本庄知史の発言 (憲法審査会)

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○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。
 本日の議題の前に、前回、前々回と、国民民主党の玉木委員からたくさん御質問をいただいていますので、その回答から始めたいと思います。
 第一に、長期かつ広範に選挙が実施できない選挙困難事態において、選挙管理委員会が繰延べ投票の選挙期日、つまり投票日を正しく定めることが可能か、また、繰延べは何日間までなら可能かとのお尋ねがありました。
 まず、公職選挙法第五十七条第一項において、天災等により投票所で投票ができないときは、都道府県の選管は、直ちに繰延べ投票とする旨を告示し、更に定めた期日を少なくとも投票二日前に告示しなければならないとされています。
 つまり、選挙期日の繰延べと繰延べ後の期日は、玉木委員がおっしゃるように同時に判断、決定される必要はなく、発災時と投票前の二段階で判断され、決定されるということです。したがって、選挙困難事態であっても、選管が別の選挙期日を正しく定めることは十分可能であるというふうに考えます。
 その上で、繰延べ投票は、公選法上、何日以内に行わなければならないという定めはありません。ありませんが、都道府県の選管が投票を適正に行わせることが可能であると判断した時点で、更に期日を定めて投票を行わせるものとされています。
 憲法上、何日間まで繰延べ可能かは一概には言えませんが、例えば公選法第三十三条の二により、衆議院議員の補欠選挙では、任期満了に係る場合は最長で一年間、任期満了に係らない場合でも最長で七か月強、欠員が生じ得ることを想定しています。したがって、憲法上も、少なくとも七か月強ないし一年は繰延べ投票が認められるものと解せられます。
 第二に、繰延べ投票では、期日前投票や選挙運動が公示日から繰延べされた投票日まで長期間可能となり、かつ、その間、選管は職員被災で機能しないのではないかとのお尋ねがありました。
 まず、期日前投票については、公選法第四十八条の二第三項において、天災等により期日前投票所で投票ができないときは、期日前投票所を開かず、又は閉じるものとされています。したがって、天災等による繰延べ投票の場合には、必然的に期日前投票もできないと考えられます。
 他方、繰延べ投票における選挙運動期間については、これは玉木委員御指摘のとおり、公選法第百二十九条により、公示日から繰延べ投票の期日の前日まで選挙運動ができると解されており、この点は私も制度上の不備だと思います。ただ、これは法律改正事項であり、憲法改正事項ではありません。
 被災地の選管は職員も被災していて機能しないとの御指摘は、一九九三年の北海道南西沖地震の際に予定どおり衆議院総選挙が実施された奥尻町の例などもあり、一概には言えませんが、仮に御指摘のようなことがあれば、繰延べ投票によって対応するものと考えます。
 第三に、繰延べ投票によって、憲法違反の可能性のある議員不在の状況を生み出す判断を選管に委ねることの是非についてお尋ねがありました。
 選挙期日が議員任期内に公示されていれば、その後の繰延べ投票によって選挙期日が任期を超えたとしても、そのことが直ちに憲法違反であるとは言えません。したがって、選管に繰延べ投票の判断を委ねるとしても、問題があるとは考えていません。
 最後に、いわゆるスーパー緊急集会創設の場合の憲法改正の要否についてお尋ねがありました。
 まず、参議院の緊急集会が七十日超を想定していないとの見解には根拠がありません。衆議院の解散から四十日以内の総選挙実施、その後の三十日以内の国会召集を憲法が義務づけているのは、時の政権が衆議院を解散したまま恣意的に総選挙を実施しない、あるいは国会を召集しないといった権力濫用を防止するためであり、選挙困難事態のような緊急事態を前提としたものではありません。
 また、緊急集会が有する権能の範囲は、憲法第五十四条第二項の規定により、国に緊急の必要があると内閣が判断し、提案された案件である限り、法律の制定や予算の議決、さらには条約の締結の承認についても別段の制約はないと解されています。
 したがって、スーパー緊急集会なるものは創設するまでもなく、憲法改正の必要もないと考えます。なお、議員任期延長とは異なり、後日正当に選挙された衆議院の同意を必要とすることで、緊急時から通常時への復元力、レジリエンスも確保されており、制度的バランスも取れていると考えます。
 最後に、本日の議題である国民投票法に触れて、私の発言を終えたいと思います。
 御存じのとおり、岸田総理は、自身の自民党総裁任期中の憲法改正を掲げています。維新の会や国民民主党もこれに同調し、総裁任期中の憲法改正を求めています。しかし、総裁任期と憲法改正に一体何の関係があるのでしょうか。この審査会の中でも、合理的に説明できる議員はいないと思います。
 岸田総理の任期は今年九月三十日です。しかし、それより先に期限が来るのが、国民投票法の附則第四条に規定された諸課題です。この期限は、目途ではありますが、九月十八日です。岸田総理が掲げる政治日程と、法律に明記された期限と、どちらが優先されるべきかは論をまちません。
 かねて私たちが最優先課題としてきた附則第四条第二号、放送CM、ネットCM、資金規制、ネット等の適正利用、さらには広報協議会規程、事務局規程、広報実施規程など、国民投票法及び手続上の課題は依然として残されたままです。
 今の状況では、幾ら条文化作業や改正発議をしても、国民投票の実施は見通せません。議論の順序が全くあべこべです。まず、附則第四条について議論を深め、結論を得ることを提案します。森会長、御検討をお願いいたします。
 私からは以上です。

発言情報

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発言者: 本庄知史

speaker_id: 13505

日付: 2024-06-06

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会