石井啓一の発言 (本会議)
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○石井啓一君 公明党の石井啓一です。
私は、公明党を代表して、施政方針演説等政府四演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。(拍手)
まず冒頭、能登半島地震においてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
大きな不安の中での生活を強いられている被災者の皆様が一刻も早く安全、安心の暮らしを取り戻すことができるよう、あらゆる施策を総動員して、復旧復興支援に総力を挙げなければなりません。
多難な幕開けとなった二〇二四年は、そのほかにも、長期間に及ぶ物価高騰を乗り越えるための家計支援や、デフレ完全脱却を目指しての中小企業の賃上げへの取組、子供、子育て支援の充実、いまだ解決の糸口が見えないウクライナへの侵略、パレスチナの紛争問題など、政治がスピード感を持って取り組むべき内外の課題が山積しております。
こうした国難ともいうべき難題を突破するには、その大前提として、政策を推進する政治家が国民の信頼に足る存在でなければなりません。その意味で、昨年末に発覚した政治と金をめぐる不祥事は、まさに言語道断であります。
まずは、私たち国会議員が、真摯な姿勢で真っ正面から政治改革に挑むことが何よりも大切であります。公明党は、その先頭に立って、国民の皆様の信頼回復に努めていくことをお誓いいたします。
以下、諸課題について質問いたします。
初めに、能登半島地震について伺います。
発災から本日で一か月がたちます。被災地では、厳寒の中、いまだ多くの方が不自由な避難生活を余儀なくされております。
政府は、災害関連死を断固防ぐため、全ての避難所への支援物資の責任者を明確化し、避難者のニーズにきめ細かく十分に応えられるよう万全を期すとともに、感染症や持病の悪化などを防ぐため、医療、介護、保健体制を強化し、バリアフリーの仮設トイレの設置など、避難者に寄り添った避難所の環境改善に、官民の総力を挙げて不断に取り組むべきであります。
また、在宅避難、自主避難、二次避難等をされている方へ状況に応じた支援も課題であり、行政サイドから積極的に訪問するなど、アウトリーチ型の見守り、相談支援の継続的な実施が重要です。
加えて、能登地域で被災し、子供や親戚宅に避難している高齢者が要介護状態になったにもかかわらず、金沢市内など、避難している地域で介護施設の受入れ限度を超えてしまっている現状があります。県外からの介護職の応援も喫緊の課題であり、広域的な対応、支援を進めるべきと考えます。
輪島市、珠洲市、穴水町、能登町、七尾市、志賀町、羽咋市、内灘町の八市町では、浄水場の損傷や、浄水場に通じる道路の被害、配水管も広範囲に損傷したことにより、その復旧に時間を要し、発災後一か月たった今なお約四万戸の断水が続き、被災者の健康維持並びに復旧復興の最大の足かせとなっております。
県の水道用水供給事業の点検、補修が進捗した結果、先月二十九日に七尾市藤橋供給点まで送水が開始されたことは朗報でありますが、七尾市以北の六市町での早期断水解消に全力を尽くすべきであります。総理の見解を伺います。
被災者の生活再建の大前提は罹災証明書の発行ですが、いずれの被災市町村においても本格的な罹災証明書の発行は始まっておりません。
政府は、公明党の二次にわたる提言を受け、先週、被災者の生活と生業支援のためのパッケージを発表いたしましたが、被災者生活再建支援法の適用を始め、様々な支援メニューを受ける条件が罹災証明書となっております。罹災証明書の早期発行を可能にするためには、一軒一軒の家屋調査を前提とせず、被災地域単位で全壊地域と認定する等、発行の手続を大幅に簡素化し、被災者の生活となりわい支援を前に進めるべきと考えます。
