吉良よし子の発言 (本会議)
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○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
私は、会派を代表し、国立大学法人法の一部改正案について質問をいたします。
初めに、おととい、東京横田基地所属の米軍オスプレイが屋久島沖で墜落するという重大事故が発生しました。まずは、乗組員の捜索救助に全力を挙げることを求めます。
あわせて、米軍も自衛隊もオスプレイ全機を直ちに運用停止し、事故原因を究明すべきではありませんか。オスプレイは、開発段階から最近に至るまで墜落事故や緊急着陸を繰り返してきた欠陥機です。米軍のオスプレイを撤去し、陸上自衛隊へのオスプレイ導入も中止、撤去すべきです。
以上、防衛大臣に答弁を求めます。
それでは、以下、文部科学大臣に法案について伺います。
本法案は、大学教職員、学生始め広範な人々が相次いで反対を表明しています。
先日は、国立大学協会も、本法案についての危惧と懸念を表明する会長声明を発しました。国大協が審議中の法案に対してこのような意思表示を行うこと自体、極めて異例です。
ここまで本法案に反対する声が広がっているのはなぜか。本法案が、学問の自由、大学の自治を根底から脅かすものだからにほかなりません。
そもそも、日本国憲法第二十三条に学問の自由が明記されたのは、戦前の国家権力が学問の自由を侵害してきたことへの反省があったからです。学問の自由を保障するためには、大学内の構成員が自由に、そして自主的に大学運営に参加できる民主的な仕組みである大学の自治が不可欠です。
にもかかわらず、本法案は、政府が指定する大規模な国立大学法人に委員の大半が学外者となる運営方針会議という新たな合議体の設置を義務付けています。このこと自体が、外部からの干渉を受けず、学内構成員での意思決定、管理運営を基本とする大学の自治に反するものになるのではありませんか。
その上、運営方針会議の委員は、文部科学大臣の承認を得た上で学長が任命すると定めています。この仕組みが、人選への政府の口出しを容認し、大学の人事に国家権力が介入する根拠を与えるものになるのではありませんか。
運営方針会議は、国立大学法人の基本的な方針である中期目標・計画、予算、決算などの大学運営の主要方針を決定、学長の選考基準にも意見を述べ、学長が会議の決定どおりに運営していない場合には改善措置を要求する権限まで与えるとしています。つまり、運営方針会議は学長よりも上に置かれ、大学運営の意思決定から大学の構成員である教職員を徹底的に排除することになりませんか。
運営方針会議の委員はどういう人を想定しているのか。文科省は衆議院で、法人運営や財務経営などの多様な専門性を有する方によって構成される必要があると答えました。つまり、もうけや効率を最優先にするような数人の学外の委員によって、稼げる大学づくりを強力に進めることになるのではありませんか。お答えください。
本法案による運営方針会議の設置は、元々、大学ファンドの支援を受ける国際卓越研究大学の認定を受ける条件として持ち出されたものです。
しかし、本法案は、国際卓越研究大学の認定の有無にかかわらず、政令で指定する大規模な大学を特定国立大学法人とし、運営方針会議の設置を義務付け、政令指定されない大学でも希望すれば準特定国立大学法人となり運営方針会議を設置できると、対象が大きく広げられました。
しかも、こうした対象拡大について、国立大学の学長始めほとんどの大学関係者は、十月の法案提出時までその内容を知らされずに来ました。国大協の永田恭介会長は、十一月十七日の記者会見で、法案の内容は閣議決定で法案が出されるまで知らなかったと述べました。こんな乱暴なやり方が許されていいはずがありません。
なぜ国際卓越研究大学以外の大学にも運営方針会議の設置が必要なのか、一体いつから、どのような検討がされたのか、関係者の意見を聞いたのか、お答えください。
特定国立大学法人は政令で指定するといいますが、その政令、基準は、国会で審議することなく改定することが可能です。しかも、政令で指定しない大学までも運営方針会議の設置が可能となれば、運営方針会議の設置が際限なく広がり、全ての大学の自治が壊されるのではありませんか。お答えください。
国大協の会長声明では、国立大学法人法において、特定国立大学法人、準特定国立大学法人及びそれ以外の国立大学法人と、国立大学法人が区分され、差異のある取扱いがなされる可能性があることに強い危惧を持つと表明しています。本法案により、国立大学の序列化や運営費交付金の配分の差が拡大し、これまで以上に選択と集中が進められるのではありませんか。
この間、日本の高等教育への公的財政支出は、OECD加盟国平均の半分以下、最下位クラスをずっと続けています。研究力の低下が進むのは当然のことです。今こそ、法人化以降減らされた国立大学への運営費交付金を抜本的に拡充すべきではありませんか。お答えください。
政府が大学への基盤的経費を減らしながら軍事研究への誘導を進めていることは問題です。安保三文書、国家安全保障戦略に基づき、先端科学技術の軍事利用に向けて、文部科学省も含む関係閣僚会議が設置されました。これは、大学を軍事研究に駆り立てるものではありませんか。
このまま運営方針会議を通じて政財界の意向を押し付ける仕組みができれば、非効率とされる学問分野は再編、淘汰され、稼ぐためとして、軍事研究もいとわない政財界が求める稼げる大学へと国立大学が大きく変質させられる危険があります。
そうでなくとも、国際卓越研究大学には事業収入の増加が求められています。事業収入を増やすために、授業料、学費が値上げされることもあり得ます。事実、国際卓越研究大学制度の検討会では、国立大学法人への規制緩和として、授業料設定の柔軟化、値上げの自由化が検討課題とされています。既に、国が定める上限、授業料標準額の一二〇%まで学費を値上げしている国立大学も複数出てきています。
大臣、事業収入の増加を目的にする国際卓越研究大学や、今回、運営方針会議が設置される国立大学において、現行の授業料の値上げをさせないと断言できますか。さらに、今後も国立大学授業料の値上げ自由化はしないと断言できますか、お答えください。
そもそも、五十年間もの長きにわたって学費値上げを繰り返し、世界で異常な高学費と十兆円にも上る若い世代の借金となる奨学金を押し付け、学生の学ぶ権利を奪ってきたのは政治の責任です。
直ちに国の助成で、国公私立、専門学校、全ての学費を半分に値下げするとともに、入学金を廃止する、奨学金を借金から給付中心に大転換する、奨学金返済を半額にするなど、緊急の対策を取るべきではありませんか。
学問研究の発展は、時の権力者の意向に左右されることなく、学問研究に携わる全ての人が自由に自主的に運営に参加できる民主主義なくしては成り立ち得ません。大学から自由と民主主義を奪う本法案については、徹底審議の上、廃案を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣盛山正仁君登壇、拍手〕