豊田俊郎の発言 (本会議)

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○豊田俊郎君 自由民主党の豊田俊郎です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました令和四年度決算について質問をいたします。
 まず、参議院での決算審議の意義についてお伺いをいたします。
 決算の府として役割を確立させた青木幹雄先生は、常々、参議員となられた先生方に、憲法により、予算審議では衆議院に優越規定が設けられている、しかし、決算から次年度の予算が組まれるわけですから、参議院では予算をいかに有効に使ったのかをしっかりと検証する決算審議を強化しなければならないと思いますと語られました。
 本日は、まず、岸田総理に、この言葉の趣旨を踏まえた上で、これからの決算審議にどのように臨んでいくおつもりなのか、お伺いをいたします。
 令和四年度決算の歳入について伺います。
 歳入予算を見ますと、税収は、およそ六十八兆三千六百億円と見込んでおりましたが、およそ七十一兆一千四百億円と、二兆八千億円ほどの増収となっております。一方、公債金も、歳入予算額約六十二兆四千八百億円に対して収納済歳入額約五十兆四千八百億円と、十二兆円ほどの減額となっております。
 この決算を見ますと、経済の回復に伴う租税収入が見込まれる以上の伸びを示し、さらに公債金負担も抑制されていることから、コロナ禍や物価高に直面したものの、岸田政権下での財政政策は間違っていなかったものと評価できると考えております。
 この点について、財務大臣の御見解をお聞かせください。
 今回の決算を基に、安全保障政策、外交について伺います。
 我が国にとってASEANは、半世紀にわたる緊密なビジネスパートナーであります。また、加盟国の多くが、領土、領海をめぐる中国との覇権主義的な行動による脅威に対峙しております。
 このことから、持続的な経済成長の実現のみならず、現下のアジアで顕著になっている力を背景にした一方的な現状変更の試みに対し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くためにも、我が国とASEAN各国との現実的な連携の強化はますます重要なものとなっております。
 日本は、これまでもASEANとの関係強化に努めてまいりました。
 昨年度の決算を見ると、ASEAN等での親日派・知日派育成のための交流拡充拠出金として二十五億円、日・ASEAN間の重要なイニシアチブの実施強化を通じたASEAN統合実現への後押しとして百十一億円を拠出しております。このほかにも、これまで経済協力の枠組みの中でASEAN加盟国への海上警備活動支援等を行ってまいりました。
 今年は、日本とASEANの友好協力五十周年となります。そして、この記念すべき年を締めくくる行事として、今週末十六日から十八日まで、東京において日・ASEAN特別首脳会議が開催をされます。
 そこで、この機に、総理は、ASEAN各国との関係で、力による一方的な現状変更の試みに対して、どのように連携を強化し、対応していく道筋を示すお考えでしょうか。お伺いをいたします。
 次に、公共工事の入札の適正化に関して伺います。
 昨今の燃料費や資材価格の上昇、賃金の引上げ等により、我が国の防災・減災、国土強靱化や地方創生を支えている社会資本整備事業に要する費用が増加傾向にあります。
 そのような中、建設業に従事する技術者や技能者、労働者が不足しており、建設事業者からは、工事を受けたくても受けられない、あるいは工事が遅れぎみとなり工期を延ばさざるを得ないといった話をよく耳にいたします。地方自治体が発注する公共工事では、発注金額が低いことから入札に応じる事業者がないという実態も私の住む八千代市においても発生しておる状況にございます。
 これらは、我が国の発展と安全、安心の土台をつくり、守る建設業界の持続可能性と日本の社会資本整備にとって大きな問題です。
 まずは、物価高騰、賃上げに対応した公共事業予算の確保が大切です。
 同時に、総理は、デフレからの完全脱却のためには、供給力の強化、すなわち稼ぐ力を強くすると訴えておられますが、そうであれば、公共事業が安ければ安いほどいい、そのためには労務者の賃金や下請にしわ寄せが行ってもよいと考える、いわゆる低入札価格やダンピングを許してはなりません。
 資材価格や人件費の増加をしっかりと考慮し、求められる品質を確保したものを造るために適正な価格で発注することで、建設業に携わる事業者の方々の供給力を強め、同時に、下請業者の利益や建設労働者の方々の賃金の引上げにつなげていくことが大切です。
 そこで、建設分野における物価高騰に負けない賃上げを実現し、さらには建設業界の人手不足への対処を進めていくためには、まずは公共工事における入札契約制度の一層の適正化等から対応を始めるべきと考えますが、総理にお伺いをいたします。
 最後になりますけれども、所有者不明土地問題に関して伺います。
 地球温暖化により激甚化、頻発化する自然災害、さらに発生が懸念される大規模地震から我が国の国土を守り、国民の命と生活を守り抜くために、現在、政府は、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の下、その対策を急いでおります。
 国土強靱化事業が進捗した成果は着実に出ております。全国の都道府県知事、市区町村長からは、防災・減災、国土強靱化事業が完成していたことで、従前なら災害が発生したレベルの豪雨でも何とか持ちこたえることができたとの声を伺っております。
 しかし、防災・減災、国土強靱化事業や高速交通ネットワーク整備事業でも、必要となる事業用地の買収に手間取れば、事業着手も事業効果を得ることも遅れてまいります。
 その際、特に困難と言われているのは、所有者が不明となっている土地の取得です。土地の所有者の探索等に多大な時間、費用を要し、円滑な土地利用の支障となっております。また、所有者による適正な管理がされず、放置されたままの、放置されたままとなり、土砂崩壊などの災害危険性も高まっております。
 平成二十九年に、この本会議場で決算代表質問において安倍総理から大変前向きな答弁をいただいて以降、政府における取組が加速し、令和三年に民法と不動産登記法が改正され、さらに、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律が制定されたことで、相続登記、住所等の変更登記の申請義務化、相続土地国庫帰属制度や所有者不明土地・建物の管理に特化した財産管理制度が創設されました。
 ただ、大切なのは、この法律により、所有者不明土地問題の解決に向けて、どれだけ事態が改善し、我が国の貴重な財産である土地が有効に活用され、次世代にしっかりと受け継いでいくことが、今に生きる私たちの使命であると考えます。
 この件について、政府の取組の状況をお尋ねした上で、総理にお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 豊田俊郎

speaker_id: 5785

日付: 2023-12-11

院: 参議院

会議名: 本会議