そして、被災者の生活再建の第一歩は、家屋の解体撤去、修理や建て替えであります。被災地域の特性から、家屋のみならず、納屋、車庫などの解体、瓦れき処理の費用も公費負担と認めるよう強い要望があります。また、空き家の解体、瓦れき処理についても公費負担が必要であり、政府として早期に決定すべきであります。
住宅の応急修理は、災害救助法で、一世帯当たりの限度額は七十万六千円以内、応急修理の期間は災害発生の日から原則三か月以内に完了することと定められておりますが、近年の資材高騰から、限度額を引き上げること、また、被災地の実情に照らし、適用期間の延長は必要不可欠と考えます。
仮設住宅の建設も急務です。被災者の多くが高齢者であり、住宅の再建が容易ではなく、寒冷地対応で、かつ恒久的な住宅として払下げできるスペックの仮設住宅の建設を進めるべきであります。
また、内灘町を始め、液状被害が著しく、住宅の再建が困難な地域の再生についても、政府を挙げて対応することが必要です。
以上の課題解決に向けて、総理の決意を伺います。
次に、政治資金問題について質問いたします。
政治資金パーティーの収入について、収支報告書に適切に記載されないまま多額のキックバックがなされていた問題が発覚をし、逮捕者が出るなど、政治に対する国民の信頼は著しく損なわれております。一月のNHKの世論調査でも、政治資金のルールの厳格化を求める声は八割を超えており、政治改革は待ったなしの状況です。
公明党は、このような問題を二度と繰り返さないために、金の流れの透明化と罰則の強化を柱とする公明党政治改革ビジョンを一月の十八日に発表いたしました。
ビジョンでは、政治資金の透明性の強化を図る具体案として、パーティー券の購入について、収支報告書に記載する基準を現行の二十万円超から五万円超まで引き下げ、全ての入金を口座振り込みのみとすること。さらに、一部の政党で議員に支払われている政策活動費の使途公開とともに、国会議員に毎月支給される調査研究広報滞在費については、使途明確化、使途公開、未使用分の国庫返納を行うこと。そして、政治資金を監督する第三者機関の設置や、誰もが簡単に閲覧できるよう、収支報告書のデジタル化の促進も掲げております。
また、収支報告書について、国会議員などの代表者に適法に作成されていることの確認書の提出を求め、虚偽の記載などがあった場合、秘書などの会計責任者だけではなく、監督責任などを怠った議員などの代表者も罰金刑と公民権を停止する連座制を導入し、罰則の強化を図ることも極めて重要であります。
今こそ、国民の政治への信頼を取り戻すため、派閥の解消にとどまらず、政治資金規正法の改正に与野党の枠を超えて取り組むべきと考えます。自民党政治刷新本部の本部長を務める岸田総理の決意を伺います。
次に、三十年余り続いたデフレの完全脱却に向けて、物価高を乗り越える家計づくりを目指す我が国の経済政策について伺います。
今年も物価高による家計への影響が続いております。賃上げや所得向上の流れができるまでの間、しっかりと家計を支える対策が重要です。
既に昨年の補正予算で措置した住民税非課税世帯に対する七万円給付が順次開始されておりますが、まだ、およそ半分の自治体の実施にとどまっております。速やかな支給が望まれます。今後は、これに続いて、低所得者の子育て世帯に子供一人当たり五万円の追加給付を、また、住民税均等割のみ課税されている世帯等に対しては十万円を給付いたします。さらに、六月以降には一人当たり四万円の定額減税を実施し、減税分を引き切れない方には差額を給付で補填することとします。物価高での暮らしに大きな安心を与える支援策になると期待をいたします。
ただし、制度が複雑で、自分はいつ、幾ら支援を受けられるのかが分かりにくいとの指摘もあります。支援の見通しが立つことは生活の安心につながります。政府においては、例えば、関係省庁や各自治体等の情報を統括し、支援の全体像や個別の相談先を分かりやすく紹介するまとめサイトを作成するなど、国民に分かりやすい広報を是非ともお願いしたい。
