伊東信久の発言 (本会議)
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○伊東信久君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の伊東信久です。(拍手)
冒頭に、能登半島地震でお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、今なお非常に寒い中で避難生活をされている被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
税制の基本は、言うまでもなく、公平、中立、簡素であります。一方で、国民から不当、特権、隠蔽と見られているのが政治資金の税制です。自民党によるパーティー券収入の裏金化に国民からの疑惑の目が向けられている中、パーティー券収入が非課税であること自体が、民間感覚からは特権的に見えるのではないでしょうか。政治資金パーティーを含む収益事業で上げた収益は、国税庁がチェックし、納税を通じて透明性を確保すべきと考えますが、財務大臣の考えを伺います。
また、物販は課税、出版は非課税など、複雑化している政治活動の課税のルールを整理し、政治家の納税意識を是正する必要があると思慮しますが、併せて所見を伺います。
引退する政治家がその地盤を政治団体ごと身内に継承させる、いわゆる世襲の事例も枚挙にいとまがありません。当然、立候補する権利は憲法の保障するところではありますが、政治団体の資金は非課税で後継者に承継でき、民間感覚では著しく不公平と思われかねません。裏を返せば、相続税を逃れる手法としても悪用し得ます。親族間の政治団体やその資金の承継については、規制若しくは課税するべきではないでしょうか。総務大臣及び財務大臣の考えを伺います。
今般の税制改正大綱には、租税特別措置について、真に必要なものに限定していくことが極めて重要との記載があります。我が党も、税制を複雑化する租特の整理には賛同するところです。
一方で、今般の改正で廃止した租特の件数、新設された件数は何件であり、総額で幾らの租特を廃止し、また新設したのでしょうか。具体的に御回答を願います。
日本維新の会は、規制改革の観点で、新しい規制を一つ作る場合には既存ルールを二つ以上撤廃する二対一ルール法案を既に国会に提出しています。年を重ねるごとに複雑化する租特についても、同様の考えをルール化して適用すべきと考えますが、財務大臣の見解を伺います。
また、同様に、租特の効果検証を行い、効果を余り発揮していない租特は逐次中止し、租特の総量を規制していくという考えについて、財務大臣の見解を伺います。
イノベーションボックス税制は、研究開発のアウトプットたる知財による所得への税制優遇であり、新たなイノベーションを促進する税制として注目されています。
その一方で、イノベーション投資のインプットたる研究開発税制は、めり張りづけと称して、研究開発費が減少している場合の控除率を引き下げるとしています。しかしながら、過去三年の平均の研究開発費と比較して当年度投資額の減少割合が三割未満であれば、控除が可能となります。これがめり張りづけでしょうか。
我が国の研究開発投資は停滞し、米国から大きく水を空けられる一方、韓国にも猛追を受けています。その米国や韓国では、過去十年で、成長産業たる情報通信業やコンピューター等のハイテク製造業への研究開発投資が大幅に伸びる一方、日本では業種にかかわらず停滞しています。かれこれの差はどこにあるとお考えでしょうか。財務大臣にお伺いします。
研究開発投資を促進するためには、研究開発費が減少する場合の控除率を一層厳しくし、また、増加する場合には控除率を更に上げる等、より一層踏み込んだめり張りづけが必要との考えもありますが、財務大臣の見解を伺います。
今年は、物価と賃金の好循環の実現に向け、要の年となります。岸田総理は、一月三十一日の衆議院本会議で、実質所得を、医療従事者などの公的賃上げ、企業に対する賃上げ促進税制、そして定額減税などで増加させると述べました。これは、補助金や税制上の優遇措置等、既得権の墨守にきゅうきゅうとしてきた過去三十年の自民党の手法と同じであり、期待感が持てない国民は多いと思います。財務大臣の考えを伺います。
また、物価と賃金の好循環の先に実質賃金の増加がなければ、国民生活は豊かにならず、賃上げが一時的なトレンドに終わりかねません。一部の企業では、人手不足という供給制約によって、設備不足という供給制約の改善が困難となる状況が起きているとの声もあります。
財政出動による需要の拡大に頼り切り、生産性の向上を伴わない賃上げは、設備投資額の上振れや研究開発費用の減少を通じて将来的な生産力の足かせとなり、来年以降の賃上げを停滞させる要因になるとも考えられますが、財務大臣のお考えを伺います。
政府が拡充を予定する賃上げ促進税制は、令和四年度には、既に、適用件数で約二十一万五千件、適用額で五千百五十億円に上る巨額の減収を引き起こしています。一方で、その適用事例を見ると、賃上げ促進税制で定めた要件とは無関係に賃上げしている動きが見られるとの報道もあります。加えて、減税の要件である給与総額に賞与が含まれるという大きな抜け穴があり、これは拡充後も同様です。
本改正案では、一兆円を超える巨額の減税が見込まれるものの、企業がより踏み込んだベースアップに挑戦するインセンティブにはならず、あくまで物価高と人材市場の需給の引き締まりに起因する賃上げしか起こらないと考えますが、財務大臣の考えを伺います。
