神津たけしの発言 (本会議)

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○神津たけし君 立憲民主党・無所属の神津たけしです。
 会派を代表し、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 冒頭、自民党裏金事件について一言申し上げます。
 裏金衆議院議員五十一人のうち、派閥幹部六人が政治倫理審査会に出席しましたが、国民の約九割が幹部の説明を不十分と考えています。実態解明のためには、証人喚問が不可欠ではないでしょうか。また、残り四十五人の裏金議員も政倫審に出席して、志のない議員の汚名を晴らしていただくべきです。政倫審での申立ての議決を強く求めます。
 さて、かつて、トラックドライバーは、きつくても稼げる仕事、三年頑張れば田舎で家を建てられると言われていました。過剰に物流コストを引き下げようと法制度を変えた結果、ドライバーの給与が大きく減少し、物流は、仕事がきついのに稼げない仕事になってしまいました。この分野でも政策の失敗を繰り返してきた三十年、失政に対して誰も責任を取らない三十年であったと言わざるを得ません。
 物流は、我が国の経済活動や豊かな国民生活を支える重要な社会インフラであり、物流が滞れば、国民生活に大きな影響が出ます。物流政策の失敗を続けるわけにはいきません。
 近い将来の物流は、生産性向上のため、パレットの標準化、ダブル連結トラック、鉄道などへのモーダルシフト、物流DXなどの取組が行われ、労働集約型の物流から資本集約型の物流に大きく変わります。政府として、いつまでに、どのように物流に携わる方々の所得を引き上げていくのか、どのような時間軸で、何を実現していきたいと考えているのか、各取組の目標年と計画をお示しください。
 二〇一八年に成立した働き方改革関連法に伴う労働基準法改正時に労働時間の制限が決まりましたが、トラックドライバーは五年間の猶予期間が設けられました。二〇二四年四月一日から、ドライバーの時間外労働を原則月四十五時間、年三百六十時間、特別な場合に年間九百六十時間以内に制限し、年間の拘束時間を三千三百時間以内に制限します。労働時間の制限により、二〇三〇年には、輸送能力が三四・一%、ドライバーは三十四万人相当が不足すると予測されています。
 二〇二四年問題に対し、政府は、規制開始一年前となる昨年三月にようやく重い腰を上げ、六月と十月に物流の政策パッケージを閣議決定しました。本年四月一日には、トラックドライバーの残業時間規制が始まります。残業規制開始が十日後に迫る中で、本法案改正の審議が始まります。なぜ、五年以上もの間、物流の諸課題に対応してこず、今頃になって議論をするのか、後手後手の対応となっていることを政府はどのように認識されているのか、伺います。
 物流の失敗を続けてきたことで、トラックドライバーは、ほかの産業と比較して二割ほど年間労働時間が長く、年収は一割ほど低くなっています。有効求人倍率も全職業平均の二倍以上と、深刻な人材不足に陥っています。長距離ドライバーによっては、週に一度しか家に帰れないという方も珍しくありません。残業も多く、肉体労働で、給料もこれから更に低くなるとなれば、離職率は自然と高くなります。日本の物流を守っていくには、物流の現場で働くドライバーの賃上げを確実なものにしていかなければなりません。
 本年二月、国交省の運輸審議会において、現在の標準的運賃よりも平均で八%引き上げるべきだとする答申がまとめられました。運賃が八%上がることはよいことですが、国交省から示された算出根拠には、人件費の時給増は含まれていませんでした。賃上げの流れを無視するかのように、逆に時給が下がることが示されていました。日本の物流を維持するためには、ドライバーの給与増が求められています。標準的運賃の八%増の算出根拠において、ドライバーの賃金は何%増になり、年収換算で幾ら上がるのでしょうか。
 今年の春闘で、三月十五日までに連合に回答が寄せられた組合の賃上げ率の平均は五・二八%となりました。元から低い賃金に設定されている業界は、これまで以上の賃上げが必要です。労働時間規制によって賃金が減るトラックドライバーの賃金上昇は必須です。岸田総理は、物価高以上の賃上げを実現する、成長と分配の好循環によって所得倍増と訴えていました。このままでは、岸田総理の発言は蜃気楼になってしまいます。
 これまで抑えられていたトラックドライバーの人件費の大幅増を実現するため、まず、適正な原価、適正な利潤を含んだ標準的運賃を設定すべきですが、現行の標準的運賃は令和元年の調査結果に基づき算出したものです。現在の物価動向から大きく乖離しています。標準的運賃八%増が見込まれていますが、インフレの中で適正な価格転嫁が行われるよう、標準的運賃の改正は毎年行うべきではないでしょうか。
 下請構造が多層化することにより、実際の運送を行うトラック事業者が適切な標準的運賃を受け取ることが難しくなっています。標準的な運賃は実運送事業者が収受すべき運賃水準であり、下請に発注する際の手数料は元々考慮されていません。多重下請の階層では、一階層当たり一〇%もの手数料が差し引かれている現実があります。四階層に及ぶ場合、手数料は四〇%、トラック事業者は標準的運賃の六〇%で仕事を請け負っており、適切な運賃とは言えません。