また、この際、現在、国で開発している、申請から給付までのプロセスを一気通貫でデジタルで完結できる給付支援サービスの導入を一気に進め、全国の自治体における給付金の迅速な支給体制の確立や、住民からの質問に直接回答する問合せセンターの設置に向けた改革に取り組んでいただきたい。総理の見解を求めます。
デフレ完全脱却に向けて最も大事なことは、物価上昇を上回る持続的な賃上げの実現です。特に、日本商工会議所の昨年十二月の調査で、業績の改善は見られないが賃上げを実施した企業が六二・九%に上っており、中小企業が賃上げを継続できる環境整備が喫緊の課題であります。
そこで、公明党は、昨年の秋、中小企業等の賃上げ応援トータルプランをまとめ、二十の具体策を政府に提言いたしました。そのうち、赤字企業も対象となる賃上げ促進税制の拡充、労務費転嫁のための新しい指針、前例のない思い切った投資減税や中小企業の省力化投資の支援など、企業の稼ぐ力を強化し、賃上げの原資をつくろうとする施策が徐々に動き出しております。
中でも、深刻な人手不足解消、生産性向上のための設備投資に役立つと中小・小規模事業者から期待の声が大きいのが、IoTやロボットなどの製品をカタログ形式で簡単に選択できる省人化投資補助事業であります。
昨年末に発表された労務費転嫁のための指針も含め、中小企業の現場で十分に活用され、効果が最大限に発揮できるよう、着実に推進をしていただきたい。
総理からは、現場に近い中小企業庁を司令塔にして、よく実情を確認して対応していくことが重要との答弁もありましたが、これらの施策を価格転嫁や生産性向上などに確実に結びつけるためには、省庁横断的に政府一丸となった取組が欠かせません。持続的な賃上げをどのように進めていくのか、総理の答弁を求めます。
物流、建設の二〇二四年問題について伺います。
まず、物流では、本年四月から時間外労働の上限規制が適用されると、このままでは、二〇三〇年には三四%の輸送量が不足をし、物が届かないという混乱に陥る危険性があります。ドライバーの年間所得額は全産業平均に比べて五から一二%程度低く、高齢化が進み、倒産件数も増加をしており、輸送量の更なる減少が予想されております。
政府は、昨年六月に物流革新に向けた政策パッケージを、また十月には物流革新緊急パッケージをまとめ、今国会での法改正を予定しておりますが、現場におけるあしき商慣行の見直しを始め、標準的運賃の引上げ、人手不足の解消、生産性の向上などに総力を挙げて真剣に取り組むことを求めます。また、下請になればなるほど手数料が引かれ、運賃が安くなる多重下請構造にも対策を講じる必要があります。
さらに、公明党はこれまでも荷主企業への働きかけの強化を求めてまいりましたが、ドライバーの業務環境改善のため、トラックGメンによる荷主、元請への監視を強化し、悪質な企業は社名を公表するなどの対応を取るべきであります。
また、建設業におきましても、四月から時間外労働の上限規制が始まりますが、公共工事設計労務単価を更に引き上げるとともに、適切な労務費や賃金の行き渡りの担保を確保すべきであります。また、適切な工期設定と施工時期の平準化を図るとともに、週休二日、四週八休の取得促進、ICTを活用した生産性向上への支援等、働き方改革も進める必要があります。政府は、こうした内容を含む法改正を予定しておりますが、確実に実行すべきであります。総理並びに国土交通大臣の見解を伺います。
次に、子育てや女性、若者支援など、社会保障について伺います。
初めに、子供、子育て支援について申し上げます。
昨年、政府は、こども未来戦略を決定し、様々な子供政策を反映した加速化プランを、初年度となる今年から三年をかけて実施することとなりました。
加速化プランでは、児童手当の大幅拡充、高等教育費の負担軽減、育児休業制度の拡充などに加え、公明党が一貫して推進してきた一人親家庭への支援や子供の貧困対策、障害児支援など、様々な困難を抱える子供や家庭に対する支援も強化されております。
