・一%と、三四半期ぶりのマイナス成長となりました。総理はその理由をどう認識していますか。物価高による食料品の買い控えなど、消費が落ち込んでいます。
総理は、予算委員会で、我が党の山添議員の質問に、消費税の減税は考えていない、だから減税の効果も検討していないと答弁しました。第一生命経済研究所のエコノミストは、消費税減税は実質GDPの押し上げ効果があると指摘しています。総理、直ちに検討するべきではありませんか。
インボイス導入で取引打切りや価格引下げを要求されるなど、影響は深刻です。インボイス制度を考えるフリーランスの会のアンケートでは、七割が廃業を検討などと答えています。今すぐ廃止するべきです。
総理は、政府と経済界、労働界による政労使会議で今年を上回る水準の賃上げへの協力を要請しました。日本が賃金が上がらない国になったのは、財界の求めに応じて非正規雇用を拡大してきたからです。その反省もなくお願いを繰り返すだけでは、抜本的な賃上げはできないのではありませんか。
民間でも公務でも非正規雇用が増え、四割を超えています。その多くが女性と若者です。ところが、補正予算案には非正規雇用の賃上げ、正規化については何の対策もありません。総理はこれをどう変えるつもりですか。
一方、政治にできるのが最低賃金の引上げと非正規公務員の賃上げです。国や自治体の非正規雇用の七五%が女性であり、その多くが低賃金で、男女の賃金格差を拡大する要因ともなっています。
非正規公務員の女性たちでつくる団体、ヴォイセズには、意見を言えば辞めてもらって構わないなど、雇用の打切りなどをほのめかすクビハラの下で職務遂行に必要な意見すら言えない、パワハラやセクハラなどでメンタル不調になり通院中などの声が寄せられています。ところが、経済対策には、男女の賃金格差の是正という言葉さえありません。政府が率先して非正規公務員の賃上げに踏み出すべきではありませんか。
大企業が利益を増やす一方、中小・小規模事業者は、ゼロゼロ融資の返済が本格化し、コロナ危機を上回る倒産、廃業の危機にさらされています。中小企業の半数がコロナ前の水準まで売上額が回復していないところに異常な円安と物価高が襲いかかり、売上げが伸びても利益が出ない、経営が厳しくなる一方と、小規模事業者ほど実態は深刻です。
ゼロゼロ融資は、コロナがなければ本来必要のなかった緊急避難の借入れです。ゼロゼロ融資を別枠にして返済を猶予し、新たな融資を可能にする別枠融資といった特別な仕組みが必要ではありませんか。
補正予算案には、マイナ保険証とマイナンバーカードの利用促進などに約一千八百億円が計上されています。厚生労働省の医療機関への調査でも、患者にとってマイナ保険証はメリットがないという回答が半数以上に上っています。健康保険証は残すべきではありませんか。
大阪・関西万博の会場建設費用が当初見積りの二倍近い二千三百五十億円に膨らむ下で、補正予算案には、会場建設費などに七百五十億円、機運向上に約三十億円が計上されました。ところが、世論調査では、費用削減と開催中止は合わせて八割を超え、建設費増額に納得できないが七割を超えています。この先どれだけ負担が増えても開催に突き進むのですか。万博の中止を決断するべきです。
日本のエネルギー自給率は一〇%程度と先進国の中でも極端に低く、同じく自給率が低い食料とともに外国への依存が日本経済を脆弱にしています。
九月に国連で開かれた気候野心サミットで、総理は演説の機会が与えられず出席できませんでした。国連は、先進国に二〇三〇年までに石炭火力から撤退することを繰り返し求めているのに、日本はG7の中で唯一撤退期限を示していません。
総理、石炭火力発電の廃止期限を決め、石炭火力延命のためにアンモニア混焼を押し付け、世界の脱炭素の取組を妨害することをやめるべきです。COP28に向けて、CO2の排出削減目標と再生可能エネルギーの導入目標を引き上げ、再エネの導入を妨げる原発の優先給電をやめるべきではありませんか。
軍事費に過去最大の八千百三十億円が計上されています。敵基地攻撃能力となる長射程ミサイルの早期取得経費一千五百二十三億円、佐賀空港へのオスプレイ配備のための施設整備費一千百二十四億円、さらに米軍辺野古新基地建設費三百二十六億円など、そもそも軍事、軍拡予算を潜り込ませていることが大問題です。経済対策とは関係ないのではありませんか。
さらに、自衛隊の運用体制の早期確保のための予算として、円安に伴い不足する外貨関連経費二百四十九億円が計上されています。いつからいつまでの不足分に充てる予算なのですか。
昨年、安保三文書を決定したときには、二年目以降の為替レートは一ドル百八円に設定されました。ところが、その後も円安が進行し、今や百五十円台を超えています。円安が続けば、輸入する米国製兵器の価格は高騰します。それでも計画どおり爆買いを強行するのですか。
暮らし、経済、外交、人権など、どの問題でも岸田政権の行き詰まりは深刻で、辞任ドミノも止まりません。
さらに、自民党五大派閥の政治資金パーティーに関わる政治資金収支報告書に巨額の不記載が明らかになり、政治資金規正法違反で告発されています。既に東京地検特捜部が任意の事情聴取を始めたと報じられています。昨年十一月のしんぶん赤旗日曜版の報道をきっかけに、その後、岸田総理が会長の宏池会政策研究会などは収支報告書を次々と訂正しました。
しかし、指摘された点だけ訂正すれば済む問題ではありません。長年にわたり、パーティー券収入の虚偽記載によって巨額の裏金作りが行われていたのではないかという重大疑惑です。自民党総裁である岸田総理の責任で徹底調査し、国民と国会に明らかにすべきです。
答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