荒井優の発言 (本会議)

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○荒井優君 立憲民主党の荒井優です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。(拍手)
 台湾ジャーヨー。
 四月三日の朝に、台湾で地震が起きました。四月五日午前九時時点では、十名がお亡くなりになり、一千百六名がけがをされ、行方不明の方が十八名と報道されています。お亡くなりになった方へのお悔やみと被災された方へのお見舞い、そして、少しでも早く救出が進むようお祈り申し上げます。
 台湾の皆さんは、十三年前の東日本大震災のときには二百五十億円もの義援金を送ってくださいました。また、今年の能登半島地震のときには、二週間で二十五億円以上の義援金を送ってもくださいました。私たちは、このことを忘れません。日本政府としても最大限の支援を行う必要があると考えます。
 本法案は、中小企業者と大企業者の分類に、新たに中堅企業者を設け、競争力の引上げを支援するものです。しかし、どのような規模の企業であれ、責任者は、不祥事を起こさないマネジメントができることが大前提であり、また、残念ながら不祥事が起きた際には、速やかに適切に対応し、信頼回復に向けて最大限のことを行う、これが責任者としての必要十分条件だと考えますが、所管の齋藤経済産業大臣のお考えはいかがでしょうか。
 昨年は不祥事がたくさんありました。民間企業は、不祥事発覚後に、客観性のある第三者委員会による調査を行い、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにやったのかを明らかにし、被害者や顧客、株主、従業員に責任者が謝罪をし、最終的には責任者が辞任をしています。
 政治にも不祥事がありました。自民党は、八十名以上の所属議員がキックバックを受け取り、裏金、脱税の疑いも指摘されるなど、信頼を失っているにもかかわらず、お手盛りの内部調査しか行いません。本日に至っても、その裏金を何に使ったのか、誰がキックバックを復活させたのかという肝腎要のところを国民には説明していません。
 昨日、八十二名の自民党所属の裏金議員のうち、不記載額五百万円以上の三十九名だけが処分されました。なぜ五百万円以上なのか。処分の差は何なのか。なぜ、引退を表明した二階元幹事長は処分に及ばないのか。なぜ、会計責任者が立件された宏池会の会長である岸田総理は処分されないのか。しかし、一番問題なのは、なぜ、これら全ての責任者である岸田自民党総裁は自ら責任を取ろうとしないのか、このことではありませんか。民間企業で責任者がこのような態度だと、企業は潰れるのではないでしょうか。
 内向きの進め方がかえって物事の収拾をつかなくさせていると、はたからは見えます。今更ですが、自民党は初動から対応を間違えていました。日弁連のガイドラインに基づいた第三者委員会の設置をするべきでした。調査結果を隠すことなく公表し、公明正大に処分することが必要でした。今、岸田総理に問われているのは、聞く力ではなく、危機管理能力です。
 二〇〇〇年七月、九州・沖縄サミットが行われたときには、日本の一人当たりGDPはG7参加国で最高の三万九千百七十三ドルでした。当時の日本は、G7で最も豊かな国と言えます。一方、G7広島サミットが行われた二〇二三年は、日本の一人当たりGDPは三万五千三百八十五ドル。二十三年前の〇・九倍です。一方、日本以外のG7諸国はほぼ二倍になりました。現在は、ドルベースの一人当たりGDPがG7で一番少ない国となってしまったのです。
 一橋大学の伊丹敬之名誉教授は、二〇〇一年、小泉内閣のときに、竹中平蔵氏らが提唱したコーポレートガバナンス改革により株主最優先の経営を行った結果、人件費抑制、設備投資抑制に至り、景気低迷を招いたとしています。
 そこで、齋藤大臣に伺います。
 日本の再生には、株主への過度な傾斜を見直し、職員、顧客、地域など、人材と人的ネットワークを大切にする人本主義の経営こそ必要だと考えますが、大臣の見解を伺います。
 政府は、昨今の経済状況について、賃上げや民間企業の設備投資が拡大している状況を、潮目の変化が生じていると表現しています。しかし、毎月勤労統計調査では、二〇二三年は、名目賃金はプラス一・二%でも、物価上昇率はプラス三・八%、実質賃金はマイナス二・五%です。バブル期を超える株価になっていても、生活実感の厳しさを訴える声は増えています。
 こうした国民の実感の中で、潮目の変化と政府が捉えている現在の経済環境はどのようなものか、ひいては国民の生活の充実にどのようにつなげようとしているのか、今回の法案提出の背景について御説明ください。
 二〇二二年に政府が策定したスタートアップ五か年計画では、二〇二七年度に投資額を十兆円規模とし、将来においては、ユニコーンと呼ばれる、設立十年以内で企業評価額が十億ドル以上の非上場テクノロジー企業を百社創出するとしました。
