馬場伸幸の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、総理に質問をいたします。(拍手)
冒頭、令和六年能登半島地震でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表し、御遺族と被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
また、被災地で救助、復旧に力を尽くされている全ての皆様に深く敬意を表します。
あわせて、物資輸送等の支援をしていただいた在日米軍や、市民から寄附金を募っていただいた台湾始め世界各国・地域の政府、関係機関の御厚情に深く感謝申し上げます。
新春をことほぐはずの元日に襲った地震は、風光明媚な半島に大きな爪痕を残しました。
私も、一月二十一日、二十二日の両日、石川県内の被災地を視察しましたが、ほぼ無傷だった金沢市に隣接する内灘町は、インフラが壊滅的な打撃を受けました。復旧作業は手つかずの状態でありました。輪島、珠洲、七尾各市と比べると、作業が非常に立ち遅れていました。
復旧支援に当たっては、各地の被災状況をしっかり把握し、きめ細やかに対応していただくよう、政府に強く要望いたします。
我々は、一月二十六日、自然災害による被災世帯への支援金の上限を現行の三百万円から六百万円に引き上げることを柱とした被災者生活再建支援法改正案を、立憲民主党、国民民主党とともに衆議院に提出いたしました。是非、政府・与党に賛同いただきたいと存じます。
我が党は、身を切る改革の一環として、所属議員が返上した歳費の一部を預かり、内外の被災地等に寄附してきましたが、能登半島地震で被災した各自治体に、近く寄附金をお届けいたします。また、北陸が雪解けを迎えた頃に、被災地の方々に元気になってもらおうと、御当地の物産品を全国にPRする北陸応援プロジェクトを開催いたします。
復旧、再建への道のりは平たんではありません。我が党は、長い目で、プッシュ型のサポートを適宜行い、被災地の方々に寄り添っていくことをお約束いたします。
日本の政治は、かつてない危機に直面しています。自民党の派閥と所属国会議員による、政治資金パーティーの不正な売上げ操作とキックバックによる多額の裏金づくりは、まさに組織的犯罪集団であると言わざるを得ません。国民の政治に対する信頼は、完全に地に落ちました。
長らく権力を握ってきた自民党は、既得権を守るためのシステムを組織的に政界の隅から隅まで張り巡らし、民間感覚など全く無縁の政党に成り下がりました。今、党内にたまり切ったうみが白日の下にさらされたと言えます。
リクルート事件を受け、自民党が平成元年に策定した政治改革大綱は、収入は公正明朗な資金によるべきであり、いやしくも不当、違法なもの、疑惑を招くような関わりは厳に慎むと宣言し、パーティーについては、閣僚、派閥などによる開催の自粛を更に徹底するとしていました。三十五年を経た今、いずれも絵空事であることがはっきりしました。しがらみを断ち切れない自民党政治を象徴しています。
なぜ、自民党は、政治改革大綱に掲げた改革を軒並み放置してきたのですか。金権腐敗の反省から大綱でやると言ったことさえやらなかった自民党が、今後、しっかり襟を正し、公明正大に政治改革を断行する力があると堂々と言えますか。
失墜した国民の政治への信頼を取り戻すためにも、政治と金の問題で二度と国民を裏切ることができないよう、実効力がある政治改革を速やかになし得ることが不可欠と考えます。しかし、総理は、一月二十九日の衆議院予算委員会で、党の改革方針を取りまとめる時期をはぐらかし、政治改革に終わりはないと逃げました。
自民党の政治刷新本部は、一月二十六日、中間取りまとめを公表しました。内容は、肝腎の政治資金規正法改正など法整備について具体的に示さず、刷新にはほど遠い内容です。最終の取りまとめはいつまでに公表されますか。言えないというならば、何がネックになっているのですか。
各議員に毎月百万円支給される調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費の改革の問題でもしかりです。
