岩谷良平の発言 (本会議)

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○岩谷良平君 日本維新の会の岩谷良平です。
 教育無償化を実現する会との会派を代表し、議題になりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しいとされる中、政府は、おととし末に、新たないわゆる安保三文書を作成し、防衛力の抜本的強化に着手しました。我が国の安全保障上、問題とされながら放置されてきた多くの課題を幅広く解決していくための内容が盛り込まれており、遅きに失した点は指摘せざるを得ませんが、私たちは高く評価しています。
 しかし、作成して終わりではなく、言うまでもなく、着実かつ迅速に実行に移していくことが何よりも重要であると考えます。
 ところが、今回、防衛装備移転に関連して、連立政権内の政治事情で、国家として当然なすべき防衛政策に、何ら説得力のあるロジックではなく、平和というイメージを維持するための党利党略で無為にブレーキがかけられ、そして、それが、国民の生命、身体、財産を守るという最も基本的な国益に反することを理解しながら、選挙対策の票欲しさからか、盲従するだけの与党の政策決定の有様を見せつけられ、私は、我が国の安全保障に強烈な危機感を抱いています。
 また、我が国の防衛予算は、令和五年度から九年度にかけて計四十三兆円となり、飛躍的に増大することになりました。防衛費の倍増方針自体は評価するものの、その財源として増税が予定されています。しかし、法を犯して裏金づくりを行ったにもかかわらず、秘書に責任を押しつけて、法で罰せられることも、政治責任を自ら取ることも、納税もしない八十名以上もの裏金議員を擁する自民党に、国民に増税を求める資格などないとはっきりと申し上げた上で、本題に入ります。
 本法案は、自衛官の定数の変更が含まれています。自衛隊員はまさしく防衛力の中核であり、その人材確保は、装備品等の整備と並び、防衛力の抜本的強化を支える車の両輪です。ところが、令和三年度には約五千七百人、陸上自衛隊の一個師団に近い規模の自衛官が中途退職しました。政府は自衛官の確保に向けた具体策を漸次打ち出していますが、つけ焼き刃の施策を羅列しても根本的な解決にはなりません。
 日本維新の会は、自衛官の給与体系を自衛隊の任務、リスクを正しく評価したものにするなど、待遇を抜本的に改善するとともに、平成十五年に名目のみ導入された防衛出動手当の額を政令で直ちに定めるための法案を衆議院に提出しています。
 有事における自衛官の待遇が決まっていないことは重大な瑕疵であり、無論、自衛官の皆さんは、手当がどうであろうと、いざとなれば危険を顧みず身をもって責務を果たさんとされるでしょうが、それを逆手に取るかのような覚悟のただ乗りが許されるはずもありません。
 政府は、一体、いつになったら防衛出動手当の額を決めるのでしょうか。なぜ決めないのでしょうか。政府は、早急に、防衛出動手当の内容を明確に定めるとともに、自衛官の処遇、給与体系をその厳しい職務に見合ったものに抜本的に見直すことが不可欠だと考えますが、防衛大臣の所見を伺います。
 国家安全保障戦略で、政府は、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐための能動的サイバー防御の導入により、サイバー防衛能力を欧米主要国と同等以上に向上させると宣言しました。ところが、今もって進捗が見えてきません。国内法に縛られた自衛隊のサイバー防衛隊は、竹光の部隊であるとか、日米同盟の最大の弱点であるなどと指摘されています。
 河野国務大臣に伺います。
 政府はなおも、能動的サイバー防御を具現化するための法案の今国会提出について、検討中としていますが、なぜ遅れているのですか。いつまでに提出すると、期限を明確に示していただけませんか。
 圧倒的に不足しているサイバーに関するコア専門要員等を拡充するために、今回の法改正で、防衛省は、サイバーなどの分野で高度な専門知識や経験を持つ民間人材を好待遇で登用する、任期五年以内の任期付自衛官制度を新設するとされています。その方針には賛成しますが、問題は待遇です。特定任期付自衛官の給与の最高額は、一般職の特定任期付職員の扱いに準じて、事務次官クラスの約二千三百万円とされています。しかし、最近、ある防衛企業が初任給二千万円でサイバー人材を集めようとしたが、全く集まらなかったという現実があります。
