岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 岩渕友議員の御質問にお答えいたします。
ガザにおけるイスラエル軍の行動についてお尋ねがありました。
イスラエル軍による個別具体的な行動については、事実関係を十分に把握することが困難である中、その法的評価をすることは差し控えます。
しかし、その上で、全ての当事者が国際人道法を含む国際法を遵守しなければなりません。また、実際の軍事行動において、民間人の被害を防ぐべく、人道目的の戦闘休止を含め、実施可能なあらゆる措置を講じる必要があります。
私自身、先般のAPEC首脳会議の機会を含め、関係国と会談を重ね、ガザ地区の人道状況改善や事態鎮静化に向けた協力、これを確認しております。
引き続き、全ての当事者に国際人道法を含む国際法の遵守を求めつつ、関係国、国際機関との間で意思疎通を行い、人権、人道状況の改善と事態の鎮静化等に向けた外交努力、積極的に続けてまいります。
定額減税、四半期GDP速報、消費税減税、さらに、インボイス制度についてお尋ねがありました。
我が国経済はデフレ完全脱却のための千載一遇のチャンスを迎えており、今般の所得税、住民税の定額減税は、デフレに後戻りしないための一時的な措置として、国民の可処分所得を下支えするものです。
本格的な所得向上策に向けては、先週十五日の政労使の意見交換において、足下の物価動向を踏まえ、来年の春闘に向け、今年を上回る水準の賃上げの協力を経済界にお願いしたところであり、官民連携により、来年に向けて、賃金、所得税、住民税の定額減税を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう、これ取り組んでまいります。
今般の所得税、住民税の定額減税における還元は、コロナ禍に耐えた過去二年間、国民の皆様からいただいた所得税、住民税の税収増である三・五兆円に相当する規模について、今度は物価高で苦しまれている国民の皆様に対して税の形で分かりやすくお返しするという趣旨で実施するものです。国民の皆様から見れば、コロナ禍の際に納めた税金が戻ってくるという意味で、還元そのものであります。
こうした定額減税の趣旨を含め、経済対策への理解が広がっていないとの御指摘を真摯に受け止め、引き続き丁寧に説明を続けてまいります。
また、二〇二三年七―九月期GDP一次速報では、実質成長率は三四半期ぶりのマイナスとなりました。個人消費が物価上昇の影響もあって横ばいとなり、また機械投資や建設投資の減少により設備投資がマイナスとなるなど、内需が力強さを欠いていました。
消費税については、急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、全ての世代が広く公平に分かち合う観点から社会保障の財源として位置付けられており、その税率を引き下げることは考えておりません。
また、インボイス制度は、複数税率の下で課税の適正性を確保するために必要な制度であり、これを廃止することも考えておりませんが、引き続き、制度の施行状況等をフォローアップするとともに、事業者の立場に立って柔軟かつ丁寧に対応してまいります。
そして、抜本的な賃上げ、非正規雇用労働者の賃上げや正社員化についてお尋ねがありました。
我が国経済は、長引くデフレを背景に、コストカット型経済が続き、低物価、低賃金、低成長の悪循環に陥ってきました。
賃上げは岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる、こうした経済を目指し、あらゆる政策手段を集中的に講じていきます。
非正規雇用労働者の賃上げについては、これまでも、最低賃金の引上げや賃上げしやすい環境整備等に取り組んできました。
また、同一労働同一賃金の徹底、キャリアアップ助成金などにより、非正規雇用労働者の賃上げや正社員化、これを支援してきたところであり、今般の補正予算案にも、リスキリング支援など更なる取組を進めるための必要な経費、これを盛り込んでおります。
さらに、国及び地方公共団体の非常勤職員の給与については、常勤職員や民間との均衡を考慮し改善してきたところですが、今後とも適切に対応してまいります。
ゼロゼロ融資についてお尋ねがありました。
ゼロゼロ融資の本格、失礼、返済本格化を踏まえ、政府から金融機関に対して条件変更への柔軟な対応を要請した結果、応諾率は約九九%となっております。
また、コロナ借換え保証制度により、返済期間の長期化と収益力改善を一体的に支援するなど、ゼロゼロ融資の円滑な借換えを支援しています。