これらを実現するため、財源確保は不可欠です。
政府は、財源について、まずは歳出改革の徹底や既定予算の最大限の活用によって捻出をし、さらに、二六年度から新たに導入される支援金制度によって確保するとしております。
一方、この支援金制度は、全世代が加入する医療保険制度を活用し、広く国民から支援金を徴収するとしておりますが、政府は、少子化対策の財源について、実質的な国民負担は生じないとしております。しかしながら、物価高騰など昨今の社会情勢の中、現役世代を中心に、新たな負担増になるのではないかといった懸念の声が上がっております。
少子化対策の財源確保に向けた支援金制度の必要性とともに、実質的な負担が生じないこと等について、国民が納得できるよう、丁寧で分かりやすい説明をお願いしたい。総理の答弁を求めます。
育児、介護と仕事の両立支援について伺います。
こども未来戦略では、共働き、共育ての推進として、育児休業給付を最大二十八日間は手取りで八割相当から十割相当へ引き上げるなど、育児休業制度を抜本的に強化することとしております。是非、今国会で育児・介護休業法等の改正を行うべきであります。
一方で、同法をめぐっては、介護と仕事の両立支援も重要な課題です。介護休業を始めとした両立支援制度が知られておらず利用が進まないことや、制度の趣旨への理解が不十分で効果的な利用がされていないことから、両立が困難となっている状況があります。こうした状況を改善して介護離職を防止するため、介護に直面した全ての労働者に対して、事業主が個別に制度を周知したり、介護休業等を利用する意思を確認することが重要です。また、介護と仕事を両立するため、労働者がテレワークを選べるようにすることも有効です。
育児、介護と仕事の両立支援について、総理の答弁を求めます。
若者や女性の所得向上に向けたリスキリング支援について伺います。
若者が希望を持って将来を展望できる環境を整備するために、また、男女賃金格差を縮小して女性の経済的自立を推進するために、若者や女性の所得を持続的に向上させていくことが重要であります。
例えば、中長期的なキャリア形成につながる専門的、実践的な教育訓練を受講する方には、雇用保険の専門実践教育訓練給付金により、受講費用の最大七〇%が支援されており、受講後に約四割の方が賃金が増加をし、特に、四十歳未満では五割以上の方の賃金が増加をしております。
賃上げを一過性のものとせず、構造的賃上げを実現するためには、こうしたリスキリングによる能力向上への支援を更に強化することが有効であります。教育訓練給付を拡充するとともに、生活費の不安なく教育訓練に専念できるよう、教育訓練期間中の生活を支える新たな給付、融資制度の創設など、労働者一人一人が主体的にスキルアップできるよう、制度の充実に取り組むべきであります。
若者や女性の所得向上に向けたリスキリング支援について、総理の答弁を求めます。
性暴力、性犯罪は、人間の尊厳を踏みにじり、生涯にわたり心身に深刻な傷を負わせる極めて悪質な行為であり、断じて許されません。
政府は、現在、子供と接する職業に就く人に性犯罪歴がないことを確認する日本版DBSの導入に向けた制度設計を進めております。大事なことは、一つは、刑の消滅を定める刑法第三十四条の二の規定にかかわらず、子供に対する性犯罪等の記録は性犯罪歴証明に記載をすること、二つ目は、学校や保育所はもちろん、学習塾、スポーツクラブなど民間教育施設も幅広く日本版DBSの対象にすることであります。
また、再犯を防ぐ観点を含め、初犯から性犯罪を防ぐ総合的な取組も必要であります。例えば、教員や学習塾など子供に係る職種での性犯罪防止の研修、学校だけでなく学習塾や放課後児童クラブ等における安全教育の実施、保護者や社会全体への啓発、犯罪の機会をつくらない場所づくり、加害者の適切な治療など、総合的に取り組まなければなりません。
日本版DBS及び子供への性犯罪を防ぐ総合的な取組について、総理の見解を伺います。
