盛山正仁の発言 (文部科学委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○盛山国務大臣 文部科学大臣の盛山正仁でございます。
 今後とも、田野瀬委員長を始め理事の皆様、そして委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 所信に先立ち、一言申し上げます。
 私が旧統一教会関連団体への集会へ参加したことや推薦状を受け取ったこと等に関する報道があり、国会においても関連する厳しい御指摘をいただきました。
 一昨年の夏、旧統一教会関連団体の問題が取り上げられて以降、私自身、旧統一教会及びその関係団体との関係を絶つことを徹底してまいりました。
 昨年九月の大臣就任後においては、旧統一教会への解散命令請求を行うとともに、特定不法行為等被害者特例法に基づく指定宗教法人の公示についても昨日行ったところでございます。
 このように、大臣就任以来、厳正、公正な取組を続けてきたところではありますが、国会での御指摘を重く受け止め、引き続き、旧統一教会の被害者救済も含めてしっかりと取り組んでまいります。
 第二百十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。
 冒頭、令和六年能登半島地震によりお亡くなりになった方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。文部科学省としても、被災地のニーズをしっかりと把握した上で、子供の環境に応じた学びの継続の確保や本格的な学校再開、文化財の復旧に向けた支援、同地域での地震の調査研究の推進など、被災地の支援に全力を尽くしてまいります。
 少子高齢化の進展、地球規模課題の解決の必要性、地域間格差の拡大といった社会課題が存在する中で、我が国が発展していくためには、新たな力が必要不可欠です。文部科学省が担う教育、科学技術、学術、スポーツ、文化芸術には、新たな力を生み出す力があります。文部科学行政を着実に前に進め、新たな力を生み出し、我が国の宝である子供たちが夢や希望を持ち、それを実現できる社会をつくってまいります。
 いつの時代も、教育は国家、社会の礎であり、発展の原動力です。特に、公教育の再生は少子化対策と経済成長実現の観点からも重要であり、あらゆる地域で、教育を通じ、一人一人の豊かで幸せな人生と社会の持続的な発展が実現できるよう、教育振興、教育投資の充実に努めてまいります。
 教師は学校教育の充実発展を通じた公教育の再生に欠かせない存在であり、教師を取り巻く環境整備を図ることは喫緊の課題です。子供たちへの教育の質の向上に向け、教師の養成、採用、研修の一体的改革を着実に進めるとともに、小学校高学年の教科担任制の一年前倒しでの実施、教員業務支援員の全ての小中学校への配置等に取り組むとともに、中央教育審議会での議論を踏まえ、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援について、文部科学行政の最重要課題として一体的に進めます。
 一人一台端末は、個別最適な学びと協働的な学びに不可欠な公教育の必須ツールです。新たに都道府県に設置される基金による一人一台端末の着実な更新、自治体や学校への伴走支援の徹底強化等を通じた端末の活用促進、高等学校におけるDX化の推進等を通じたデジタル人材育成の抜本的強化を図ります。その際、デジタル教科書の導入により、児童生徒の学びの充実を進めます。
 あわせて、文理横断、探求的教育の充実、女子高校生の理系選択者の増加に向けた取組を行うとともに、初等中等教育段階での外国語教育や国際交流を推進します。
 幼児教育の質の向上も重要です。こども家庭庁とも連携し、幼児期及び幼保小接続期の教育の質的向上を図ります。
 地域、家庭、学校の連携、協働に向けて、全ての学校での学校運営協議会制度の導入に向けた取組を加速するとともに、社会教育を通じた地域での学びを促進します。また、休日の部活動の地域連携、地域移行について、令和七年度までを改革推進期間としつつ、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指し、文部科学省全体で取り組みます。
 学校施設については、教育環境の向上と老朽化対策を一体的に進めるとともに、災害時の避難所ともなることから、防災機能の強化を図ります。
 激しい社会の変化の中で、高等教育機関は、人材育成や知的創造活動の基盤として、社会の将来的な発展を支え、推進する使命を有しています。
 少子化の進展等を踏まえ、高等教育全体の適正な規模を視野に入れつつ、地域における質の高い高等教育へのアクセス確保の在り方等について、中央教育審議会での議論を踏まえつつ、必要な対応を行ってまいります。