日本維新の会は、使途公開と残金の返納の義務化を主張し続けてきましたが、主に自民党の抵抗でたなざらしにされてきました。原資が税金の旧文通費の使途を透明化するのは当然です。この期に及んで自民党が旧文通費改革に反対するならば、一事が万事、国民の政治不信は解消されません。自民党は旧文通費の改革に賛成すると明言していただけませんか。
日本維新の会は、一月二十九日に独自の政治改革大綱を発表しました。我々は、政権交代が起きにくい緊張感の欠如こそが金権政治や癒着の根本原因と考えており、大綱を踏まえ、政治資金問題のみならず、選挙制度と国会の改革もセットで実現をさせ、政界の負の遺産を一掃することをお約束します。
政治資金の在り方を見直すことを機に、現職に有利な選挙制度や昭和の時代からほとんど変わらない国会運営まで、幅広い改革を一気通貫で実行し、腐敗の根底にある構造問題自体を解決すべきと考えますが、見解を求めます。
自民党の中間取りまとめでは、派閥からの資金、人事機能の分離が目玉になっています。岸田総理自身も岸田派を解散し、また、追随する派閥も相次ぎ、派閥解消を政治改革の中心に据える動きが加速しています。これは目くらましと言わざるを得ません。本筋は裏金問題です。裏金問題の全容を明らかにせず、派閥を解散して幕引きとするのは許されるものではないと思料しますが、どのようにお考えですか。速やかに全数調査に着手すべきではないですか。
平成六年に誕生した政党交付金は、企業、団体からの献金が政策決定をゆがめる弊害を取り除くことが目的でした。趣旨を踏まえると、企業・団体献金は当然廃止し、また、パーティー券を企業、団体に販売することも同様に禁止するのが筋です。それにもかかわらず、政治資金規正法には、政党支部への献金などの抜け穴がいまだに残されています。
日本維新の会は、企業・団体献金も、企業、団体にパーティー券を販売することも完全禁止を打ち出しました。我々は、さきに企業・団体献金の廃止法案も提出しています。我々の主張が実現しなければ、政党交付金導入の高邁な趣旨に反し、筋が通らないと考えますが、所見を求めます。
かつての民主党は、政権交代前に、企業、団体の献金やパーティー券購入の禁止を公約していましたが、政権の座に就いた途端にあっさり撤回しました。イコールフッティングなるへ理屈を持ち出し、提言はするが、野党では法案を成立させられないからと、自身がやらないことを正当化するような野党では、結局のところ、同じことが繰り返されるだけです。
企業、団体からの金の流れを断ち切り、真にしがらみのない政治を実現し、改革を実行できるのは、それを実践してきた政党のみであるとの考えの下、維新は、このルールを今から内規として徹底していきます。
一方で、不足する政治資金を補うためにも、日本では活発とは言い難い個人献金について、政治活動を支える重要な要素として、今後一層推進すべきです。個人献金について、献金者のプライバシーに配慮した情報公開制度や、寄附控除の範囲の全ての地方議員や首長への拡大、税額控除の適用が必要と考えますが、自民党として、目指すお考えはありますか。
今般、政策活動費を名目に、捜査の手から逃れようとする者が続出しました。政策活動費は、使途が追えず、政治資金の支出の適正性が確保できない点が問題となっています。闇金を生み出す現行の政策活動費制度は廃止し、将来的な公開や外部監査の強化などを前提とした新たな制度を構築すべきと考えます。見解を求めます。
今般の裏金事件では、政治資金規正法上、収支報告書に関して会計責任者が一義的に責任を持つとする法律構成を悪用し、政治家が責任を会計責任者になすりつけ、検察も現行法の下では立件できない事態が明るみに出ました。民間会社ではあり得ない、責任逃れです。国会議員は自らの事務所の社長とも言える立場であり、その運営に全責任を負うべきです。
我々は既に、議員にも責任を負わせる連座制を実現させるために、政治資金規正法と政党助成法の改正案も提出しています。法改正による連座制の導入について、賛同していただけますか。
