大口善徳の発言 (憲法審査会)
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○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
ようやく実質審議が始まりました。本日は、議員任期延長を始めとする緊急事態における国会機能の維持について発言をさせていただきたいと思います。
昨年十二月七日の憲法審査会では、中谷筆頭幹事から、緊急事態における国会機能の維持の憲法改正について、具体的な条文の起草作業のステージに入るという御提案がございました。そして、本日、起草委員会を設けたい、こういう御発言もあったところでございます。
また、我が党におきましても、北側幹事始め委員から、これまでの議論も踏まえた条文案のたたき台を作成し、そのような具体的な案を基に審査会で議論を更に積み重ねていくことが必要ではないかという発言をさせていただきましたし、本日も北側幹事から同様の発言をさせていただきまして、私どももそう思っておるところでございます。
そこで、その条文のたたき台作成に向けて、改めて議論を整理したいと思います。
まず、参議院の緊急集会の位置づけについてでございます。
日本国憲法には、衆議院不在時に国に緊急の必要があるときへの対応として参議院の緊急集会制度が設けられており、七十日程度の期間内に総選挙実施が見通せる場合には最大限これを活用することが現行憲法の求めるところと考えております。
この点に関し、憲法五十四条二項では、参議院の緊急集会の開催は「衆議院が解散されたとき」とされていますが、衆議院議員の任期満了後に総選挙が行われるときも、類推適用により、参議院の緊急集会は開催可能という解釈が多数説とされています。
そこで、条文案のたたき台には、この解釈を明文化する憲法改正に関しても書き込むことを提案いたします。こうすることで、衆議院解散、任期満了を問わず、七十日程度の期間内の総選挙実施が見通せる場合は参議院の緊急集会で対応し、長期にわたって総選挙実施が見通せない場合は議員任期延長で対応するという両制度のすみ分けがより明確になると考えます。
このように、議員任期延長を始めとする緊急事態における国会機能の維持に関する憲法改正が行われたとしても、参議院の緊急集会の役割はなお引き続き重要であり、その権限や権能が縮小されるようなことはありません。
次に、これまで余り議論されてこなかった選挙期日の延期に関する論点です。
この間の憲法審査会の議論では、広範かつ長期間にわたって国政選挙の適正な実施が困難であることが明らかであるとき等という要件で、議員任期延長という効果が生ずると考えられてきました。
しかしながら、国政選挙の実施の困難性を要件としていることを考えると、まず、選挙が困難な事態であることを認定した上で、その効果として、その事態が収拾した後まで国政選挙の選挙期日を延期するとすることがより自然な構成となるのではないでしょうか。すなわち、国政選挙の実施が困難であるからその選挙を延期せざるを得ないという前提の上で、選挙が延期されている間は国会議員が不在となってしまうため、新しい議員が選ばれるまでの間、議員任期延長により対応する必要があるということが論理的であると考えます。
つまり、私たちの議論の筋道を適切に表現すると、緊急事態発生時に議員任期を延長するのではなく、選挙期日を延期するものだということでございます。実際に、東日本大震災の際には、被災地自治体の議会の議員と首長の選挙を延期した上で、選挙期日まで当該議員と首長の任期を延長することが特例法でなされております。
また、選挙期日の延期、議員任期延長のほか、緊急事態における解散権の制限や国会閉会の禁止、オンライン国会という論点も条文案のたたき台に書き込むことにより、緊急事態における国会機能維持がより総合的なものとなると考えます。
以上、これまでの議論を踏まえ、条文案のたたき台に書き込むべき事項の整理をしてみました。条文案のたたき台を作成することにより、これまでの議論の内容がより可視化され、建設的な議論ができるようになるとともに、国会における議論の内容が国民にも理解しやすくなると考えます。
条文のたたき台の作成を是非進めていただきますようお願い申し上げまして、私の発言とさせていただきます。