中野洋昌の発言 (本会議)
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○中野洋昌君 公明党の中野洋昌です。
私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。(拍手)
昨年の出生数は約七十六万人で過去最少となりました。人口減少に歯止めがかけられなければ、次の世代に社会を継承することは困難です。少子化は待ったなしであり、静かなる有事であるとの危機感を持って対策を進める必要があります。
近年、若い世代の間では、子供を持つことはリスク、負担であるという考え方が急速に増えています。こうした不安を払拭し、若い世代が未来に希望を持ち、安心して子供を産み育てることができる社会を実現しなければなりません。
公明党は、一昨年に子育て応援トータルプランを発表し、ライフステージを通じた支援の拡充、働き方と社会保障の転換が必要と訴えてきました。我が党の提言を数多く反映した形で政府が加速化プランを取りまとめたことは、高く評価したいと思います。本法案は、これを実現するための極めて重要な法案であります。
今回の加速化プランによる子育て政策の抜本的拡充に必要な財源は約三・六兆円であり、これが実現すれば、OECDトップレベルの予算規模となります。政府は、この七割以上の二・六兆円を徹底した歳出改革などで賄い、残りの一兆円を支援金制度で充てるとしています。本法案では、この支援金制度の導入が法定化され、その使途も子育て政策に限定されるとともに、こども金庫創設により予算の見える化が図られます。支援金制度も含め、全ての子供の育ちを社会全体で支える財源が確保されることは、大きな意義があると考えます。
その際、総理がこれまでおっしゃってきたように、全体としては支援金制度導入によって実質的な負担が生じないということですが、今回、こども家庭庁が公表した拠出額の試算からも分かるように、個人ベースで見ると、加入している医療保険制度や収入により、異なる金額を拠出していただくということだと思います。
大切なことは、こうした拠出をしていただく支援金の意義を、総理のメッセージとしてしっかり伝えていくことではありませんか。一つは、子育て中の方々、つまり、今回の給付拡充で具体的な受益を受ける方々がどのようによくなるのかということです。もう一つは、子育てを終えた高齢者の方やお子さんがいない方などへのメッセージです。こうした方々に、ただ拠出をお願いするというわけではなく、少子化傾向が食い止められることによって、社会経済の安定を通じた受益を受けるということをしっかりとお伝えいただきたい。
こうした二つの支援金制度の意義について、国民へのメッセージとして、総理の御答弁をお願いします。
若い世代が結婚や出産を諦める理由は経済的な要因が大きく、政府は、賃上げ等の取組により若い世代の所得を増やすとともに、子育て世帯に対する経済的支援の強化を行うことが不可欠であります。
その大きな柱の一つが児童手当であります。公明党は、一九六三年から児童手当の創設とその拡充を一貫して訴え、これを着実に実現してきました。本法案では、我が党の強い要望を受け、児童手当の所得制限を撤廃、支給対象を高校生年代まで延長、第三子以降は三万円とし、多子加算のカウント方法を見直すなどの抜本的拡充がなされたことは、高く評価したいと思います。
子育て政策における児童手当の位置づけと、その拡充の意義、狙いについてお伺いいたします。
これまで、ゼロ―二歳児に対する支援はほかの年齢に比べ手薄であり、公明党は支援の充実を訴えてきました。本法案では、妊婦のための十万円相当の支援給付や妊婦等包括相談支援事業の創設、産後ケア事業の強化に加え、全ての子供が利用可能となるこども誰でも通園制度が実現します。
他方で、子育て、保育の受皿の状況は地域によって大きく異なり、子供の減少が著しい地域から、まだ待機児童がいる地域など様々であり、保護者のニーズも多様です。十時間の利用上限についても、足りないとの声もあります。現に行われている試行的事業を通じ、できるだけ多くの方のニーズに合致する制度設計が望まれますが、そのためにも人材の確保が不可欠です。
こども誰でも通園の本格実施に向け、必要な人材の確保と着実な提供体制の整備について答弁を求めます。
幼児教育、保育の支え手を確保し、質を向上させていくことも極めて重要です。この度、七十五年ぶりに職員の配置基準が改善されますが、保育の質の向上と処遇改善を更に進めていく必要があります。今まで、累次の処遇改善加算を行い、令和五年度補正予算でも、公定価格上の人件費を五・二%改善しましたが、現場の保育士に賃上げ実感が届いていないという声もお伺いし、更なる実効性の確保が必要です。
保育士等の処遇改善の現状と、それを現場に行き渡らせるための取組についてお伺いいたします。
今回の加速化プランでは、公明党が長年強く要望してきた一人親世帯への支援に欠かせない児童扶養手当が拡充するほか、児童虐待防止や、障害児、医療的ケア児への対応等を行う支援拠点の充実などが図られます。また、ヤングケアラーへの支援を法制化し、地域による支援格差を解消します。
子供の貧困を始め、こうした多様な支援ニーズへの対応を強化し、誰一人取り残さない社会を実現するための取組についてお伺いいたします。
女性の社会進出が進む一方で、結婚や出産による負担が女性に偏っており、共働き、共育ての実現は極めて重要なテーマです。本法案では、出生後休業支援給付や育児時短就業給付の創設が盛り込まれており、男性育休が当たり前となり、男女共に子育てと仕事が両立する社会をつくらなければなりません。そのためには、制度そのものの充実に加え、休業中の業務を支える体制づくり、育休や時短勤務を取りやすい職場づくりへの支援を強化する必要があります。
共働き、共育てを社会全体で応援するための取組についてお伺いいたします。
今後、子育て政策を遂行していく中で、若者や子育て当事者の不安を払拭し、より納得感があるものとしていかなければなりません。そのためには、こども家庭庁が司令塔となり、若者や子育て当事者の声を聞き、ニーズを迅速に把握し、そして、加速化プランに基づいて行われる政策の効果を検証し、見直しを含め、PDCAサイクルを回していくマネジメント体制を確立する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
子供、子育て政策の充実は、加速化プランで終わるものではありません。こども未来戦略では、二〇三〇年代初頭までに我が国の子供、子育て予算の倍増を目指すとされています。特に、子育て世帯の要望の強い高等教育費については、公明党は、二〇三〇年代までの無償化を訴えています。このほか、若者の経済的基盤の強化など、更なる施策の充実を今後も図っていくべきです。
少子化を克服し、子供の幸せを最優先する社会を実現するため、加速化プランの先へ向けた施策の更なる充実について、総理の決意をお伺いし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