 デジタル、グリーン等の成長分野を牽引する高度専門人材の育成に向けた学部再編等の改革への支援や社会人の学び直しの充実を図るとともに、質の高い留学生交流の拡大及び基盤となる大学の国際化を一体的に推進します。また、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など基盤的経費を安定的に確保するとともに、高等専門学校の高度化、国際化を図ります。
 昨年成立した私立学校法の一部を改正する法律の着実な施行に向けた取組を進め、引き続き学校法人のガバナンス改革に取り組んでまいります。
 さらに、リカレント教育を含めた職業教育の重要性の高まりを踏まえ、専修学校における教育の充実を図るため、専門課程の入学資格の見直し、専修学校における専攻科設置に係る規定の創設等に関する法案を今国会に提出しているところです。
 どのような理由があっても、誰一人取り残されることなく、子供たちの学びの機会を確保することは文部科学省の使命です。
 令和四年度には、小中高等学校における不登校児童生徒数やいじめ重大事態の発生件数が過去最多となり、小中高生の自殺者数が過去二番目となるなど、極めて憂慮すべき状況です。誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策であるCOCOLOプラン等に基づき、校内教育支援センターや学びの多様化学校の設置促進、ICT端末を活用した心のSOSの早期発見、対応、スクールカウンセラー等の配置充実のほか、自殺予防教育など、対策を強化してまいります。
 特別支援教育の充実のため、インクルーシブな学校運営モデルの構築、医療的ケアが必要な子供に対する支援の充実などに取り組みます。子供たちが安心して学校で過ごせるよう、養護教諭等の業務支援体制の強化を進めます。
 外国人児童生徒、貧困や虐待等の困難を抱える児童生徒、僻地の児童生徒等についても、それぞれの教育的ニーズに応える学びの場を提供いたします。
 児童生徒等に対する性犯罪、性暴力は決して許されません。生命(いのち)の安全教育や、教育職員性暴力等防止法を踏まえた厳正な取組を推進します。
 夜間中学の全都道府県等での設置促進や、グローバル人材の原石である在外教育施設で学ぶ子供たちのために国内同等の学びの環境整備を推進します。
 いかなる経済的な状況でも、質の高い教育へのアクセスを確保できるよう、少子化対策の観点からも、幼児教育から高等教育段階まで、教育費負担の軽減に向けた取組を切れ目なく行います。特に、令和六年度から、高等教育の修学支援新制度の中間層への拡大や、大学院修士段階における授業料後払い制度の創設等を実施するとともに、令和七年度から、子供三人以上を扶養している多子世帯の学生等について、所得制限なしに、授業料、入学金を国が定めた一定の額まで無償とする措置を講じます。
 我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民とともに円滑に営むことができる環境の整備を行うため、本年四月に新たな体制を整備するなど、日本語教育機関認定法の施行準備を着実に行うとともに、地域における日本語教育の推進を図ります。
 本年一月、小型月着陸実証機SLIMの快挙に多くの国民が心躍らされました。当初構想から二十年、長年の開発成果を着陸寸前の二十分間に凝縮し、ピンポイント着陸に成功しました。また、本年二月には、H3ロケット試験機二号機の打ち上げに成功しました。打ち上げ延期や失敗があった中、諦めることなく取組を進め、プロジェクトの関係者が一丸となって成功させたことを大変喜ばしく思います。さらに、有人与圧ローバーの開発等を通じて日本人初の月面着陸を目指すアルテミス計画等の研究開発を推進するとともに、新たに創設された、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の宇宙戦略基金を通じて、民間企業、大学等による宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援いたします。
 科学技術イノベーションは、新たな力を生み出す源泉です。相対的に低下傾向にある我が国の研究力向上のため、科学技術人材の裾野の拡大と才能の更なる伸長のための取組を進めるとともに、意欲と能力のある学生が博士課程を目指し、博士人材が社会の多様な場面で活躍できるよう、現在、博士人材の社会における活躍促進に向けたタスクフォースを私の下で開催し、速やかな取りまとめを目指して検討を進めております。博士後期課程学生への経済的支援の強化や大学院教育改革を推進するとともに、キャリアパス整備や処遇改善など、大学や産業界等と協力して取り組んでまいります。
 さらに、科研費などの競争的研究費と基盤的経費による支援等を通じ、学術研究、基礎研究の充実を図ります。また、大学ファンドの支援対象となる国際卓越研究大学の認定に向けた取組を着実に進めるとともに、地域中核、特色ある研究大学の抜本的強化等を通じ、我が国全体の研究大学の研究力の向上を図ります。