本年一月、公明党が主導してまいりました認知症基本法が施行されました。今後、政府は、認知症基本法に基づく基本計画を策定いたしますが、認知症の本人や家族などの意見を十分に踏まえた計画としていただきたい。
基本法の基本理念には、認知症の人が社会参加できる機会を確保する必要性が明記されておりますが、認知症になると何もできなくなるという誤解や偏見はいまだ根強く残っております。しかし、実際には、認知症の人は、地域や社会とつながりを持てる居場所や、社会における役割を求めております。そうした居場所や社会参加の機会の確保に全力を挙げていただきたい。
一方で、家族らへの支援も、基本理念の大事な項目の一つとして盛り込まれております。地域で認知症の方やその家族を支える仕組みづくりを進めるとともに、仕事と介護の両立支援を強化することが重要です。
認知症の人も、その家族も、生きがいや希望を持って自分の人生を大切に歩んでいける社会の実現に向け、総理の決意を伺います。
続いて、福島の復興と風評、風化対策、防災、減災について伺います。
先月、政府は、昨年の福島県大熊町と双葉町に続き、浪江町の復興再生計画を認定いたしました。帰還困難区域への住民の帰還に向けた第一歩であると評価をいたします。スピード感を持って、着実に除染とインフラ整備を進めることが重要であります。
一方、原発事故の風評、風化は今なお続いております。
ALPS処理水の海洋放出に伴う風評被害には、引き続き、国内外に向けた透明性の高い情報発信を強化すべきであります。
また、昨年、環境省が実施した全国調査で、四七%もの人が、原発事故被災地で将来生まれてくる子や孫が放射線による健康影響の可能性が高いと回答し、一昨年から増える結果となりました。
全くの誤解であり、ゆゆしき事態であります。若い世代や子供への科学的根拠に基づいた分かりやすい情報発信が必要であり、政府によるSNSでのプッシュ型広告の活用や、放射線教育副読本などを活用した教育現場での学びを全国で一層広げるべきであります。また、震災の記憶や教訓の伝承を通して、風化対策も重要です。政府一体となって、連携して風評、風化対策を進めるべきです。総理の答弁を求めます。
能登半島地震においても多くの学校が避難所になったように、災害時には地域住民の命を守る避難所として、平時には地域コミュニティーの拠点として活用されている学校でありますが、体育館へのエアコン設置など、その防災機能強化や老朽化対策は多くの自治体の課題となっております。
昨年は、福岡県北九州市の小学校で、老朽化した外壁が落下する事故で児童五人がけがをし、埼玉県久喜市の小学校では、畳一畳分ほどの外壁が落下する事故が起きました。文部科学省によると、全国の公立小中学校の約半数の施設が築四十年以上経過をし、そのうち約七割が改修を必要としており、平成二十七年度から昨年十一月までに発生した外壁落下は三十八件に上っております。
地方公共団体は修繕や建て替えを計画的に進めているところでありますが、今後の国土強靱化に関する政府の指針となる国土強靱化実施中期計画に学校施設の老朽化対策を位置づけ、しっかり対策を進めていくべきであります。
被災地の学校施設の迅速な復旧と併せて、学校施設の老朽化対策について、総理の見解を伺います。
次に、外交政策について質問いたします。
ロシアによるウクライナ侵略は長期化し、開始から間もなく二年を迎えようとしております。国際秩序の根幹を揺るがしているこの侵略は、エネルギー、交通インフラ、住宅、学校等、人々の生活を支えるインフラや施設にも被害をもたらしており、ウクライナの人々は厳しい状況に置かれております。二月に日本で開催予定の日・ウクライナ経済復興推進会議も活用し、日本政府として、ウクライナに対する人道支援や復旧復興支援を引き続き力強く進めていただきたい。
ガザ地区では、イスラエル軍とハマスとの戦闘が続いております。連日、多数の死傷者が発生をしており、また、水や食料、医薬品が不足するなど、現地では危機的な人道状況が更に深刻化しております。人道状況の改善と事態の早期鎮静化は最優先の課題であります。
