加藤鮎子の発言 (本会議)
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○国務大臣(加藤鮎子君) 浦野靖人議員の御質問にお答えいたします。
子供の安全についてお尋ねがありました。
子供の安全を守るためには、これを第一とし、社会全体で子供への性暴力防止に向けた対策を進めていくことが最も重要であると認識をしております。
このため、本法案を起点とし、こども家庭庁が中心となり、総合的な対策を進め、社会全体として、子供たちを性暴力から守る社会的意識を高めてまいります。
また、本法案においても、事業者が子供に対する性暴力を防止する責務を有することを明確化するとともに、その責務を果たすために実効的な措置を制度化しています。さらに、国が必要な情報の提供や制度の整備等の施策を実施する責務を定めているところであり、このような本法案の考え方を起点に、社会全体の中で、各主体がそれぞれの役割を果たし、子供の安全を守る取組を進めていく必要があると考えます。
保育資格登録取消し者データベースとの確認プロセスの一本化等についてお尋ねがありました。
本法案における犯歴の確認については、事業者が国に対し申請を行った上で、国が確認を行うこととしています。また、該当犯歴ありの場合、この事実そのものに基づいて、該当者を対象業務に従事させない等の措置を講ずることが求められます。
一方、保育資格登録取消し者データベースにおける確認は、事業者自身がデータベースを検索し、即時に結果を入手できます。また、行政処分歴ありという結果であった場合には、事業者が、その情報を端緒に、面接や他の資料等も踏まえて採用、不採用等の判断を行うものであり、本法案に基づく犯歴確認とは情報を得る手続及び情報の取扱いが異なります。
このため、これらの確認について、一つの照会で完了したこととするには制度的及び技術的課題がありますが、事業者にとっての利便性等の観点から、よく現場の意見を聞いて検討してまいります。
不起訴処分等への対応についてお尋ねがありました。
本法案において、確認対象となる性犯罪歴を有するということは、その者が対象業務に従事することを事実上制限することになるため、その根拠は正確な事実でなければなりません。このため、厳格な手続に基づき裁判所が事実認定をした前科を確認の対象としています。
一方で、検察官による不起訴処分は、公正な裁判所の事実認定を経ていないことなどから対象としていません。
また、行政処分や民間の解雇処分については、その基準や理由が主体ごとに異なることから、仮にこれを対象に含めることとする場合、司法手続に準じた適正な手続保障がなされる必要があります。一方、その検討、構築には更なる時間を要するため、まずは、本法律案において確認の対象とする性犯罪歴を前科とする制度の構築を目指すこととしています。
犯罪事実確認の実施時期及び実施主体についてお尋ねがありました。
本法律案に関し、プライバシー情報を扱う犯罪事実確認がむやみに行われることのないよう、犯罪事実確認を行うに当たっては、その申請があった者について、実際に対象業務に従事予定の者であるかが相当程度明らかである必要があると考えており、一般的にこれらが明らかになる採用内定以降に犯罪事実確認を行うこととする運用を考えています。
また、本法律案において、従事者による性暴力等を防止する責務は、派遣等の形態にかかわらず、教育、保育の場を提供している事業者にあるとの考え方の下、派遣労働者の犯罪事実確認についても、実際に教育、保育等を提供する事業者が実施することとしています。
性暴力等防止義務の対象事業者の考え方についてお尋ねがありました。
本法案では、児童等に対して教育、保育等を提供する事業者のうち、法律に基づき、特に公的関与の高い認可、認定、指定等を受けて学校や保育所等を設置、運営する学校設置者等について、児童等への性暴力等の発生防止等の措置を講じることを義務づけることとしています。
その理由は、これらの事業者の性質上、当然に児童等の性被害防止のための措置を取る責任を有すること、問題が生じた場合の監督等の仕組みが既に整っており、児童対象性暴力等の防止措置の適切な実施や性犯罪歴に関する情報の適正管理について、実効的に担保することができるからです。
一方、学校設置者等以外の民間教育保育等事業者については、必ずしもそうした状況にないことから、学校設置者等が講ずべき措置と同等の措置が取れる体制の確保について個別に認定する仕組みを設けることで、できるだけ広く対象に含められるようにしたものです。
犯歴確認の対象についてお尋ねがありました。
本法律案においては、子供に対する教育、保育等を提供する事業者が児童を対象とした性暴力等を防止する責務に着目し、従事者の性犯罪歴の確認その他の措置をこれらの事業者に対し義務づけることとしています。
なお、御指摘のような部活動の指導者、習い事の先生などについても、学校や民間教育事業における対象業務の従事者として、本法律案による確認の対象になり得ると考えております。
対象業務の範囲の詳細については、実態を踏まえ、適切に対象に含められるよう、関係省庁と協議しつつ、施行までに検討していくこととしています。
犯歴確認の対象期間の合理性についてお尋ねがありました。
諸外国における性犯罪歴の確認期間等については、本法案に規定する二十年という期間よりも長い国もあれば短い国もあるなど、様々であると承知をしています。
また、本法案において性犯罪前科の有無を確認させる理由は、性犯罪前科を有する者が同種の性犯罪の再犯に及ぶ可能性が、そのような前科を有しない者に比べて高いという再犯リスクに基づくものです。
憲法上の制約がある中で、同種の性犯罪の再犯があった者について、直前の前科の判決確定から今回の判決確定までの期間についての実証データに照らし、再犯の蓋然性が高い期間を犯歴確認の対象期間として設定しております。
犯罪事実確認書の仕組みの在り方についてお尋ねがありました。
イギリスでは、複数の犯歴確認の仕組みがあり、確認が義務づけられている子供関連事業においては、事業者が証明書交付の申請主体となっています。
我が国の最高裁判例においては、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有するとされており、本法案で、犯罪事実確認書は、対象事業者が犯罪事実の確認及びその結果を踏まえて児童対象性暴力等防止措置を実施するために必要な限度で交付する仕組みとしています。
仮に従事者本人が自らの犯罪事実確認書の交付を申請できることとすると、対象事業とは無関係の業種への就職時に犯罪事実確認書の提出を求められ、前科の有無が明らかになるおそれ等があるため、事業者を申請主体とすることが適切と考えております。
犯罪事実確認書の管理についてお尋ねがありました。
犯罪事実確認書については、仮に従事者本人が取得できるとした上で、当該本人に対して無関係の第三者が提供を働きかけることについて禁止する罰則を設けたとしても、制度外で働きかけて犯歴情報を取得した場合に、そのように取得した者を特定、捕捉することは困難であるといった課題があると考えます。
また、御指摘の英国のOFSTEDについては、英国と我が国では個人情報の考えが異なること、英国のOFSTEDは、犯歴がないことのみならず、施設の広さなどのサービスの質に係る様々な条件について満たすことを登録できる仕組みであること、OFSTEDの職員体制は数千人規模であることなどを踏まえれば、同様の仕組みを我が国において設けることには課題があるものと考えております。
子供と特定性犯罪の加害者の権利のバランスについてお尋ねがありました。
まず、本法律案においては、子供に対する性暴力の防止等を目的とするため、子供の権利を第一に考えています。
そうした前提の下でも、まず、犯歴確認の対象とする期間については、本法律案に基づく犯歴確認の仕組みが憲法上の職業選択の自由を制約することから、子供の安全を確保するという目的に照らして許容される範囲とする必要があります。
このため、再犯に至った者の実証データに照らし、再犯の蓋然性が高い期間を犯歴確認の対象期間として設定しているものです。
また、本法律案では、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業者を対象としていますが、これは、これらの事業者に関して、被用者が児童等を指導するなどし、支配的、優越的立場に立つ等の性質を有しており、児童等に対する性暴力等の発生に特別の注意を払うことが求められることを踏まえているものです。
犯罪事実確認の実施状況の監督についてお尋ねがありました。
犯罪事実確認の実施状況等については、性犯罪歴に係る情報の管理状況と併せて、定期的にこども家庭庁に報告させるとともに、疑義があれば報告徴収、立入検査等を行うこととしています。
これらにより違反が判明した場合には、学校設置者等の場合は、内閣総理大臣による公表を行うほか、児童福祉法に基づく措置の対象となり得ること、認定事業者の場合は、認定の取消し及びその旨の公表を行うこととすることで、適切な犯罪事実確認の実施を担保することとしております。
なお、対象事業者はかなりの規模になるため、定期報告の基本的な確認や事業所に対する任意の実地検査などの監督補助事務については業務委託等を行い、こども家庭庁としては、義務違反等の懸念が生じた場合の報告徴収や立入検査に注力するといった役割分担も含めて、効率的かつ適切な執行体制になるよう検討してまいります。(拍手)
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