我々は、やると言ったことは、法整備される前に率先して実行する政党です。連座制の導入を訴えると同時に、法改正を待たず、今すぐ、国会議員の政治団体について議員自らを会計責任者とする措置を取ることを検討しています。同様に連座制を掲げる政党は、是非一緒に実行し、国会議員が率先して覚悟ある態度を示すことで、自民党の裏金問題に端を発する国民の政治不信を今すぐ払拭しようではありませんか。まずは問題の大本である自民党の総裁として、見解を伺います。
政治と金の問題を包括的に整理し、新たな立法措置を行うことは不可欠ですが、我が国では、会社法における会社のように、政党を規定する法律は存在しません。そのために、資金や組織等、それぞれの規制が結合せず、政党の公共性を曖昧なものにして、ガバナンスを失わせてきました。政党を公的存在と認め、必要な内部組織規定を加えた政党法を策定し、公党にふさわしい政党ガバナンスを確立すべきではないでしょうか。
多過ぎる議員定数が、過当競争や派閥抗争を招き、政治と金問題の一因となっていると考えます。平成二十四年には当時の与野党で議員定数の大幅削減を決めたものの、いまだにその約束は履行されていません。議員定数は三割を目途に大幅に削減すべきではないですか。所見を求めます。
令和六年度予算案の総額は、表向き、五年度比で約一・八兆円減少しました。コロナ禍で膨張した特定目的予備費の減額や、当年度中に支出しない防衛力強化資金の繰入れ停止などが主たる要因です。これらを差し引くと総額約百十二兆円で、前年度比六兆円増えました。減額したというのは数字のトリックです。
コロナ禍を脱して初の当初予算編成に当たって、経費の膨張トレンドは反転できていないと考えますが、見解を伺います。
内閣府は、一月、二〇二五年度に国と地方のプライマリーバランスは赤字となるとの見通しを示しました。我が国の債務残高はGDP比約二五五%とG7で突出して高水準にあり、その黒字化は積年の課題です。経済の需給ギャップやインフレ率を勘案した上での経済状況に合わせた戦略的な国債発行を否定するものではありませんが、今の自民党政権は単に予算のばらまきにより無制限に借金を増やし続けているだけです。全くコントロールが利いておらず、将来の日本にとって極めて危険な財政運営の状態であると言わざるを得ません。
二〇二五年度黒字化目標の実現可能性を客観的に精査し、現実的な目標期限の再設定も視野に入れ、歳出改革を着実に進めるべきだと考えますが、併せて見解を伺います。
自民党政権は、国民には税や社会保険料等で痛みを強い続けながら、自分たちの身を切る改革はほっかむりに徹してきました。国民負担率が四〇%台後半で高止まりする中、国民の可処分所得は前年同月比で二十か月連続減っています。
防衛力の抜本的強化に伴う防衛費の財源の手当てを名目とする、いわゆる防衛増税の開始時期の決定が先送りされました。厳しい安全保障環境下で防衛費の増額は必要ですが、この期に及んで、その負担を安直に国民に転嫁することは容認できません。今年度予算で減額したコロナ対策等の特定目的予備費の四兆円は、防衛増税額の四年分に相当します。こうした歳出削減ができるのに、なぜ防衛増税が必要なのでしょうか。歳出改革はやり切ったと胸を張れるのですか。前国会で、政府は、歳出と歳入を個別にひもづける形で予算編成していないことを認めました。防衛予算ゆえに安定財源が必要という論理は成り立ちません。防衛増税の方針は見直すべきではないでしょうか。
政府は、昨年末に決定した子供、子育て加速化プランの財源三・六兆円を賄うために、子ども・子育て支援金を創設するとしています。前国会で政府は一貫して国民に追加負担を求めないとしていましたが、閉会後に、医療従事者等の賃上げ分はその限りではないという後づけの説明を始めました。これでは医療従事者以外の国民には負担増となります。だまし討ちです。総理、なぜ多くの国民に負担増を強いる方向性に転換したのですか。真摯に説明してください。
高齢化や人口減、所得減など国民の不安が強まる中、オール・フォー・オールの理念の下、国民が負担を分かち合い、誰もが尊厳ある生活を保障されなければなりません。その一丁目一番地が教育です。