 防衛大臣に伺います。
 国内外でホワイトハッカーなど高度な技術を持つ人材の争奪戦が激しく展開されている中で、民間よりはるかに見劣りする待遇で精鋭を相当数確保するには限界があると考えますが、どのように認識されていますか。この待遇で、来年度末までにどれだけの人数の特定任期付自衛官を採用する計画ですか。
 防衛省内からは、「議員は、一般職の国家公務員の最高の給与額より少なくない歳費を受ける。」とした国会法三十五条の壁があるという声が聞こえてきます。すなわち、国会議員は、事務次官や引く手あまたの高度なサイバー人材より多くの給料を受けなければならないと法で縛られているのです。国会議員が官僚、自衛官の皆さんより給料が高くて当然というのは、率直に言って、時代遅れも甚だしい規定だと断じざるを得ません。官僚や自衛官の給与が国会議員の歳費を上回れないために、人材を確保できず、我が国に必要な政策実行が担保できないとしたら大きな問題です。
 官房長官に伺います。
 国会法三十五条による規制が、政府が行う高度人材の採用の自由度を制約しているのではありませんか。サイバーやAI、量子、宇宙などはこれからの国家安全保障の中枢分野であり、支払う給与に国会法三十五条の制約があるから人材が確保できないとすれば、不合理ではないでしょうか。今回の防衛省設置法等の一部改正案に併せ、政治主導で国会法及び一般職の任期付職員の採用給与特例法を改正し、サイバー防衛の精鋭を一人でも多く確保するための環境を整えるべきではないですか。政治家、国会議員の一員として、逃げずに真正面からお答えください。
 国家防衛戦略で打ち出された方針に沿い、今回の法案では、今年度末に、陸海空の自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を創設するとしています。かねてから必要性が指摘されており、遅ればせながら常設の統合司令部が設置されることは評価します。
 ただし、一人の司令官が全ての部隊、全ての戦闘空間を一括して指揮統制するには、それを可能にするシステムを構築しなければなりません。この点について、米国は、国防総省の主導下で、統合全領域指揮統制、JADC2という、全戦闘を一元的にカバーする情報基盤システムの導入を進めています。
 統合作戦司令部を常設しても、陸海空各自衛隊のシステムを統合しない限り、機能を発揮する上で大きな課題が残るのではないでしょうか。米国に倣って、日本版JADC2の構築を急ぐべきではないでしょうか。それをいつまでにつくるという目標はあるのでしょうか。いずれも防衛大臣の所見を求めます。
 自衛隊での統合作戦司令部の創設に合わせ、来る十日の日米首脳会談では、自衛隊と米軍による指揮統制を連携させる方針で合意し、米政府が在日米軍の司令部機能を強化する方向である旨、複数の日本メディアが報じています。当然の流れであると考えますが、これに関連して防衛大臣に伺います。
 例えば、反撃能力の保有を決めた日本としては、敵のミサイル発射拠点などの目標特定には米軍の情報が欠かせず、自衛隊と米軍の相互運用性を高めることは喫緊の課題となっています。日米で共通認識を持ち、抑止力と実効性を担保するために、日米相互の役割、任務を定めた日米防衛協力指針、いわゆるガイドラインの改定が必要とも指摘されていますが、この点についてはどのようにお考えですか。
 今回の法改正で常設の統合司令部が設けられることにより、米軍との関係でも統合作戦や情報共有などの面でより緊密な連携が図られることになり、評価します。ただし、有事の際、あくまでも米軍と自衛隊は別々の司令官の下で、別々の指揮系統の下で運用されることになります。この点、米韓同盟では、在韓米軍司令官が米韓連合軍司令官を務め、戦時の作戦統制権は米軍が握り、指揮系統が一元されることになっています。NATOにおいても同様の仕組みが取られています。
