三木圭恵の発言 (憲法審査会)
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○三木委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の三木圭恵です。
まず初めに、先週、自民党の井上委員から、緊急事態における選挙困難時の議員任期延長に維新案は憲法裁判所が関与することになっているが、その点に関して、緊急事態かどうかの判断は政治的判断になじむ事項である、緊急事態のときに裁判所にその情報を提供し、裁判所が状況を把握して、裁判所の判断を仰ぐということになると、緊急事態時に迅速な判断をやらなければならないときにそれが本当に適切なのかという御趣旨の御質問がありました。今日、井上委員はいらっしゃいませんけれども、済みません、お答えしたいと思います。
国会議員は、言うまでもなく、国民に審判を仰ぎ、国政選挙の下、国会議員となり、その任期は憲法に定められたものであることを考えると、国政選挙を経ずにその任期を延長する緊急事態の場合、その政治的判断が仮に誤りであったケース、つまりお手盛りでいつまでも議員任期を延長するようなケースでは、誰がそれを止めるのかということが最大の論点になると考えます。その歯止めが、維新案では憲法裁判所ということになります。国会議員の任期延長、選挙期日特例について、その要件充足性を判断させるため、憲法裁判所の事後審査の対象であるとしたものです。
緊急事態の宣言自体は、緊急事態の発生を一次的に把握し得る内閣が行うこととし、これに対する国会の承認は、緊急時における迅速な対応の必要性を重視して、事後的に要するとしています。憲法裁判所も事後審査の対象としているので、緊急事態宣言の発出時の対応の迅速な判断に影響を及ぼすことはないと考えます。
以上が御質問に対する考え方です。御質問いただいたことで、より議論が深まることと感謝いたします。
また、現在の憲法審査会では、条文案が参考資料としてお配りできないことが議論の深まりを阻害していると考えますので、是非、維新の会、国民民主党、有志の会でまとめました条文案をこの審査会でお配りして、議論のテーブルにのせていただくように、森会長にお願いをいたします。
この憲法審査会では、およそ三年間にわたり、憲法、とりわけ緊急事態時における国会機能維持や国民投票について議論を積み重ねてきましたが、一向に何ら結論を得ることができません。その間に、デジタル技術は格段の進歩を見せました。生成AIの技術の目覚ましい発達は、我々に全く新しい世界を見せてくれるものであり、新しい可能性に無限の期待を寄せるものであると同時に、法によって対処しなければならないことが多く出現しつつあることを自覚しなければならないと思います。
この憲法審査会において発言してまいりましたが、ヨーロッパにおいてはAI規制法案が、そしてアメリカにおいては人工知能、AIの安全性確保を図るため大統領令が出されています。諸外国が次々と法律を整備していく流れでございますが、ここでもやはり日本は一歩遅れていると言わざるを得ないと思います。
そして、この憲法審査会では特に、偽情報、フェイクニュースに係るプラットフォーマーへの対応をどうするかということがまず取り上げられるべきと考えますが、EU、フランス、アイルランドなどで国民投票と選挙に関して適用される法律を制定していることなども参考にして、視野に入れるべきかと考えます。
偽情報やフェイクニュースは、ふだんの国民の生活にも大きな影響を与えますが、とりわけ選挙や国民投票、そして戦争時などに、国家の行く末を左右しかねない影響力を持つため、安全保障上の重大な課題と言えます。
以前にも発言しましたが、EUでは、デジタルサービス法の中で、違法コンテンツ対応や消費者保護強化等について、オンラインプラットフォーム事業者に対する規制の枠組みを定めています。特に、月間平均有効利用者数四千五百万人以上の事業者のうち欧州委員会が指定する巨大オンラインプラットフォーム事業者に対しては、透明性の確保や透明性報告の追加的義務などを課しています。デジタルサービス法の規定に反した場合、最高で前年度の総売上げの六%の罰金が科されます。
偽情報に関連する規定の中で、選挙や国民投票に関するものとして、例えば、巨大なプラットフォーム事業者について、市民の議論、選挙プロセス及び治安に対する実際の又は予見可能な悪影響等についてのリスクの特定、分析、査定を行うこと、そういったリスクについて緩和措置を講ずることがプラットフォーマーに対して定められています。緩和措置の中には、ディープフェイクに対するマーキングによる区別が含まれます。
フランスの情報操作との闘いに関する法律は二〇一八年に成立しておりますが、これは、選挙におけるフェイクニュースによる情報操作防止のための法律です。法の対象となる情報であるフェイクニュースを定義し、選挙期間内、投票日前三か月に当該情報が拡散されている場合、候補者等から求めを受けた裁判官は、プラットフォーム事業者に対して送信防止措置を命じることができます。裁判官は、申立てから四十八時間以内に停止に関する判断を行うこととなります。プラットフォーマーは、一、アルゴリズムの透明性確保、二、偽アカウント対策などの協力義務を負います。
アイルランドでは、二〇二二年選挙改革法が成立し、国民投票と選挙に共通して適用されるオンライン情報に関する規定として、選挙委員会が偽情報等の監視及び調査を行い、ソーシャルメディアなどのオンラインプラットフォーム事業者に対し、削除通知、訂正通知、同委員会による調査中であることの表示命令、アクセス遮断命令等を行うことができる旨を定めています。
オンライン環境において、プラットフォーム事業者が新たな統治者として機能し始めていると言っても過言ではないでしょう。プラットフォーム事業者自らが偽情報に対する取組を始めるよう働きかけをすることも必要ですが、日本はこれに対して指針を出しております。国政選挙に関しては選挙管理委員会が、国民投票に関しては広報協議会が主導して、フェイクニュースの定義、認定をする主体、認定の方法、認定した場合の措置などを決める必要性があると私は考えております。
折しも、四日、政府は、国の技術革新、イノベーション政策をまとめた二〇二四年版の統合イノベーション戦略を閣議決定しましたが、深刻化する人手不足に対応するためにAIなどの最新技術の利活用を進める一方、生成AIによる偽情報の流布などを防ぐため、法規制の在り方を検討していく方針を盛り込みました。これまではAI事業者に安全性などへの考慮を求める指針を示してきましたが、強制力はありませんでした。今後は新たな規制を検討する方針を提示しています。偽情報に対する法規制は新たなステージに入ろうとしているのではないでしょうか。
少し毛色が違いますが、例えば先日行われた東京十五区の補欠選挙では、演説の妨害行為などがユーチューブで拡散され、再生回数により利益を得ることができるため、ますますその妨害行為を増長させるということが起きました。このような案件でも、プラットフォーマーに動画などの削除要請ができれば、側面からの措置ではありますが、通常の静かな選挙が行われる一助になったのではないかと思われます。もちろん、候補者の演説を大音量や太鼓をたたいて阻害をする行為が実地で取り締まれるようにすべきであると考えます。
以上、一日も早い条文案の議論、そして国民投票に対しては三つの宿題、これの審議、採決を求めまして、私の発言とさせていただきます。
以上です。