 物流業界において、荷主側の優越的地位が非常に強く、トラック事業者は交渉ができていません。これを象徴しているのが、中小企業庁が行った価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果です。トラック事業者は、全二十七産業中の価格転嫁ランキングで最下位でした。
 トラック事業者が適切な運賃を受け取るためには、一〇〇%の標準的運賃を最低運賃として受け取り、多重下請分の手数料は元請事業者が荷主と交渉するように制度設計をすべきではないでしょうか。
 人材不足の大きな要因の一つについては、倉庫の受入れ能力不足による長時間の荷積み、荷降ろしの順番待ちや商品の陳列などの附帯業務に対し、適切な対価が支払われていないことが挙げられます。人材不足を回避するには荷待ち、荷役の時間短縮と有料化が必要ですが、実態把握とかかる改善措置が図られていません。荷待ち、荷役等の附帯的な業務によって運送事業者が不当に扱われるような事例はないか、確認する必要があります。
 本法案で、荷待ち、荷役等の附帯的業務に対し適切な対価が支払われるのか、トラックGメンが具体的にどのような活動をするのか、御説明ください。
 現在の高速道路深夜割引は、零時から四時となっています。零時から四時に一分でもかかれば、三割引きが適用されます。割引を受けるために、高速道路の路上駐車やサービスエリアでの時間待ち等の諸課題が指摘されております。国交省の改善案では、二十二時から五時まで、走った分だけ三割引きが適用されることと提案しています。しかし、新しい制度が適用されると、長距離の高速料金はこれまでより高くなってしまう可能性が指摘されています。
 ドライバーの労働時間を制限し、過労死を減らしていくのであれば、高速道路の利用は促進されるべきです。物流二〇二四年問題の解決を国として応援していくのであれば、事業用の車両については、高速道路料金を常時三割引きにすべきではないでしょうか。
 高速道路のミッシングリンクが全国各地に点在しています。私の地元長野県では中部横断自動車道がミッシングリンクとなり、あと三十四キロつながれば、大型車も利用ができ、日本海と太平洋がつながります。
 日本全国において残業規制が始まれば、遠くの消費地に新鮮な農産物、水産物を運ぶことが難しくなります。物流を促進する観点から、全国でミッシングリンク解消に向けた取組を強化すべきではないでしょうか。
 先月二十七日、政府は、八トン以上の中型、大型トラックの高速道路における最高速度を、本年四月一日から、時速八十キロメートルから九十キロメートルへと引き上げる改正道路交通法施行令を閣議決定しました。
 二〇一六年三月の高規格の高速道路における速度規制の見直しに関する提言では、大型貨物自動車の速度見直しについては、貨物の積載状況によっては走行が不安定になる場合があること、積載量に応じて制動距離が長くなること、ほかの車両より重量が大きいため、同一速度でも運動エネルギーが大きくなり、事故発生時に被害が重大化しやすいこと等の理由により、慎重な検討が必要であるとされていました。指摘された点が解決されたのか、甚だ疑問です。
 最高速度が九十キロになれば、事故の危険性も高まります。なぜ四月一日から最高速度を時速九十キロとするのか、どのような検証を行い、提言の懸念点が解決されたと判断したのか、お示しください。
 トラックの積載率が三九%と低迷しています。往復で荷物を積む状況をつくっていかなければ、日本の物流の非効率性は一向に改善しません。国土交通省として、積載率の目標値を、いつまでに何%といった具体的な数値として設定しているのか、また、かかる積載率向上に資する取組はどのようなことを行っていくのか、具体的に教えてください。
 二〇二二年、厚生労働省は、トラック、バス、タクシー事業者に対し、労働基準法による監督指導を行いました。その結果、八三%の事業者に労働基準法違反が認められました。
 トラックドライバーの労働時間制限は、会社の売上げ、トラックドライバーの賃金の減少に直結します。法改正がなされたとしても、中小企業はこれまでと同様に会社を守るため、労働者は賃金を確保するため、労働時間をごまかさざるを得ない状況が続いてしまうのではないでしょうか。中小企業がこれまで以上の売上げと賃金を確保しつつ労働時間を守ってもらえるよう、どのように指導するのか。また、どのようにして荷主から中小企業に適正な運賃を支払ってもらえるようにするのでしょうか。
 残業時間や拘束時間が規制されることにより始まる物流二〇二四年問題は、人材不足をどのように補っていくのか、物流の生産性向上を未来に向けてどのように引き上げていくのかの分岐点となります。私たち立憲民主党においても、物流プロジェクトチームを中心に、将来の物流の諸課題を荷主、物流事業者、国民の皆様とともに解決していくことをお約束し、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

発言情報

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発言者: 神津たけし

speaker_id: 1784

日付: 2024-03-21

院: 衆議院

会議名: 本会議