小泉龍司の発言 (本会議)
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○国務大臣(小泉龍司君) 本村伸子議員にお答えを申し上げます。
まず、親権の性質についてお尋ねがありました。
親権は、子に対する支配権ではなく、また、権利のみでなく義務としての性質を有しており、子の利益のために行使しなければならないものと理解されております。
次に、親権の定義や用語の見直しについてお尋ねがありました。
法制審議会の議論では、親権を親責任という用語に見直してはどうかという意見もございました。しかし、親責任という用語は、その主体でない父母が子に対する責任を負わなくなるとの誤解を招きかねないため、その見直しは見送られたという経緯がございます。
次に、子の意見表明権についてお尋ねがありました。
家庭裁判所は、親権等に関する事件では、子の意思を把握するように努め、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならないこととされております。加えまして、本改正案では、父母が子の人格を尊重すべきことを明らかにしております。このように、子の意見表明権は適切に保障されているものと考えております。
次に、離婚後の共同親権への懸念についてお尋ねがありました。
法制審議会の議論では、父母双方を親権者と定めることにより子の利益を害する事案もあるとの懸念が示されました。そこで、本改正案では、親権の共同行使が困難な場合や子の心身に害悪を及ぼすおそれがある場合のように、父母双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、裁判所が必ず単独親権としなければならないこととしております。
次に、紛争が多発する懸念についてお尋ねがありました。
本改正案では、監護又は教育に関する日常の行為をするときや、子の利益のため急迫の事情があるときは親権を単独で行使することができることとしており、不必要な紛争が多発するとは考えておりません。
次に、本改正案に対する不安の声についてお尋ねがありました。
本改正案は、DVや虐待のおそれがある場合のほか、親権の共同行使が困難な場合にも、裁判所は必ず単独親権としなければならないこととしており、安全、安心を脅かすなど、御指摘のような内容とはなっておりません。
本改正案が成立した場合には、その趣旨が正しく理解されるよう、法務省のホームページ等を利用して、適切かつ十分な周知、広報に努めてまいります。
次に、裁判所が親権者を定める際に考慮されるDVや虐待についてお尋ねがありました。
本改正案では、裁判所が必ず単独親権としなければならない場合の例として、DVや虐待のある場合を挙げております。具体的には、父母の一方が暴力等を受けるおそれや、子の心身に害悪を及ぼすおそれの有無を基準として判断することとなります。その判断の際には、当事者の主張のみに基づくものではなく、御指摘のようなDVや虐待の特質等も踏まえつつ、DV等のおそれを基礎づける事実とそれを否定する事実とが総合的に考慮されると考えております。
次に、子の利益のため急迫の事情があるときの具体例についてお尋ねがありました。
お尋ねについては、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合をいうと考えております。
御指摘のように、離婚後に元配偶者から暴力を受け、その後、子供を連れて転居するケースについても、これに当たる場合があると考えております。
次に、臨床医療の現場への影響についてお尋ねがありました。
本改正案は、監護に関する日常の行為をするときや、子の利益のため急迫の事情があるときは親権を単独で行使することができることとしております。
そのため、子に関する診療契約の締結について、必ず父母が共同して親権を行使しなければならないものではなく、適切な医療の妨げになるとの懸念は当たらないと考えております。
次に、パブリックコメントの公表についてお尋ねがありました。
中間試案に対するパブリックコメントでは、個人、団体から八千件を超える意見が寄せられ、その概要は法務省のホームページで公表しております。その意見にはプライバシーに関わる事項が多数含まれているため、意見そのものを公表することは適当ではないと考えております。
最後に、家庭裁判所の体制についてお尋ねがありました。
お尋ねについては、裁判所を取り巻く様々な状況を踏まえ、最高裁判所において適切に判断されるべきものであり、本改正案が成立した場合には、裁判所において適切な審理が行われるよう対応されるものと承知しております。
子供の権利保護など、総合的な施策についてお尋ねがありました。
改正法を円滑に施行し、子の利益を確保するためには、一人親家庭支援や裁判手続の利便性向上といった支援策や体制整備を図るとともに、DV及び児童虐待等を防止して安全、安心を確保することが重要であると考えております。
法務省としては、本改正案が成立した場合には、その趣旨が正しく理解されるよう、適切かつ十分な周知、広報に努めるとともに、こうした環境整備について、関係省庁等と連携して取り組んでまいります。
お尋ねの弁護士費用については、経済的な理由で泣き寝入りすることがないよう、民事法律扶助を適切に御利用いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
お尋ねの養育費立替え払い制度については、その創設を期待するお声があることは承知しておりますが、本改正案では、養育費の取決めの実効性を向上する改正案となっており、まずは、その施行状況を注視したいと考えております。(拍手)