玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 ありがとうございます。
 今説明があったように、私の隣に座っております赤嶺先生が、二〇一七年六月一日の憲法審査会で、この前の選挙の前ですね、参考人の、皆様も御存じの宍戸先生、小山先生に質問されたときに、両先生とも、憲法尊重擁護義務に反しないと明確に答弁をされています。私もこれは問題ないと考えます。ここは明確に確認をしておきたいというふうに思います。
 そもそも、日本国憲法は九十六条で憲法改正手続を定めており、しかも、国会、国会議員に独占的な発議権を付与しています。つまり、憲法改正手続を定めた九十六条も含めて擁護する義務がかかっているし、国会が必要に応じて憲法をアップデートし、国民の権利保護に万全を期すことこそ、憲法保障の一環になっていると考えます。
 この点はいろいろな誤解があると思いますので、改めて、冷静な議論のために確認をさせていただきました。
 次に、前回議論があった、選挙期日の延期と議員任期の延長は繰延べ投票で可能という意見について、改めて反論しておきたいと思います。
 一九五〇年の公選法制定後の国政選挙では、戦後二回、昭和四十年と昭和四十九年の参議院通常選挙で繰延べ投票が行われています。しかし、これはいずれも、集中豪雨のため、ごく一部の投票所において、一週間だけ投票が繰り延べられています。地方選挙においても幾つか例がありますが、一週間を超えて繰り延べられた例はございません。五日間というケースもあります。日曜日に駄目なので、その週の金曜日にやったケースはございます。
 このように、繰延べ投票は、その要件や実施例から見ても、ごく限られた投票所で投票が実施できない場合に一週間程度行われるものであって、七十日を超えるような長期にわたって広範に行われることを想定しておりません。何より、仮に投票期日を長期に繰り延べたとしても、その間、議員任期の延長が行われるわけではなく、長期にわたって議員がいなくなる事態は避けられません。
 なお、法律の制定によって国会議員の投票を繰り延べるとともに任期延長を行うことができないということは、先週も申し上げたとおり、野田内閣の閣議決定でこれは決められております。
 やはり、長期にわたって選挙の一体性が害されるほど広範に選挙が困難な事態、すなわち選挙困難事態が発生したときに国会機能を適切に維持するためには、憲法を改正して、選挙期日の延期とその間の議員任期の延長に関する規定を創設することが必要だと考えます。
 最後に残るのは、選挙困難事態が発生するかどうかの判断であります。これは正直、誰にも分かりません。しかし、私たちは、東日本大震災の発災の四十四日後に予定していた市議会議員選挙などが実施できず、特例法を制定して議員任期を延長する経験をしております。同じことが国政選挙の任期満了時や解散時に発生することは十分想定し得ます。こうした場合に備えた憲法改正は必要だと考えます。
 前回も述べましたが、私たち国会議員は、学者や評論家ではなく立法者であって、国民の生命や権利を守るために、その可能性がある限り、あるべき法制度を構築する責任を負っていると思います。危機に備えるかどうかを決めるのは学者ではありません。国民から負託を受けた私たち国会議員が決めなければ、答えは出ません。改めてこのことを申し上げて、委員各位の御理解を求めたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2024-05-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会