小野泰輔の発言 (憲法審査会)
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○小野委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の小野泰輔です。
先週、自民党の船田幹事や我が党の岩谷委員を始め複数会派の委員から、具体的な条文をイメージできる要綱形式の資料を討議資料として本審査会に提示をして議論を進めるべきとの発言がありました。先ほど小林幹事からも改めてありました。憲法審査会も定例日が残り少なくなってきましたので、是非、来週には実現できるよう、森会長、各幹事のお取り計らいをよろしくお願いいたします。
先々週、先週の議論では、選挙困難事態とはどういう事態なのか、その期間についてもどのような基準で判断するのかといった議論がなされました。
原則的に任期を延長しない、でき得る限り選挙を行うべきという逢坂幹事の御指摘は、原理原則としてそのとおりです。本庄幹事からも、選挙可能な地域が例えば八五%ある場合には、その地域において選挙権を行使できるようにすべきであり、被災するなどして選挙が困難となった地域では繰延べ投票を行えばよいという御発言があり、衆議院の総選挙の一体性と選挙が困難でない地域の選挙権の保障のどちらが大切なのかという疑問も呈されました。
私は、選挙困難な地域の範囲や期間の長短によっては、できるだけ選挙を行うべきという原則を貫くことができない状況があり得ると考えます。
繰り返し北側幹事が指摘されておりますが、東日本大震災の際に衆議院が任期満了となった場合には、東北の多くの小選挙区と比例ブロック、そして北関東の一部の選挙区と比例ブロックの選挙が行えず、多くの当選者が確定できないということになります。本庄幹事の、できる限り繰延べ投票制度を用いつつ、選挙可能な地域においては選挙を行うべきという見解に従っても、理想どおりにはいかないケースがあります。
例えば、参議院の半数が任期満了となる日の付近で大規模災害が起き、広範な地域で選挙実施が困難となった場合において、選挙可能な地域のみで選挙を行うとすれば、全国比例について、選挙困難な地域の投票がない形で議員を選んでしまってよいのかという問題が生じます。それでもよいのだという考えもありますが、それでは全国の民意を反映できていないではないかという考え方もできます。
後者の場合は、我々が提案しているように、改選分について任期延長し、直近の国民の総意が示した結果を継続するということになります。いずれの方法を取るかで参議院において与党が過半数を取るのか取らないかの結果が異なってくる可能性があり、国民にとって重大な関心事です。
もっとも、参議院においては、任期満了するに任せればよく、議員任期延長など不要であり、非改選の片肺飛行でもよいのだという考え方もありますが、先週岩谷委員が申し上げたとおり、最短で三年間選挙困難事態が続いた場合には参議院議員全員がいなくなりますので、やはり参議院においても任期延長は必要となるものと考えます。
選挙可能な地域の選挙権の行使を尊重することは、できるだけ多くの国民の権利行使を保障することになるように思えますが、国民の総意としてどういう政治勢力、政党に国政を託すのかについての意思決定としては不完全なものとなります。被災した上に選挙権の行使が困難となった国民にとってみれば、自らの投票意思が反映されずに新しい議席配分が決定されてしまうのは、国民の総意の形成方法としてよいのだろうかと考えるものと思います。
議員任期の延長に反対する立場からは、現政権が居座る危険性や任期延長議員の民主的正統性が指摘されているわけですが、特に被災地の国民から見た場合、一部の地域のみで選挙を行って選ばれた国会議員が果たして民主的正統性を持つかどうかというと、そうは思えないということになるのではないかと思います。
また、立憲民主党の委員の皆様は、先々週あたりから、そもそも選挙困難事態があり得るのかという議論を展開されていますが、それ以前の主な御主張は、議員任期延長によらず、参議院の緊急集会で対応可能というものでした。
国会機能を参議院がある程度の期間代替する場合、緊急集会で予算や条約の議決も行うことが可能になるようにする必要があり、これは玉木委員が言われるところのスーパー緊急集会ですが、これを可能とするためには憲法改正が必要なのではないかという質問が北側幹事などから繰り返しなされております。これに対する回答をまだ立憲民主党からいただいておりません。
スーパー緊急集会を認めるためには憲法改正をしなければきついなということで、最近は、選挙困難事態がそもそもあり得るのかという点にフォーカスして議論をされているのかなというふうに感じておりますが、もし可能でしたら、スーパー緊急集会には憲法改正が必要かどうか、御答弁をお願いいたします。
先週、逢坂幹事からは、憲法は決して不磨の大典ではない、立憲主義を深化させる観点から、社会の変化などに合わせて、変えるところがあればしっかりと対応する旨の御発言がありました。玉木委員が先週おっしゃったように、選挙困難事態はやはりあり得るのだと考えますし、それに備えることは政治の責任だと思います。
選挙が可能なところでできる限り行っていくというやり方を取った場合には、国民の総意をうまく代表できないという問題があり、憲法を改正し、緊急事態における議員任期延長制度の整備をすることは必要であるとの実感を持つ国民は多いと考えます。この議論はもうかなり尽くされたと考えておりますので、改めて申し上げますが、条文起草委員会を立ち上げ、改正原案の作成作業を進めていくことを要望いたします。
一方、先ほど小林幹事からもありましたが、国民投票法について詳細を詰めていくことも必要です。国民投票広報協議会の組織の在り方や規程の詳細を決めていくとともに、国民投票運動の規制的措置の内容について各会派の考えをテーブルにのせ、成案を得ることが必要です。
本日は時間の関係で詳細には述べませんが、我が党の考えは非常にシンプルで、国民投票運動は基本的に自由になされるべきであり、民放連やネット事業者の自主的な取組により広告の取扱いを判断する際には、その参考となるよう、国民投票広報協議会がガイドラインを定めることとします。
ネット規制については、国民投票に限った問題ではない上、規制自体に困難が伴いますので、先週公明党の大口議員からも御指摘があったように、国民投票広報協議会が民間ファクトチェック団体と緊密に連携して対応すべきと考えます。かつて階委員がこの点について各会派の考えを整理した幻の一覧表があったように記憶をしておりますが、あのような検討材料を基に議論して結論を出していくべきであると考えます。
最後に、森会長にお願いですが、国民投票運動や広報協議会の在り方に関し、執行可能性や現実的な体制整備の観点も考慮すべく、当審査会事務局からヒアリングを行うよう求め、私の発言といたします。