そうした中、国連パレスチナ難民救済事業機関、UNRWAのスタッフがイスラエルへのテロ攻撃に関与したとの疑惑を受け、日本を含む主要ドナー国が資金拠出を一時停止する事態になっております。同機関のガバナンス強化を求めるとともに、結果としてガザの人々の命が脅かされることがないようにしなければなりません。
復旧復興を含めたウクライナ支援、また、ガザ地区における人道状況の改善と事態の早期鎮静化における日本の役割について、総理の見解を伺います。
総理は、昨年十一月、中国の習近平国家主席との首脳会談で、戦略的互恵関係の包括的推進と、建設的かつ安定的な関係の構築について再確認をし、各種対話の再活性化についても一致されました。
我が党の山口代表もその直後に訪中をし、蔡奇政治局常務委員や王毅政治局委員と今後の日中関係の在り方について議論を深めました。また、その際、首脳会談のフォローアップに関する習主席宛ての総理親書を届けましたが、これに対しては、後日、習主席から返書があり、両国首脳の更なる意思疎通の強化を後押しできたと考えております。
今後、政府のみならず、政党、議会、地方、文化、観光などの幅広い分野において対話と交流を拡大し、二国間関係の課題に限らず、気候変動などのグローバルな課題についても成果を積み上げていくことが重要であります。今後の日中関係のあるべき姿に向けた進め方について、総理の見解を求めます。
マイナ保険証について伺います。
政府は、今年十二月に現行の健康保険証を終了し、マイナ保険証を基本とする方針を決定しております。一方、この方針は、国民の不安払拭の取組が完了することが前提でありますが、マイナ保険証の低い利用率が課題と指摘されております。
こうした中、現行の保険証が終了するまでの移行期の対応が重要です。例えば、終了後、最大一年間は現行の保険証も使用可能であること、マイナ保険証をお持ちでない方には資格確認書を発行することなど、正しい情報発信とともに、全ての方が安心して保険診療を受けられるよう、きめ細かな対応が求められます。
マイナ保険証は、正しいデータに基づいた質の高い医療の提供、成り済ましの防止など、国民の命と健康を守る新たな仕組みの基盤になります。国民の皆様にメリットや必要性を実感いただけるよう、関係省庁や医療機関等と連携し、マイナ保険証を利用しやすい環境づくりに努めていただきたい。総理の答弁を求めます。
外国人技能実習制度の見直しについて伺います。
技能実習制度は、実習生に対し日本の技術や知識を教え、その経験を母国の発展に生かすことを目的としております。しかし、実際の運用は、企業側が労働力確保として活用するケースが多いなど、目的との乖離が指摘されており、日本の国際的評価にも影響を及ぼしております。
国際社会において人材獲得競争が激化している中、海外からの人材を確保するためには、外国人の人権を更に尊重し、転籍要件の緩和や待遇改善を図るなどの健全な労働環境を提供することが必要不可欠であります。
政府は法改正を予定しておりますが、制度の見直しに当たっては、外国人労働者の人権擁護と労働者としての権利性向上を図るとともに、人材確保や人材育成をより重視した制度を構築すべきと考えます。日本が国際社会の中で魅力的な国として選ばれるために、どのような制度の見直しを考えているのか、総理の答弁を求めます。
結びに一言申し上げます。
本年、公明党は結党六十周年を迎えます。この間、大衆とともにとの立党精神を胸に、全国津々浦々の地方議員の皆さんと連携をし、一貫して国民の小さな声を聞き、政策として練り上げ、政治の現場で実現をしてまいりました。
今後も、こうした公明党ならではの取組を粘り強く続けながら、連立政権を支え、国民生活の向上に全力を挙げることをお誓いし、代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