井上貴博の発言 (憲法審査会)

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○井上(貴)委員 自由民主党の井上貴博です。
 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、緊急事態条項について、議員の任期延長、参議院の緊急集会について、前回までの委員の皆様方の発言を受けて再度確認したい事項がございますので、その点について発言をさせていただきたいと思います。
 昨今五年間でいうと、令和四年の二百八回国会から様々な分野において憲法改正の議論が行われてきました。私も令和四年に憲法審査会の幹事を務めさせていただきましたが、なかなか開かれなかった時期もございました。憲法審査会を毎回開くことになって、討議を重ねることによって、憲法改正に関する各政党会派の考え方が広く国民に理解されるようになってきたというふうに感じています。
 緊急事態条項については、令和四年、二百八回国会以降、合計二十二回行われてまいりました。これまで討議を重ねたことによって、自民、公明、維新、国民、有志の五会派が緊急事態条項についての憲法改正の方向性についておおむね意見が一致してきたというふうに感じています。
 前回五月二十三日、憲法審査会において小林幹事から発言がありましたように、解散後、国政選挙の実施が七十日を超えて困難であることが明らかになった場合は選挙期日、議員任期特例により対応し、解散後、国政選挙の実施が七十日以内に見通せる場合は参議院の緊急集会で対応すべきという共通認識が形成されております。
 昨日、憲法審査会で参議院軽視というような御意見が多少見受けられたというふうに感じましたけれども、参議院軽視という意見は当たらないというふうに感じています。そうあってはならないとも思います。
 その上で、参議院の緊急集会は、憲法五十四条三項の趣旨からも、二院制の例外として設けられた暫定的な措置であり、五十四条一項からは、参議院の緊急集会は衆議院不在の最大七十日間を想定していると考えられると思いますので、私も、解散後、国政選挙の実施が七十日を超えて困難であることが明らかな場合に、選挙期日、議員任期の特例を条文上規定して対応すべきだというふうに考え、小林幹事の意見に賛同いたします。
 他方で、五会派の中でも意見が分かれている点があります。それは、議員の任期の延長についての裁判所の関与の在り方であります。
 自公案では、内閣が提案し国会が承認をするということになっております。これは、緊急事態であるかどうかという判断は、情報を収集し、情報から総合的な判断で政治が責任を持って判断することがなじむものである、内閣、国会の政治的判断に委ねようとするものであります。これに対して、維新は憲法裁判所、国民と有志は最高裁判所の関与を必要とする案になっています。
 今申し上げたとおり、緊急事態かどうかの判断は政治的判断になじむ事項でありますし、裁判所の関与を必要とすると、緊急事態のときに判断材料を収集し、裁判所にその情報を提供し、裁判所が状況を把握して、裁判所の判断を仰ぐということになります。緊急事態下において迅速な判断をやらなければならない状況下の中で本当にそれが適切なのかということについて、維新、国民、有志の皆様方の御意見をいただきたいというふうに思います。
 立憲民主にお伺いいたします。
 本年一月一日、能登で大きな震災がありました。昨年から現在まで、およそ一年五か月という短い期間で、震度五以上の強い地震が三十一回も発生しています。
 逢坂幹事は、東日本大震災の際に政権を担当された民主党でおられ、当時、総務大臣政務官を務められたと承知しております。我々の細野委員から、仮に東日本大震災が起こったときに衆議院が解散をしていた場合に実際に選挙ができるかという質問に対して、東日本大震災を踏まえて、強い選挙の在り方を徹底的に議論すべきだったと回答されています。
 この点について、同日の北側幹事からも、東日本大震災当時、一番最初に総務省が急いでやった特別立法が選挙の期日を延ばす法律だった、私は阪神・淡路大震災の経験で、そのときに、選挙期日を延期する、任期を延長するという法律を作っている、東日本大震災が初めてではない、大震災が起こったときはこういう仕組みややり方でやるしかないという判断が総務省の中にはあったと思うという指摘がありました。
 五月十六日の憲法審査会において、逢坂幹事は、憲法といえども、決してすり減ることのない不磨の大典ではないというふうにおっしゃっていらっしゃいます。
 逢坂幹事は、今までの御自身の経験を踏まえて、緊急事態下の議員延長について、本当は憲法改正が必要であると考えていらっしゃるのではないかというふうに、そのことについてお聞きしたいというふうに思います。もしそうでなければ、必要でないと回答されるのであれば、逢坂幹事は、どのようなときにどのような内容で憲法改正を必要と考えられるのでしょうか。
 緊急事態条項は、五会派が改憲、共産党は改憲反対と、これはある意味では分かりやすいというふうに思います。立憲民主のみが党内のコンセンサスが図られていない印象を持ちますので、この件について御意見を頂戴したいというふうに思います。
 私は、緊急事態条項については、五会派で共通認識を形成しており、既に議論は十分にし尽くされ、機は熟していると考えており、次また起こるかも分からない有事に備えるためにも、一刻も早く具体的に条文案を取りまとめて、今国会の閉会までに発議ができるような環境を整備していただきますよう切にお願い申し上げ、私の発言とさせていただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 井上貴博

speaker_id: 13664

日付: 2024-05-30

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会