あわせて、民間金融機関からの新規融資を受けやすくする日本公庫のコロナ資本性劣後ローンについては、融資上限額を十五億円に引き上げるとともに、今般の経済対策で黒字額が小さい事業者の金利負担を軽減するよう運用を見直し、利用促進を図ることとしております。
引き続き、個々の事業者のニーズに寄り添い、丁寧な資金繰り支援、講じてまいります。
そして、健康保険証の廃止についてお尋ねがありました。
マイナ保険証は我が国の医療DXを進める上で基盤となる仕組みであり、データに基づいた質の高い医療など、マイナ保険証のメリットを丁寧にお伝えしていく必要があると考えております。
今般の補正予算では、マイナ保険証の利用促進のための医療機関等への支援に必要な予算などを計上しており、まずは、一度国民の皆様にマイナ保険証を使っていただきメリットを感じていただけるよう、医療機関や保険者とも連携して、利用促進の取組、これを積極的に行ってまいります。
その上で、現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提との方針にのっとって、ひも付けの総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、更なる期間が必要と判断される場合には必要な対応を行ってまいります。
大阪・関西万博の中止についてお尋ねがありました。
万博の会場建設費などに係る費用については、その必要性について国民の皆様に御理解いただけるよう丁寧に説明していくことが重要であるとともに、コスト抑制に向けた不断の見直し、これを行ってまいります。
実質的にコロナ後初となる万博として世界中の人々が参加し、課題解決に向けて行動する契機となる万博を我が国において開催することに大きな意義があると認識をしております。万博を中止することは考えておらず、引き続き、万博の成功に向けて関係自治体や経済界とも緊密に連携し、オールジャパンで着実に進めてまいります。
石炭火力発電、CO2排出削減目標、再生可能エネルギーの導入についてお尋ねがありました。
エネルギーをめぐる状況は各国千差万別であり、G7広島サミットにおいても、各国の事情に応じ、多様な道筋の下でネットゼロという共通のゴールを目指す方針、これを共有いたしました。
石炭火力については、安定供給を大前提にできる限り発電比率を引き下げていく方針であり、二〇三〇年に向けて、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めてまいります。
アンモニア混焼発電については、将来的なアンモニア専焼を目指しサプライチェーン構築を進める過渡的な段階においては、着実にCO2削減が可能な有効な手段の一つであると考えております。
また、我が国は、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度四六%削減、さらに五〇%の高みに向けた挑戦を続けるという目標を掲げています。
再エネについては、地域との共生を前提に、二〇三〇年度三六%から三八%の実現に向けて最大限導入していくことが基本方針です。再エネの出力制御は、まず、火力発電の最大限の制御や他地域への送電などを行い、それでもなお供給が需要を上回る際に限定的に行うものです。出力制御の順番については、原子力発電が過度に優先されるなどということはなく、安定供給の観点から、各電源の特性を踏まえて決定をされています。出力制御の更なる低減に向けて、蓄電池の導入や地域間連系等の整備などを加速してまいります。
防衛関係費に係る補正予算についてお尋ねがありました。
国民の安全、安心を確保することは、経済社会を持続可能なものとするための大前提です。安全保障環境が厳しさを増す中、令和五年度補正予算案では、自衛隊の運用態勢の速やかな確保や災害対処能力の強化のために、令和五年度中に不足する外貨関連経費二百四十九億円を含む八千百三十億円を計上いたしました。昨年来、円安を伴う為替レートの変動等は継続しておりますが、このような厳しい状況においても、防衛力整備の一層の効率化、合理化を徹底し、閣議決定された防衛力整備計画等に基づいて、防衛力の抜本的強化を達成するべく努めてまいります。
そして、自民党の関連政治団体における政治資金収支報告書の記載についてお尋ねがありました。
個々の政治団体に関するお尋ねについては、政府としてお答えすることは差し控えますが、自民党の各派閥の関連、関係政治団体において政治資金パーティーに関し政治資金収支報告書の訂正があったとの報道があること、これは承知しております。一般論として申し上げれば、政治資金収支報告書の訂正があった場合には、まずは各政治団体がそれぞれの責任においてその原因を点検し、必要な対応を行うべきであるものと認識をしております。(拍手)