子供、子育て加速化プランに羅列されている向こう三年間の施策は、子育てに対する経済支援に軸足が置かれ、少子化をどう克服するか、未来像が見えません。背後にある構造的な問題に踏み込みが足りないからです。少子化の最大の要因は非婚化です。若い世代が自らの就労で経済的基盤を安定化させ、出産、子育てへの意欲を持たせる政策こそ求められているのではないでしょうか。政府のプランにはその観点が欠けていると考えますが、見解を伺います。
特に政策効果に疑問があるのは、三人以上の子供がいる多子世帯に対する所得制限なしの大学授業料無償化です。約八五%を占める二人以下の世帯が対象から外れるほか、三子世帯は一人が扶養から外れれば対象でなくなるため、三人目をもうける動機づけになるか不透明です。教育を受ける権利は万人にあり、子育てに費用がかかるのはどの家庭も同じですから、不公平感も拭えません。この大学授業料無償化の施策は不公平ではありませんか。多子世帯への大学等授業料無償化が少子化打開に十分な効果をもたらすとお考えでしょうか。
大阪市は塾代助成や小中学校の給食費無償化などを実現し、大阪府では来年度から所得制限なしの高校、公立大学、高専等の授業料無償化を導入します。これらの財源は、増税や借金ではなく、歳出改革により捻出しています。東京都も、大阪府に倣い、来年度から所得制限なしの高校授業料無償化を導入すると宣言されています。
未来を担う子供の教育への投資は不可欠です。中途半端な大学授業料無償化ではなく、維新が進めてきた、幼児教育から高等教育まで全教育課程における所得制限なき授業料無償化の実現に国が率先して取り組むべきではないでしょうか。
日本維新の会は、志を共にする教育無償化を実現する会と統一会派を組みました。我々は、先頭に立って社会の意識を変え、若者たちが真に子供を持ちたくなる社会の構築を牽引してまいります。
医療の進歩による長寿化で、現役世代の社会保障負担が増加の一途をたどっています。家計金融資産の六三%を六十歳以上の方が所有している現状を踏まえれば、経済成長や世代間公平性のみならず、制度の持続可能性の観点からも、負担の在り方を真剣に見直すときが来ています。政府の示す応能負担の方向性は理解しますが、踏み込みが全く足りません。
元をただせば、高度成長期の一九六〇年代後半に革新自治体で始まった老人医療費無料化制度は、持続性を度外視し、負担の一切を現役世代に押しつけました。この制度は適切だったと考えますか。
医療保険は、いざ病気にかかったときの安心の制度であり、世代にかかわらず平等に負担するという考え方もできます。経済力のある高齢者には現役と同水準の医療負担を求めるくらいの踏み込みが必要ではないでしょうか。後期高齢者の医療費は福祉と捉え、税による負担割合を高める考えはありますか。
医療分野のDXは、医療費の適正化や診療報酬、薬価の見直し、電子カルテの標準化など、聖域とされてきた社会保険制度の中核にメスを入れることにつながりますが、規制改革と新しい技術の活用なくして進みません。
今、能登半島の被災地では、自宅や医療機関以外での受診が一部解禁されたオンライン診療が活躍し、避難所に身を寄せる被災者の方々に安らぎを与えています。全国あまねく日常的にオンライン診療を活用できる環境を早急に整えるべき現実を突きつけられました。
能登半島の被災地での実例をオンライン診療の本格実施への突破口とし、医療DXを強力に拡大していくべきだと考えますが、見解を求めます。
二〇二三年の日本の名目GDPがドイツを下回り、世界四位に転落する見通しです。国民生活を見れば、実質賃金は前年割れが続き、雇用の約七割を担う中小企業は賃金の価格転嫁にも苦しんでいます。最大の要因は、自民党政権の成長戦略の施策が補助金、融資、税制上の優遇措置の三点セットにとどまり、既得権の保護ばかりに目を向けていることです。
成長力の強化に必要なのは、既得権に切り込む規制改革と新たな市場の創造にほかなりません。自民党政権が成長の芽を摘み続けてきた結果がGDP世界四位への転落であり、その罪と責任は大きいと考えます。総理の見解を伺います。