 大学や研究機関における研究成果を社会に実装するため、宇宙や医療系も含めたスタートアップの創出力の強化、学術論文等のオープンアクセス化の推進、産学官が連携したアントレプレナーシップ教育の充実を通じて、イノベーションエコシステムの強化を図ります。
 生成AIの研究開発や次世代AI人材育成を抜本的に強化します。また、素材、材料などのマテリアル、脳科学を始めとするライフサイエンス、量子技術、フュージョンエネルギーなどの国家戦略を踏まえた重要分野の研究開発を戦略的に進めます。
 これらの研究を支える基盤として、放射光施設ナノテラスの共用、SPring8の高度化を始め、世界最高水準の大型研究施設の整備、共用を進めるとともに、国際的に魅力ある拠点の整備や、先進国、ASEAN等との国際頭脳循環を進めます。また、科学技術分野における経済安全保障や総合的な国力の強化に資する取組を関係府省と連携しながら進めます。
 本年四月に火山調査研究推進本部を設置するとともに、南海トラフ海底地震津波観測網の整備、運用など、地震・火山・防災分野の研究開発の充実を図ります。加えて、北極域研究船の建造を含む海洋・極域に関する研究開発を推進します。
 二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向け、革新的なGX技術の研究開発、ITER計画等の推進、高温ガス炉に係る研究開発や高速実験炉常陽の運転再開を含めた原子力科学技術に関する幅広い研究開発に取り組みます。「もんじゅ」や「ふげん」の安全、着実かつ計画的な廃止措置等の取組も推進します。
 スポーツには、国民一人一人の人生を豊かにするのみならず、社会を変え、未来をつくり上げる力があります。第三期スポーツ基本計画に基づく施策を着実に推進し、スポーツそのものの価値や社会活性化等への寄与といった価値を更に高め、スポーツ立国の実現を目指します。
 本年開催されるパリ・オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた国際競技力向上を図ります。また、ドーピング防止活動や国際競技大会等の運営の透明性、公正性の確保、スポーツ団体のガバナンスや経営力の強化等を通じたスポーツインテグリティーの確保等を進めます。
 あわせて、スポーツを通じた健康長寿社会、共生社会の実現、地域や経済の活性化、国際貢献に取り組むとともに、セカンドキャリア形成支援、学校体育の充実や地域における持続可能で多様な子供たちのスポーツ環境整備、国民のスポーツ実施率向上を図ります。
 文化芸術は、国民の心を豊かにし、社会経済的にも様々な価値を生み出す源泉です。
 第二期文化芸術推進基本計画に基づき、心豊かで活力ある社会を形成するため、文化庁の移転を契機とした文化芸術による地方創生、食文化や文化観光の推進など、文化芸術と経済の好循環を加速し、文化芸術立国の実現に努めます。
 継承の危機に瀕する文化財については、修理、防火、耐震対策等による強靱化や文化財の匠プロジェクトの推進を図るとともに、文化財の思い切った活用や、日本遺産等の地域の文化資源の磨き上げを進めます。日本博二・〇、文化芸術のグローバル展開を進めるとともに、次代を担うクリエーター、アーティストの育成やその活躍、発信の場でもある文化施設の次世代型の機能強化を、新たな基金を活用して複数年度にわたって支援します。文化芸術のデジタルアーカイブ化を図るとともに、AIと著作権の関係について議論を進めます。文化芸術活動の基盤強化、子供たちの文化芸術体験の機会充実を図ります。
 佐渡島の金山や伝統的酒造りについて、世界遺産やユネスコ無形文化遺産登録が実現するよう、引き続き地元自治体及び関係省庁と連携して取り組んでまいります。
 昨年解散命令の請求を行った旧統一教会への対応に関しましては、関係省庁とも連携し、裁判所における審理等への対応に万全を期すとともに、特定不法行為等被害者特例法の円滑な執行や被害者の救済に係る取組に最大限努力してまいります。また、引き続き、不活動宗教法人対策を徹底してまいります。
 東日本大震災から十三年を迎えます。引き続き、就学支援や心のケア、学校再開支援など、被災者の皆様に寄り添った復興に取り組みます。また、福島国際研究教育機構が実施する研究開発等への支援とともに、廃炉に関する研究開発や人材育成、原子力損害賠償に着実に取り組みます。
 新たな力を生み出す力の源は、現場にこそあります。私は、就任以来、五十回以上、視察や意見交換を行い、現場の御意見を丁寧に伺ってまいりました。今後も様々な現場に赴き、多様な声に耳を傾けながら、明日は今日よりよくなる、誰もがそう思える社会を形成していけるように、必要とされる政策を実行してまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 121305124X00120240308_009

発言者: 盛山正仁

speaker_id: 7216

日付: 2024-03-08

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会