 現状を見ると、二〇二三年のスタートアップ投資額は約七千五百億円にとどまり、ユニコーンも数社が存在するのみです。この現状を政府としてはどのように評価し、今回の改正案が目標にどの程度貢献すると見込んでいるでしょうか。齋藤大臣にお聞きします。
 愛知県が百四十三億円の予算をかけてつくる日本最大のスタートアップ支援拠点、STATION Aiが今年の十月に開業しますが、既に、愛知県の誇る物づくりの会社も多数参画し、スタートアップ企業の若者たちと様々な新しい取組が始まっていました。
 本法案でのスタートアップ企業関連措置ではファイナンスに注力されていますが、現場では、人材の獲得やマネジメントの確立が課題になっています。その意味でも、起業家や投資家、ビジネスマン、学生や子供たち、地域の方々が集まり、交流でき、学び合うことができる、このようなスタートアップ支援拠点を全国に展開することも重要だと思いますが、齋藤大臣の所見を伺います。
 本法案では、従業員二千人以下で中小企業に該当しない企業を中堅企業者とし、特に、賃金水準が高く、国内投資に積極的な中堅企業を特定中堅企業者と定め、制度や税制の支援を受けられるようにします。新たに中堅企業者、特定中堅企業者と定義し支援することによって、どのような政策効果を導こうとしているのか、齋藤大臣の認識をお伺いいたします。
 中小企業は、全国で三百三十六万社、全企業の九九%以上を占め、全雇用者数の約七割が働いています。私たち立憲民主党は、地域の雇用を支える視点から、中小企業が正規雇用を維持拡大するために必要な施策を実施することが必要と考えます。新たに正規労働者を雇用した中小企業に対し、長期にわたり社会保険料の事業主負担の一定部分を助成することにより、中小企業の新規人材の獲得及び事業の充実と活性化が図られるよう、施策を講ずるべきではないでしょうか。齋藤大臣の御意見をお聞きします。
 本法案では、電気自動車等、グリーンスチール、グリーンケミカル、持続可能な航空燃料であるSAF、半導体を産業競争力基盤強化商品と定め、生産、販売量に応じて税額控除をします。
 しかし、昨年十二月にGX実行会議で策定された分野投資戦略では、この五分野以外に、蓄電池や次世代太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力も対象としていましたが、今回の法案では対象になっていません。なぜ、これらの次世代型再エネ技術を使った技術を対象から外したのか、その理由について、齋藤大臣、お聞かせください。また、今後対象を加えていく可能性があるのかも、併せてお伺いいたします。
 また、本法案では、事業計画認定後、十年間の税額控除が認められます。ただ、税制の対象となる商品には、生産設備を導入して本格的な製品の生産、販売を開始するまでに相当の期間を要するものもあります。事業計画認定から十年間という期間設定が妥当なのか、齋藤大臣にお聞きします。
 これまでは、政府が特定の企業に対し大規模な支援をする場合は、補助金を活用してきました。補助金は一年ごとに機動的に対応できますが、税制では機動的な対応が難しく、十年となると産業構造の変化に適切な対応ができなくなるのではないでしょうか。それにもかかわらず、補助金ではなく、十年の税額控除に踏み切った意図を齋藤大臣にお尋ねします。
 本法案を含めて、今の日本の経済対策は、多額の補助金や税制優遇を特定の企業に与えることが少なくありません。その一方で、自民党や派閥、政治家個人に対する、企業による多額の献金やパーティー券購入が見受けられます。
 例えば、ガソリン補助金。既に税金六兆円が補助金として石油元売各社に支払われていますが、その一方で、石油連盟は毎年五千万円を自民党に献金していると報道されています。昭和の時代から続いてきた政党への献金と企業への補助金は、国民からは癒着や裏金の温床の疑念を抱かせかねません。だからこそ、立憲民主党は、石油元売会社を経由せずに直接にガソリン価格を引き下げることができるトリガー条項の凍結解除を訴えてきました。
 自民党の裏金問題が発覚した今こそ、昭和型政治経済システムと決別し、真っ当な令和型経済システムを構築することが求められます。
 今、日本には喫緊の課題がたくさんありますが、組織の危機管理能力が乏しい自民党が政権与党として国家を運営していることこそが、一番の危機ではないでしょうか。潮目の変化が生じているとは、政権交代の潮目ではないでしょうか。
 私たち立憲民主党は、政権運営能力をしっかり磨き、国民の皆様の負託に応えてまいります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣齋藤健君登壇〕

発言情報

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発言者: 荒井優

speaker_id: 5203

日付: 2024-04-05

院: 衆議院

会議名: 本会議