逢坂誠二の発言 (憲法審査会)

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○逢坂委員 おはようございます。逢坂誠二でございます。よろしくお願いいたします。
 明治維新以降、日本では、富国強兵を一つの方向として国づくりが進みました。第二次世界大戦以降は、経済成長が国づくりの基本でした。ところが、この高度経済成長が終えんした後の日本の国の在り方に対する議論は必ずしも十分ではなかったと感じております。そのため、現在、日本がどのような国であるべきなのかに関し、イメージし難い状況になっていると私は感じています。これは、国づくりを考える上で大きな弱点だと感じます。
 一九七八年、大平内閣は、その組閣直後に、二十一世紀を展望した中長期の政策ビジョンを検討、立案するために、九つのグループから成る政策研究会を発足させました。この研究会の目的は、一内閣を超えて二十一世紀において我が国が活力ある存在であり続けるための政策ビジョンを明らかにすることだったと私は認識しています。一九八〇年七月までに九つの研究会の全ての報告書が提出されたのですが、大平総理が亡くなったことにより、その後、この報告書が十分に生かされなかったことを私は残念に思っております。
 それ以来四十年以上が経過しますが、国の在り方について地に足のついた議論は十分ではなく、目先や足下の課題にきゅうきゅうとしてきたのが現実ではないでしょうか。特に、今だけよければ、自分さえよければ、金さえもうかればよい、こんな価値観が日本を席巻し、場当たり的な対応に終始してしまったのではないでしょうか。
 多くの方々が、日本のこの三十年は失われた三十年だと指摘しております。人口減少、食料自給率向上の難しさ、教育力の低下など、日本の大きな危機です。しかし、今ここでも、再度目先の課題だけに心を奪われていたのでは、日本の未来は失われ続けるのは必然であります。私は、未来を見据えた憲法議論を行うためにも、失われた三十年を取り戻すためにも、今こそ党派を超えて日本の大きな在り方を考えることが必要だと確信しております。
 かつて、憲法調査会において、二十一世紀の日本のあるべき姿についての調査を行ったことがあると承知しております。その調査は、憲法や統治機構にとどまらず、教育、IT、ゲノムなど、幅広く各界の識者の皆さんから話を伺うという極めて貴重な調査でした。ただし、今、その経過を振り返ってみて、残念に思うことがあります。それら識者の話を聞いた後に、その内容を踏まえた日本のあるべき姿に関する議員間、政党間の議論がなかったことです。
 もちろん、そのような議論を行わなかった理由やその当時の時代背景は、何となく理解できる気がします。政治には、もしはあり得ませんが、もし当時そのような議論を行えば、百花繚乱の意見が乱れ飛び、議論百出、まとまりのない様々な内容になったものと思います。しかし、この議論過程を少しでも国民の皆様に共有いただき、日本の在り方を考えるよすがにしていただくことが重要だったと考えます。こうした議論の先に国家のあるべき姿が見えてくるものと思うからです。
 このときの識者の発言は、今もなるほどと思うものが多々あります。また、二十年近い時を経て少し違和感のあるものもありますが、この二十年前の議論からバトンを引き継いで、我々も日本の在り方を議論する、その先に憲法の姿もおのずと見えてくるのではないでしょうか。
 憲法九条も同様です。自衛隊は合憲です。私たちはこの姿勢に揺るぎはありません。したがって、現時点で九条を変える必要はないと考えています。しかし、平和主義、専守防衛を前提としながら、主権国家としての日本の防衛をどうするかを不断に考えなければなりません。切れ間なく考えたその先に、日本の在り方が浮かび上がってくるものと私は考えています。
 以上、私の問題意識を申し上げましたが、今後の議論の進め方については、更に中谷筆頭と丁寧に協議をさせていただきます。
 なお、前回までに私に対する質問などがございましたけれども、これは今日の二回目以降の発言の中で対応させていただきます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 逢坂誠二

speaker_id: 4539

日付: 2024-05-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会