三木圭恵の発言 (憲法審査会)
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○三木委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の三木圭恵です。
皆さん、大規模災害のときのケースを想定してお話をされておりますが、私は、日本が例えば戦争に巻き込まれたとき、侵略されたときのケースについてお話ししてみたいと思います。
二〇二二年二月二十四日にウクライナがロシアに侵攻されて、あしたで二年三か月がたとうとしています。報道によると、ロシア軍は、五月上旬に、ウクライナ北東部ハルキウ州を北方から急襲し、主戦場だった東・南部に続く新たな戦場を開き、砲弾や人員不足に苦しむウクライナ軍は、兵力分散を狙ったロシア軍の多方面攻撃にさらされ、厳しい状況に追い込まれたとされています。新聞の紙面には、ロシア軍のミサイル攻撃を受けたハリコフ州で消火活動に当たる消防士と、無残に破壊された建造物が掲載されていました。
毎日のように戦況が伝えられているウクライナですが、現在でも停戦などにはほど遠い状況と言わざるを得ません。
死者は、ウクライナでは、二〇二四年二月二十六日のゼレンスキー大統領の発表では三万一千人、ロシアでは、二〇二四年四月十八日の報道によると、確認できた死者は五万人を超えると言われています。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、一日も早く平和が訪れることを願わずにはいられません。
そのような中、ゼレンスキー大統領の任期が五月二十日に満了しました。ロシアの侵略に伴う戒厳令下では選挙は禁じられており、ゼレンスキー政権が継続することになりました。戒厳令に伴い昨秋の国会議員選挙や三月の大統領選挙が見送られましたが、キーウ国際社会学研究所が二月に行った調査では、国民の六九%が、戒厳令が終わるまでゼレンスキー氏が大統領を務めるべきだと回答しました。
私たちが任期の再延期を司法の関与の下で可能とすることとしているのは、戦火に見舞われたこのようなケースを想定しているものです。
先週、北側幹事の方から、災害対応であれば任期延長は一年間という期間を区切ることでお手盛りを心配することがなくできるのではないかという御発言がございましたが、このようなウクライナのケースでは一年間では平時に戻っていないことを明確に証明しておりますので、そういった意味で、私たちは、任期の再延期というものを司法の関与の下で可能とすることとしているということをまず述べさせていただきたいと思います。
ここで、もう一点申し上げますと、ウクライナでは、戒厳令下での国政選挙は禁じられているものの、憲法では、大統領選については、戒厳令下の記述がありません。
選挙実施が不可能であることは、ロシアが現在、ウクライナの国土の二割を占領し、東部ハリコフ州などで攻勢を強めていることや、戦火を逃れて国内外の各地へ避難している市民が、国民が多数であること等々で明らかでありますけれども、もし仮に実施した場合は、投票機会の平等、公正性や安全確保の面で課題が多いと考えられます。先ほどの調査でも、選挙をした方がよいと答えた人は一五%にとどまっています。
このような条件でゼレンスキー氏が暫定大統領となるため、ロシアは既に、その正統性や合法性に疑問を投げかけるプロパガンダを始め、ウクライナを揺さぶろうとしています。ウクライナにおける緊急事態条項が大統領の任期について記述がなく不完全であったために、戦時に国民を分断させるプロパガンダに利用されること等を考えると、想定外、想定外と慌てずに済むように、憲法や法をしっかりと整えておくことがいかに大切か考えさせられます。
また、もし仮に、このような戦況の下、国政選挙や大統領選挙を行ったとすれば、敵国であるロシアからのフェイクニュース等を使用した情報戦は避けられず、武力での攻勢を強められた際には一層不利になることは大いにあり得ます。ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ側と何らかの合意に至ることがあっても、我々は合法な政権との間で文書に署名しなければならないと発言をしています。万が一にもプロパガンダに染められた選挙結果になれば、ウクライナが国家として存亡の危機に瀕することは火を見るより明らかではないでしょうか。
日本も、いつ何どき台湾有事が起き、緊急事態に陥るやもしれません。このことを想定できるのに想定しないのは不作為ではないでしょうか。もちろん、想定していても戦争が起きないのに、侵略されないことにも、こしたことはありませんが、日本は今、そうした危機に対して万全の備えができていると言えるでしょうか。緊急時における議員の任期延長、能動的サイバーディフェンス、フェイクニュースなどによる外国勢力の選挙介入からの防護、情報戦への備え等、どれを取っても不完全であり、諸外国に後れを取っている状態と言わざるを得ません。一日も早く、一つ一つ課題を解決し、日本国のためになる政治を行っていかなければなりません。
中谷筆頭幹事、起草委員会の設置はまだでしょうか。いつまでも立ち止まっていては、いざというときに国民を守れません。御決断をお願いしまして、私の意見表明といたします。
御清聴ありがとうございました。