中谷元の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中谷(元)委員 自由民主党の中谷元です。
本日は、国民投票法におけるCM等の規制に関しまして、今後の論点整理に資するよう、今までの憲法審査会での議論を整理し、述べさせていただきます。
第一に、CM規制の問題は、これまでも国民投票をテーマに何度も自由討議を行いましたが、民放連、日本インタラクティブ広告協会といった業界団体や憲法学者を参考人招致いたしまして意見を聞いた上で、議論を深めてまいりました。
このテーマに関して当初主に議論されていたのは、国民投票における賛否の意見の量の問題であり、賛否いずれかの議論、意見が放送CMを通じて一方的に示されるということによりまして国民の議論がゆがめられるのではないかという懸念でありました。そこで、国民投票運動に係る資金の規制、また放送CMに関する規制強化といった法改正の議論が一部の会派から主張されました。
一方、民放連からも参考人としてヒアリングを実施した結果、国民投票運動CMの取り扱いに関する考査ガイドライン、これを発表し、賛否の量も考慮に入れた自主規制を行うとの説明をしております。
こうした取組を評価した上で、出し手側である政党も自主的取組を進めることにより、実効的な対策を模索していく意見もありました。
また、そうした中で、インターネット、SNS、AI技術の発展、普及によりまして市場が拡大するインターネット広告についても何らかの規制を及ぼす必要があるのではないか、SNS等を用いた国民投票運動の在り方についても議論を及ぼす必要があるのではないかという意見もありました。
また、インターネットにおける国民投票運動の在り方が議論されるにつれまして、国民投票運動の賛否に係る広告や情報の量の問題だけではなくて、質の問題にも注目が集まってまいりました。いわゆるフェイクニュースの問題でありますが、フェイクニュース対策の議論を概観いたしますと、三つのアプローチに分類できるという意見がありました。第一に、情報発信者、広告主に対してアプローチをする方法、第二に、SNSや広告の場を提供するプラットフォーム事業者にアプローチをする方法、第三に、拡散した偽情報を受容しないようにするために一般市民にアプローチをする方法、この三つであります。
第一の発信者に対するアプローチとしましては、広告主の名称、連絡先の表示の義務づけを行う必要があること、第二のプラットフォーム事業者に関する規制に関しましては、維新の三木委員から、EUのデジタルサービス法の例を引きながら、大規模プラットフォーム事業者に対する法的規制の検討の必要性について意見が述べられました。一方で、事業者の自主規制に任せるべき、公的機関の関与の在り方としては、事業者の取組を後押しするためのガイドラインの作成にとどめるべきだという意見も有力でありました。また、こうした規制は、国民投票にとどまらず、選挙や言論空間一般に関わる問題であるために、憲法審査会にとどまらない幅広い議論が必要であるという意見も述べられました。
そこで、憲法審査会では、広報協議会の充実強化といたしまして、この第三の、一般の人々が偽情報を見極め、受容しないようにするための方策につきましては、広報協議会が果たすべき役割に関する議論と絡めて次の意見が述べられました。
一つ目が、ファクトチェックの充実強化策です。まず、広報協議会がファクトチェックを行うべきという意見がありますが、これに対しては、公権力の表現の自由への介入があるということで、慎重な意見も述べられております。そこで、ファクトチェックは民間の機関に任せ、広報協議会は民間のファクトチェック機関と連携をするにとどめるべきという意見も主張されているところであります。
二つ目が、広報協議会による広報の充実強化策です。偽情報対策としても、広報協議会による正確で中立性が高い広報をより一層充実させることが有効であること、そのために広報協議会がインターネットやSNS等を利用した広報を行うべきとの意見が述べられております。こうした広報協議会による広報の充実強化につきましては、各党各会派の意見が一致しているのではないでしょうか。
加えて、広報協議会の広報に容易にアクセスできるようにするためには、例えば、検索結果において広報協議会の情報発信が優先的に表示されるようにするといった措置が実施できないか検討すべきとの意見も述べられております。
以上、CM規制に係る議論を概観してまいりましたが、私たちとしては、国民投票運動はできるだけ自由にという考えの下、法的な規制は極力避け、関係者の自主取組によりまして公平公正な国民運動を実施すべきという国民投票法制定時の議論を基本とすべきではないかと考えております。
もっとも、事業者の自主的取組を後押しするための規定の新設や、広報の充実強化のための広報協議会の所掌事務の追加などに関する国民投票法の改正は検討に値すると考えます。そして、広報協議会が行う広報活動を具体化する広報協議会の諸規程案の整備も喫緊の課題であります。
これらの課題につきまして、各党各会派の御主張も伺いながら、早急に取りまとめられるように、引き続き議論を深めてまいりたいと思っております。
最後に、選挙困難事態における国会機能の条文化について意見を申し上げます。
選挙困難事態における国会機能維持の条文化につきましては、各党から早急に条文起草作業に入るべきだという意見を多数いただいております。自民、公明、維新、国民、有志、この五会派の見解はほぼ一致しておりまして、共通の認識を基に、具体的な条文化を更に継続をし、議論をしていくべき段階になっておりまして、まさに機が熟してまいってきております。
是非、反対の立場の意見を持った方も議論に加わっていただいて熟議をしていただきますように、この場をかりまして改めてお願いを申し上げまして、意見表明といたします。
ありがとうございました。