 一般的には、単一の司令官の方が効率的で、自衛隊と在日米軍の関係のように指揮系統が二つに分かれる並列型は避けるべきとされているところ、米韓やNATOと同様、有事の際に自衛隊と在日米軍の指揮系統を一元化するために、いわゆる連合司令部を創設すべきとの意見がありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。また、仮に連合司令部を設置する場合、憲法九条との関係で課題となる点があるとお考えでしょうか。防衛大臣に伺います。
 近年、中国やロシアの艦艇が太平洋側を含む我が国沿岸地域を航行する事案が常態化し、対応の必要性に迫られています。今回の法改正で、政府は、海上自衛隊、地方隊の改編等により警備体制を強化するとしていますが、無論、それで万全とは言えません。第一線で対峙する海上保安庁と後方で控える自衛隊が、切れ間なく、機動的に連携できる体制が不可欠です。
 このため、我々が法案を提出したように、自衛隊法の改正により、自衛隊の情報収集や警戒監視活動を本来任務と位置づけた上で、限定的な武器使用を認めるとともに、海保法の改正で海保の任務に領海の警備を加えるべきだと考えますが、防衛大臣、国土交通大臣、それぞれに見解を求めます。
 次に、防衛装備移転についてお伺いいたします。
 本法改正には、イギリス、イタリアとの間で合意している次期戦闘機の共同開発、いわゆるGCAPを管理する国際機関、GIGOに派遣される防衛省職員の処遇に関する規定の整備が含まれています。
 国家安全保障戦略で、防衛装備品の移転については、日本にとって望ましい安全保障環境の創出の重要な手段と意義づけており、評価しますが、今般、政府は、国際共同開発の防衛装備品の第三国輸出について、今回のGCAPに限って認めるという腰の引けた措置を決めました。なぜこのような結果になったのでしょうか。また、今回の決定は、防衛装備移転を積極的に進めることを打ち出した国家安全保障戦略との間でそごがあるのではないでしょうか。これで日本にとって望ましい安全保障環境が創出できるとお考えでしょうか。防衛大臣に答弁を求めます。
 安保三文書では官民一体となって移転を進めるとされており、この問題に関する与党ワーキンググループの提言でも類型を撤廃すべきといった記載も見られたにもかかわらず、救難、輸送、掃海などの五類型に限る等の極めて制限的な指針はいまだ維持されています。
 例えば、防衛装備移転を活用し、東南アジアの民主主義国家などを覇権主義的な国家に対抗する抑止力向上の輪に加えられれば、日本の安全保障環境の改善にも大きく寄与します。紛争を助長するおそれがあるから武器輸出を認めないというこれまでの思考停止した偏狭な発想ではなく、広い視野に立って、防衛装備品の輸出をオプションの一つとして持つことは、積極的平和主義、現実的平和主義に資すると考えるのが論理的、合理的な答えではないでしょうか。それゆえ、安保三文書でも防衛装備移転を進めると決めたのではないでしょうか。
 五類型など、過度な規制となっている現状の防衛装備移転の指針は、類型を撤廃し、原則、移転を認めた上で、個別の厳格審査で判断するよう改定すべきではないですか。防衛大臣にお伺いします。
 今般の防衛装備移転をめぐる事のてんまつを見るに、政府・与党は、あろうことか、国民の生命、身体、財産の安全をいかに守るかという論理的、合理的議論ではなく、連立与党双方の政治事情、党利党略によって結論を出したと断じざるを得ません。
 国民の命に直結する安全保障問題が政局の具とされる現状を断固として改革すべく、我々日本維新の会は、先月、藤田幹事長を会長に、防衛部会長の私を事務局長とする日本維新の会安全保障改革調査会を立ち上げ、より現実に即し、国益にかなった安全保障政策を果敢に打ち出していくべく始動しました。統一会派を組む教育無償化を実現する会とともに、防衛力の抜本的強化と表裏一体の関係にある憲法改正と併せ、あるべき安全保障政策を強力に推し進めていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣木原稔君登壇〕

発言情報

speech_id: 121305254X01720240404_012

発言者: 岩谷良平

speaker_id: 33412

日付: 2024-04-04

院: 衆議院

会議名: 本会議