成長の原動力として、イノベーションとデジタル社会への変革は不可分の関係にあります。しかし、政府がデジタル社会のパスポートと呼ぶマイナンバーカードの普及、活用さえ足踏みが続き、今年十二月からのマイナ保険証への完全移行は、笛吹けど踊らずの様相です。昨年四月に六・三%だったマイナ保険証の利用率も下がり続け、十二月には四・三%まで落ち込みました。使い勝手の悪さが改善されず、広く国民の要求に応えるものにはなっていません。
今後、マイナ保険証への切替えと利用促進をどのように拡大していくお考えでしょうか。マイナカード活用による国民の利便性向上はまさに公共の福祉であり、私的事情で取得していない人たちの権利より優先されてしかるべきではないでしょうか。マイナカードの取得義務化への見解と併せ、お答えください。
日本版ライドシェアが四月に解禁されます。方針では、タクシー会社の運行管理の下、車両不足が深刻な地域や時間帯などが絞られ、限定的なものとなり、ライドシェアと呼ぶに値しません。実情は、タクシー業界の人材確保を多少手助けするだけの措置です。
前国会で、総理は、ライドシェアを新しい産業にする旨表明されました。政府は、六月、タクシー会社以外からの新規参入を含む全面解禁の方向性について結論を出しますが、新しい産業を見据えるなら、新規参入が可能な仕組みにするとともに、本格的な新法を制定すべきではないでしょうか。市場規模は一兆円と言われています。ライドシェア導入にあらがう業界団体や族議員の既得権を打破し、日本の成長のために真のライドシェアを育てていく決意をお示しください。
世界では、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルとハマスによる戦闘など、深刻な戦争、武力衝突が続いています。それは、日米欧などの民主主義陣営、中国、ロシアなどの強権主義陣営、グローバルサウスの三極化を加速させ、国際秩序を揺るがしています。
こうした中で、さきの台湾総統選に次いで、三月のロシア大統領選や四月の韓国総選挙、十一月のアメリカ大統領選など、国際情勢に影響を与える重要な選挙がきびすを接して行われます。言えるのは、大統領選の結果を問わず、アメリカが中ロと中東の三方面の脅威を並行して抑え込むことは軍事能力上も国際政治上も難しく、同盟国の日韓、欧州などが果たす役割が一段と大きくなっていくことです。
国連安保理の非常任理事国である日本は、米欧と連携しつつ、新興、途上国との友好関係も生かしながら、世界の安定に向けて能動的かつ主導的に行動すべきだと考えますが、見解を求めます。施政方針演説で、総理は、世界の安定へ、日本ならではのアプローチで国際社会をリードすると述べました。どのような行動を想定されておられますか。
一昨年末に決定された国家安全保障戦略で、政府は、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐための能動的サイバー防衛の導入により、サイバー防衛能力を欧米主要国と同等以上に向上させると宣言しました。ところが、一年を経ても、必要となる不正アクセス禁止法などの関連法改正や、憲法二十一条が保障する通信の秘密との関係整理の進捗が見えてきません。国内法に縛られた自衛隊のサイバー防衛隊は竹光の部隊にすぎず、日米同盟の最大の弱点とも指摘をされています。
施政方針演説で、総理は、サイバーセキュリティー強化に取り組むと改めて表明されましたが、なぜ法整備が遅れているのですか。喫緊の課題として、今国会で関連法の改正をなし得るべきではないでしょうか。
安全保障に関わる国の機密情報へのアクセス権限を有資格者に限定する、セキュリティークリアランス制度を導入するための法案が今国会に提出されます。欧米先進国では情報保全制度が整備されていますが、我が国には経済安保分野で国際的に通用する制度がなく、日本企業が国際共同開発や研究を進める上で大きな支障になってきました。政府の対応は遅過ぎるぐらいです。
政府が指定する機密情報の範囲や資格者に求められる基準などの制度設計に当たっては、米国などに倣い、国際水準に合致したものにしなければ通用しませんが、いかなる方針で取り組みますか。対象となる機密の定義が曖昧だと、民間企業が萎縮し、自由な経済活動が阻害されかねません。産業界の懸念をどのように払拭していくお考えか、お示しください。