岸田総理の述べられた公的賃上げによる実質所得増加は、ありていに言えば、世の中に受け入れられやすい言い訳づくりではないかと思われます。これは、子ども・子育て支援金制度の導入に際して、医療従事者等の賃上げ負担を国民に転嫁するための錦の御旗と思案しますが、厚生労働大臣のお考えを伺います。
岸田総理は、さきの臨時国会で、子ども・子育て支援金制度について、全体として実質的な追加負担を生じさせないと強弁してきましたが、閉会後に、突如として、医療従事者の賃上げ分は負担に含まないとの新たな解釈を示しました。賃上げによる保険料増加分を負担するのは、医療従事者だけではありません。また、一〇〇%全ての業種で安定的に賃上げが達成できることはありません。
支援金制度に上乗せして公的賃上げを遂行することで、負担増になる現役世代が一定数発生するのではないでしょうか。厚生労働大臣の見解を伺います。また、医療従事者への賃上げのためであれば、手取りが減少する現役世代が発生することはやむを得ないとお考えですか。併せて伺います。
賃上げ負担を、国庫なり医療従事者以外の国民なり、特定のセクターに求めることによる賃上げは、持続可能性がありません。企業の生産性向上に加えて、国民負担率を抑制する。この両輪でこそ、実質的な賃上げが持続可能なものとなると考えますが、財務大臣の見解を伺います。
るる述べてきたとおり、物価を上回る賃金上昇を実現するには、企業の生産性向上が必要です。そのためには、転職者に不利な雇用制度に大なたを振るい、主体的なキャリア選択を尊重するとともに、比較的賃金の高い成長産業へと労働移動を促すべきです。
労働市場の流動化を推進するために、終身雇用や年功賃金といった日本型雇用慣行を改革し、ジョブ型雇用や同一価値労働同一賃金への転換を進め、企業間の自由な労働移動の活性化に政府が手を尽くすべきと考えますが、厚生労働大臣の考えを伺います。
また、実情に合わせた解雇の金銭補償など、新しい労使間のルール構築に取り組むべきとも考えますが、見解をお尋ねします。
雇用の流動化とセーフティーネットの強化の組合せであり、デンマーク等で効果を発揮したとされるフレキシキュリティーの我が国での実現についても、併せて厚生労働大臣の考えを伺います。
今般の税制改正では、児童手当の対象拡大とバーターで、扶養控除の引下げを今後検討することとしています。政府は、児童手当の増額分が負担額を下回ることはないとしていますが、アクセルを踏みながらブレーキをかける政策は、少子化対策の肝である国民へのメッセージ性を減じます。金額の多寡ではなく、政府が本気で少子化対策に取り組む姿勢を国民に見せ、現役世代の行動変容を喚起するべきではないでしょうか。扶養控除の引下げは、少子化対策全体の効果を減ずるため中止すべきと考えますが、財務大臣の考えを伺います。
また、出生率向上のためには、フランスで導入され実際に成果を出したとされる、子供の数が多いほど税負担が軽減される世帯単位課税、いわゆるN分N乗方式を検討し、導入するべきと考えますが、財務大臣の見解を伺います。
結婚や出産にちゅうちょする現役世代の背中を押すには、生活保護の捕捉率が二割程度にとどまるとされる、我が国のセーフティーネットの脆弱性解消も重要です。我々は、マイナンバーに資産情報をひもづけ、収入と資産を適切に把握し、機械学習等を活用しながら個々人に必要な額を算定し、プッシュ型で公正公平に給付するデジタル歳入庁の設置を検討しています。セーフティーネットも、マイナンバーやAI等、新技術の活用を前提に改革し、全国民に安心を提供する最低生活保障を確立すべきではないですか。デジタル歳入庁構想に対する見解と併せてお答えください。
現役世代の背中を押すためには、手取り収入の予見可能性を高めることも不可欠です。シンプルで公正な制度設計は、政治や行政の恣意的な運用を封じ、税の不透明感を解消します。また、納税手続を簡素化することで、経済活動を活性化すると考えます。税制全体の構造をフラットタックスに近づける必要性について、財務大臣の見解をお伺いします。
一方で、所得のうち、金融所得の存在感は目に見えて増しています。本年初に開始した新NISAは、同制度対象の公募株式投資信託への資金流入額が先月の合計で約一兆三千七百億円に上るなど、投資への意識拡大を後押ししています。この動きを考慮すれば、損益通算範囲を拡大して所得税の総合課税化を行うことで税負担を公平化すべきと考えますが、財務大臣の見解をお尋ねします。
日本維新の会は、日本経済の停滞を打破するため、フローからストックへをかけ声に、税制を抜本的に変革すべきと考えています。資金の流れに係る税制は軽くして、可処分所得を増やし、消費を喚起する。資産部分に係る税制は適正化し、流動化を促し、併せて景気を刺激する。フローとストックの両輪で経済成長を支えるという考え方です。租税特別措置で微修正を重ねるのではなく、この発想を基に、税制を根本的に再検討しませんか。財務大臣の思いを伺います。
日本維新の会は、日本経済の成長のために、税、社会保障制度、成長戦略を三位一体とした抜本的な改革を提唱しています。実現に向け、我々は政府と真っ正面から向き合い、国会で真摯な議論を行っていくことをお約束して、私の質問とします。
御清聴、誠にありがとうございます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇〕