田村貴昭の発言 (本会議)

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○田村貴昭君 私は、日本共産党を代表して、食料・農業・農村基本法改正案に反対の討論を行います。(拍手)
 今回の基本法の見直しは、世界的な食料危機が進行する下で、先進諸国で最低に落ち込んだ日本の食料自給率を向上させ、崩壊の危機が広がる農業と農村に希望をもたらす改正にしなければなりませんでした。ところが、本改正案は、現行法で第一の目標としてきた食料自給率の向上を、食料安全保障の動向に関する事項などと変更し、農政の最重要課題を投げ捨ててしまったのであります。
 一九六五年に七三%だった日本の食料自給率は、今や三八%に落ち込んでいます。その原因が輸入自由化にあったことは明白です。歴代自民党政権は、麦、飼料、大豆など、アメリカの余剰農産物を進んで受け入れ、その後も、牛肉、オレンジの自由化、WTO農業協定、TPP、日欧EPA、日米FTAなど、次々に輸入自由化を行い、その度に安い農産物が大量に流入してきました。
 ところが、度重なる輸入自由化を反省するどころか、法案では、安定的な輸入の確保を明記し、輸入に依存することを正面から認めています。それどころか、輸入相手国の多様化、相手国への投資まで盛り込み、輸入の拡大を正当化しています。到底認められません。
 政府は、米の需要が減退していると言いながら、義務でもないのに、米需要の一割を超える七十七万トンものミニマムアクセス米を輸入し、累積六千三百五十一億円もの税金を投入しました。その半分はアメリカ産米です。農家に希望を失わせる異常な輸入依存と、卑屈なまでの米国追従をやめるべきです。
 現行基本法は、旧基本法にあった農家の生活水準の維持や農業の自然的、経済的、社会的制約による不利を補正との文言を削り、農業を市場原理主義と新自由主義政策に委ねることとしました。その結果、この二十五年で農業従事者は半減し、五十三万ヘクタールの農地が失われました。今や、中山間地の水田が次々と耕作放棄地となり、畜産、酪農農家は過去最悪のペースで離農しています。農村から学校がなくなり、商店がなくなり、ATMやガソリンスタンドもなくなって、生活の基盤が失われようとしています。
 それなのに、法案では、農業者の減少を前提に、対策を諦めています。疲弊する農村に対しては、共同活動を支援することしかない無策ぶりです。担い手の規定も相変わらず、効率的、安定的な農業を営む者、専ら農業を営む者だけを支援の対象とし、定年帰農や半農半X、自給的農家、消費者グループなどによる小規模で多様な農業はそれ以外と、政策の軸に据えていません。
 農家を苦しめている肥料、飼料などのコスト高に対しては、価格転嫁を唯一の方法としているだけです。しかし、実質賃金が低下し続け、低価格農産物の大量輸入をし続けて、再生産可能な販売価格が実現できる保証はありません。農業従事者の倒産は、過去最多を更新しています。農業予算を抜本的に増やし、価格保障、所得補償を行うべきです。
 国内農業の生産基盤を維持する方策は、輸出の拡大とスマート農業だけです。輸出といっても、加工食品が半分以上を占め、輸入原材料を使えば、国内農業の助けにはなりません。
 環境への負荷の低減は盛り込んだものの、最重要課題である温室効果ガス、CO2削減の文言もなく、自然の生態系に依拠した農業の実現が政策の中心に据えられていません。さらに、有機農業の推進については全く規定がなく、食の安全を徹底する姿勢も入っていません。
 以上、本法案は、食料と農業の危機を打開するにはほど遠いものと言わざるを得ません。政府がやるべきことは、食料自給率の向上を国政の柱に据え、際限のない輸入自由化路線を転換し、規模の大小を問わず、農家の経営を全力で支えることです。
 そのことを強く求め、反対討論とします。(拍手)

発言情報

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発言者: 田村貴昭

speaker_id: 6784

日付: 2024-04-19

院: 衆議院

会議名: 本会議