この資格制度は政府が保有する経済安保上の機微情報にアクセスするためのもので、問題の本質はこれにとどまりません。企業が保有する技術情報の保全体制も抜本的に強化すべきではないでしょうか。必要ならば政府がガイドラインを示すべきだと考えますが、併せて所見を求めます。
十三歳のとき、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんは、今年十月、還暦を迎えます。北にとらわれる直前まで、彼女が中学の合唱コンクールで同級生たちと歌っていた「翼をください」の歌詞には、こんな一節があります。「この大空に翼を広げ 飛んでいきたいよ 悲しみのない自由な空へ 翼はためかせ行きたい」。これは、半世紀近くも、早く自由になって日本に帰りたいと願い続けるめぐみさんの思いそのものでしょう。再会を祈り続ける母親の早紀江さんは、この四日に米寿を迎えられます。昨年は四度、入退院を繰り返されたそうです。
総理は、拉致問題は政権の最重要課題と繰り返し強調していますが、被害者奪還への視界は全く開けてきません。途方もなく耐えていらっしゃるめぐみさん、早紀江さんらの思いをどう受け止めていますか。今、北朝鮮との交渉はどうなっているのですか。少なくとも、拉致被害者家族の方々だけには、可能な限り、適宜状況を伝えることはできないのでしょうか。
来年四月十三日の大阪・関西万博開幕まで、あと四百三十七日です。政府によると、本会場の土木工事は九割を終え、リングやパビリオンなどの建設工事を中心とするフェーズに入るなど、準備はほぼ順調に進んでいます。
総理、政府として、万博を予定どおり開催する方針に変わりはありませんね。世界にも向け、力強い答弁を求めます。
総理は、九月の自民党総裁任期までに憲法改正の実現を目指すと明言されています。国民投票の実施には、国会発議後六十日から百八十日間、広報、周知期間が必要のため、この国民への重い約束を果たすには、今国会中に発議しなければなりません。リミットは五か月足らずです。与野党五党派で合意形成されつつある緊急事態条項の創設を軸に、改正案の取りまとめに直ちに入るべきです。予算審議が終わるまで憲法審査会を開かないという立法府のあしき慣例に唯々諾々としているわけにはいきません。求められるのは、自民党総裁たる総理のリーダーシップです。
今国会での発議に向け、衆参の憲法審査会について、予算審議にとらわれず、必要なら定例日以外も開いて改正案の集約を加速させると約束していただけますか。
前国会最終盤に自民党から改正条文案を起草する作業機関設置が提案されましたが、具体的な中身は、今日現在、何の連絡もありません。
日本維新の会は、広く国民に憲法問題への理解を深めていただけるよう、審査会の模様をNHKテレビで中継できるよう提案もしてきました。賛同していただけますか。党総裁としての答弁を求めます。
安定的な皇位継承は国家の根幹に関わり、立法府が目をそらすことができない喫緊の課題です。
日本維新の会は、一昨年一月の政府有識者会議の報告書の国会報告を受け、一昨年四月、立法府が静かな環境の中で丁寧に議論し、総意をまとめるよう求める意見書を衆参両院議長に提出しましたが、他党の動きは鈍いと言わざるを得ません。この問題は、憲法改正と同様に、政治改革や政局にかまけて後回しにしているいとまはありません。
総理は、施政方針演説で、立法府の総意の早期取りまとめに期待を示されましたが、今国会で与野党が議論する枠組みを設置し、自民党が意見集約に主導的な役割を果たすと約束していただけませんか。党総裁としてのお考えをお聞かせください。
今こそ、経済や社会など、あらゆる面で構造改革に着手し、その流れを軌道に乗せなければなりません。今国会を、我々は、失われた三十年をもたらした元凶たる自民党政治の一掃に道筋をつけるための大改革実行国会に位置づけ、果敢に政策提言を行うなど、アクションを起こしてまいります。そして、必ずや政権交代を果たし、真に国家国民のための政治を実現させることをお誓いし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