新垣邦男の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○新垣邦男君 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣邦男です。
会派を代表して、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問をします。(拍手)
まずは、昨日、台湾沖で発生した大規模な地震で被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。詳細な被害状況などはまだ把握されておりませんが、日本政府としても、最大限の支援を行う必要があると考えます。
また、能登地震によって亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災され、厳しい暮らしを続けておられる方々にお見舞い申し上げます。
能登の被災地の復興は進まず、三か月を経てなお、七千戸以上で水道が復旧しておりません。一方、一部の自民党議員は、パーティー券収入をキックバックして、裏金をため込んだ挙げ句、政倫審でも真実の説明ができていません。
民間企業では、不正経理が発覚した場合、責任を取るのは経理部長だけではありません。社長自らが事実を明らかにし、責任を取ります。岸田総理と二階元幹事長は処分の対象外との報道もありますが、岸田総理は、自民党総裁として、事実を国民に説明し、自らも含め、適正な処分を行って責任を取り、襟を正すことがまず必要であるということを強く申し上げておきます。国民は怒りを持って見ています。
さて、世界では、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスとイスラエルの紛争などが起こっており、我が国周辺においては、軍事力増強、繰り返されるミサイル発射などが見られ、厳しい安全保障環境にあります。そのような状況下で、いかにすれば我が国を守ることになるのか、十分な審議時間が必要だと思います。
本法案は、本来別々の法案を過剰に束ね過ぎです。統合作戦司令部、次期戦闘機開発に関する組織、日独ACSAは別々の課題であり、別法案とすべきではないでしょうか。直接の関連性は何か、御説明願います。
防衛省設置法等の改正によって自衛隊の体制を整えようと、GDP二%の予算でスタンドオフミサイルなどを開発、装備し、基地を整備拡大しようとしています。しかし、それを担う自衛官がいなければ、この国を守ることができません。現実には、自衛隊では慢性的な定員割れが続いています。なぜ定員割れが続いているのか。新しい施策で定員割れが解消するのでしょうか。しない場合はどうされるのですか。防衛大臣に、自衛官の確保に関する施策について伺います。
陸海空だけではなく、サイバー空間等の新領域での防衛が安全保障上重要となり、AIを用いた装備の開発は各国で研究されています。防衛のために、AIやサイバー技術等、高度な人材の育成、確保が求められますが、これらの人材は民間でも必要であり、人材確保は民間との競争でもあります。サイバー専門部隊の人員を、今の二千二百人から、三年後には倍の四千人規模に増やすことになっていますが、現在の状況はいかがでしょうか、お答えください。
自衛官の確保は国を守るために必要ですが、他方、民間の人手不足も深刻であります。そこで、政府としては、陸上自衛官の減員によって必要な体制を整備しようとしています。陸上自衛官は減らしてもよいという判断でしょうか。防衛大臣に、自衛官の定員、その内訳に係る考え方を伺います。
自衛隊内での様々なハラスメント問題が頻発しています。自衛隊内での自浄作用も十分ではありません。この国を守る務めに加わろうとして自衛官になったものの、セクシュアルハラスメントに遭い、訴えても改善されず、辞職し実名で抗議をした一人の勇気ある女性によって、問題が鮮明になっています。防衛省・自衛隊は、ハラスメントを改めるために、彼女の勇気に学ぶべきではありませんか。防衛大臣に、いかに自衛隊の様々なハラスメントを改めるのか、具体的な施策について伺います。
統合作戦司令部の新設についてお伺いします。
日本の自衛隊の組織を改編して統合作戦の強化が進められていますが、これまでの体制は実戦的ではなかったということでしょうか。統合作戦司令部が設けられ、統合作戦司令官が任命されることでどのように変わるのですか。統合作戦司令官の任命に当たっては、何を考慮し、どのような人物を任命するのですか。防衛大臣に伺います。
陸海空でバランスよく回すポストにするのではなく、任務を適切に実施できる人物の任命をしなければ、新設の意味がありません。
本法案改正により、統合作戦司令部の人員が約二百四十人体制となりますが、陸海空各部隊にも作戦司令部は残存します。作戦を指揮するのは常に統合作戦司令部で、陸海空の司令部に下令する形になるのか、答弁を願います。
米韓同盟では、戦時下には韓国軍は米韓連合軍司令官の指揮下に置かれますが、日本は、統合作戦司令部新設後も、自衛隊の指揮に当たっては、米国とは有事でも独立した指揮系統を持つということでよいのですか。共同対処の場面で、自衛隊が米軍の情報提供等に依存せざるを得ない場面が出てくるのではないのですか。その場合でも、独立した指揮系統と言えるのか、防衛大臣に伺います。
