赤木正幸の発言 (本会議)
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○赤木正幸君 日本維新の会の赤木正幸です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、政府の子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論をいたします。(拍手)
昨年、我が国で生まれた子供の数は七十五万人、過去最少を更新いたしました。一方、死亡者数は百五十八万人であり、人口の自然減少は八十三万人、毎年一つの都道府県がなくなるほどの人口減少がいよいよ加速し始め、既にどの業界でも人手不足がしきりに騒がれています。
このような状況において、人口問題に正面から向き合い、少子化に終止符を打つべく、加速化プランを始めとする本改正法案を作成したこと自体は敬意を表するものであり、若者が結婚、出産、育児に前向きになれるのではないかと大変期待をいたしました。
しかし、提示された具体策は非常に物足りない内容でありました。特に、財源確保のための子ども・子育て支援金制度は、大臣の説明のたびに数値が変わり、誰も正しく制度を理解していないのではないかとしか思えません。欠点だらけの制度であるにもかかわらず、強引に可決し、国民からこっそりと財源を徴収せしめんとする不誠実な姿を断じて見過ごすことはできません。
子ども・子育て支援金制度には、大きく三つの問題がございます。
第一の問題は、社会保険料の目的外利用であるという点であります。
二〇〇八年、後期高齢者制度が始まる際、誰しもが高齢者となりサービスを享受し得るという理由で、現役世代から高齢者への支援金が創設されました。今回も、同じような連帯の観点から、高齢者を含む全世代から子供への支援金制度が創設されますが、高齢者が再び子供になることはないのですから、同じ理屈で制度を拡張することには無理があると断じざるを得ません。委員会では、子供が増えれば将来的に税収が上がることをもって被保険者の受益となるとの説明もありましたが、そのような理屈で社会保険料を徴収できるのであれば、今後、どのような名目にも社会保険料の使途を拡大できることになります。
第二の問題点は、社会保険料を財源とすること自体が少子化対策に反するというものです。
社会保険料に上乗せする政府・与党案について、社会保険料は一定収入で負担が頭打ちになるため逆進性が強く、現役世代の中間所得層に特に重く負担がかかることは、委員会で再三御指摘したとおりであります。結婚、出産に臨むべき世代の可処分所得を圧迫することは、少子化を反転させるどころか、少子化を加速しかねません。
もちろん、政府が、その社会保険料について、所得だけでなく資産も含めた応能負担を検討していることは承知していますが、検討ばかりで一歩も前に進んでいません。真の応能負担に必要不可欠な預貯金口座へのマイナンバー付番についても、全く議論が進んでいません。岸田総理も、社会保険制度の持続可能性の観点から、全ての国民がその能力に応じて負担し支え合う全世代型社会保障の構築が重要であると繰り返しおっしゃっていますが、口で言うばかりで、そのためのリーダーシップは全く発揮されておりません。
第三の問題点は、増税ならぬ増保険料ばかりを急ぎ、少子化傾向の反転に向けた総理の覚悟が見えないことであります。
国民一人一人の結婚や出産に係る人生の選択が自由であることは当然ですが、その上で、国としての長期的な人口ビジョンなくして加速化プランの実質的な成功はないと私たちは考えております。政府の目標は、結婚、妊娠、子供、子育てに温かい社会の実現に向かっていると思う人の割合を現状の二七・八%から引き上げようといったものにとどまっています。
他方、どのようなエビデンスに基づいて積み上げられたのか全く分からない三・六兆円という予算の金額のみが先行し、そのための増税ならぬ増保険料だけが具体的に決まっていくというのは、本末転倒ではないでしょうか。そもそも、少子化対策に明確な正解はなく、世界の国々が試行錯誤、トライ・アンド・エラーを続けているのが現状です。そうした中で、恒久的な財源を確保するための支援金制度の構築を急ぐことに合理性はなく、国民の皆様の御理解を得ることもできません。
こうした観点から、私たちは、子供支援に関する施策の負担と給付について抜本的に見直しを行い、この見直しが行われる間の財源について、三つの財源を代替案とした修正法案を提出いたしました。一つ、国会議員の定数の削減を始めとする行政改革による支出の削減等、歳出の削減を図ること。二つ、国の不要な資産の売却等によって歳入を増やすこと。三つ、その他の足りない部分には特例公債の発行をすること。
我々国会議員が先頭に立って身を切る改革を実践し、財源を見出す覚悟を示す必要があります。私たちにはその覚悟がございます。二〇二八年までに、我々国会議員が覚悟を示した議論をしっかりと行い、国民の皆様の十分な御理解を得られる恒久的な措置を検討していこうではありませんか。
今回、政府・与党が数の力でこうした問題の多い制度を規定した法案を仮に可決するとしても、私たちは、来るべき選挙でしっかり力をつけて、近い将来、必ず支援金制度を廃止に追い込むことを国民の皆様にお誓いして、反対討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)