人員、車両の輸送を専門に担うため、陸上自衛官が船舶の操船や運用を行う自衛隊海上輸送群が共同の部隊として設けられます。陸上自衛官が、海上自衛隊で育成されています。米国の海兵隊のようになることはないのか、陸上自衛官の定員を海上自衛隊に回して海上自衛隊の輸送能力を拡充するのではなく、なぜ自衛隊海上輸送群を共同の部隊として設けるのか、防衛大臣に伺います。
日本は、第二次世界大戦前、ゼロ戦を始め優れた航空機を開発、生産する力を有していましたが、戦後は、米国の開発した戦闘機の輸入、ライセンス国産が主体、自主的に開発したのはF1のみ、米国との共同開発も、いわゆるFSX、F2のみです。日本が米国以外との戦闘機の共同開発をするのは初めてです。しかも、戦闘機生産を担ってきた航空機会社のMRJは、型式証明が取れず、生産を断念しています。第六世代という極めて挑戦的な航空機を本当に開発できるのでしょうか。
日本、イギリス、イタリアが次期戦闘機共同開発のために設立する国際機関、いわゆるGIGOは、各国政府からの派遣の職員で開発管理や契約などを管理するとのことですが、改めて、GIGOの役割や組織の規模、日本からの派遣職員は何人の規模になり、派遣職員の選定の基準は何でしょうか。民間からも募集することも検討しているのでしょうか。防衛大臣に伺います。
GIGOへの派遣経験者は貴重な人材となるので、戦略的な育成計画が必要です。また、GIGO派遣職員も含め、防衛省職員が長期的に定着するような処遇にすることが、防衛省の防衛調達能力、機密の保持においても不可欠です。GIGO派遣職員の給与や待遇はいかなる観点から定めたのか、防衛大臣に伺います。
次期戦闘機については、政府は、先月末、その完成品の第三国移転ができなければ対等に共同開発のパートナーになれないことを理由に、三原則を変更しました。これに対し、各社の世論調査でも次期戦闘機の輸出にネガティブな意見が五割程度あり、殺傷能力の高い武器の移転に関して懸念を持つ国民は多くいます。
防衛装備移転三原則の運用指針においては、移転ができない場合の規定は非常に限定的です。運用指針で用いられている、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国の定義とは何でしょうか。例えば、現在のガザ及びイスラエルの情勢は、運用指針上の武力紛争の一環として現に戦闘が行われているに該当するのでしょうか。該当しないのであれば、現在、ガザ地区で病院までターゲットに空爆するイスラエルに防衛装備移転することは除外されません。
物品役務相互提供協定は、日米に始まり、豪州など六か国との間で締結していますが、本法案に日独物品役務相互提供協定締結に伴う国内法整備が含まれています。ドイツのような欧州の民主主義国家等との連携は重要でありますが、NATO加盟国たるドイツは、現在、ロシアによるウクライナへの侵攻に対し、中心的な役割を果たしてウクライナを支援しています。
ドイツとの間で、具体的にはどのような防衛協力をし、物品、役務の提供を考えているのでしょうか、防衛大臣に伺います。イギリス、フランスも、ドイツと同様、NATO加盟国ですが、日英、日仏ACSAの実績について、併せてお答えください。
最後に、辺野古新基地建設に関して、工事の進行優先で、国と県の対話よりも、裁判による解決が優先されたことは遺憾であります。現実には、軟弱地盤の問題等、多くの問題が見つかっていることから、工事を中止し、県と協議、対話をして、沖縄における基地の在り方を見直すべきです。
辺野古新基地建設費に関しても、現在、辺野古新基地建設費の総見積りは九千三百億円とされています。しかし、既に総工費の半分近くに当たる四千三百十二億円を令和四年度末までに支出しているにもかかわらず、現時点で埋立工事の必要な土砂のうち一六%しか投入されていません。沖縄駐留米軍トップも、工事には明らかに課題があるとの認識を示しています。
防衛大臣は、工事について、経費抑制に努め、着実に進めていかなければならないと述べていますが、計画どおり進まない現実や沖縄の住民の声に耳を傾け、立ち止まるべきときに来ています。普天間の危険除去も、このままでは最低でも九年は実現しません。負担軽減と言いながら、辺野古移設が普天間返還につながらないかもしれません。現時点で、再度米国と協議すべきと私は考えます。
先月、政府は、有事に備え、住民を守るシェルターの整備方針を決定しました。ここでは、安全保障環境は厳しさを増しているが、国を守る基地によって周辺地域の住民にとって危機が高まるのではないか、自衛隊基地の整備が進む一方、地域住民を守る整備が遅れるのではないか、様々な議論があることを改めて申し上げたいと思います。
我が国を守るとは何なのか、この国を、自衛隊員や地域住民を含めこの国に住んでいる人をいかに守るか、幅広く深い十分な議論が必要なことを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣木原稔君登壇〕