鎌田さゆりの発言 (本会議)

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○鎌田さゆり君 立憲民主党・無所属の鎌田さゆりです。
 私は、会派を代表し、立憲民主党提出の外国人一般労働者雇用制度の整備の推進に関する法律案、通称外国人労働者安心就労法案に賛成、政府提出の出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案、及び、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。(拍手)
 これまで、技能実習制度は、どう見ても安価な単純労働力の確保のためにもかかわらず、その目的を開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進するためと強弁し、技能実習生を労働者ではなく実習生であるとし、原則、転籍の自由を認めない中で、全てとは言いませんが、賃金が低く、劣悪な労働条件で働かせる事例が横行していました。
 そこで、私たち立憲民主党は、これまで三年もの間、外国人技能実習生や支援団体の皆さんの声を聞き、議論を重ね、政府案よりも、日本が外国人の方々に選ばれる国となり、多くの方々に来日していただき、より長期間、安心して就労、定住することができ、経済界のみならず、農業、漁業の現場からも喜ばれる外国人労働者安心就労法案を今国会に提出し、政府案との違いを法務委員会でも明らかにしてまいりました。今の日本の経済力を維持するためには、一千万人以上の外国人に共に日本社会を支えてもらう必要があり、日本が生き延びるために必須の条件なんです。
 外国人労働者安心就労法案は、人材不足の産業分野や地域の活力向上と多文化共生への寄与、日本で就労する外国人の人権尊重、職業生活の確保と希望に応じた職業能力の開発、この二つを基本理念として、柔軟な転籍や三年目から家族帯同を可能とする人権への配慮などを明記し、家族帯同を八年間認めない政府案とは大きく異なります。
 また、雇用主の要件を厳格化するとともに、日本政府が悪質ブローカーの排除などを適切に行うことが担保されている国のみとMOCを交わすことや、外国人労働者の求人等の業務を公的機関が一元的に行うことによって、優良な就労先を選定して、日本人と同等の賃金などの待遇を確保するとともに、外国人労働者の来日前後の負担を軽減する内容となっています。日本で働きたいと選んでくれた外国人の方々に、日本を好きになって魅力を感じて長く働き、政府案よりも地域定住、就労定着してもらえる法案になっているんです。
 一方、政府案は、制度設計自体、従前の技能実習制度の多くを踏襲し、技能実習が育成就労、技能実習生が育成就労外国人、実習実施者が育成就労実施者、監理団体が監理支援機関、外国人技能実習機構が外国人育成就労機構と名前が変わっただけで、国際的にも批判されている技能実習制度の看板のかけ替えにすぎないと言わざるを得ない内容です。
 特に問題なのは、故意に公租公課の支払いをしない場合等に永住者の在留資格を取り消す条項です。
 有識者会議での議論がないのみならず、そもそも、永住外国人が日本人と比べて故意に公租公課の支払いをしない割合が高いという立法事実がないことは、委員会質疑でも明らかになりました。法務大臣も入管庁も、永住権が取り消されるのは悪質なケースだけと答弁で繰り返していますが、国税庁の答弁によれば、税の滞納の場合は、国籍の違いに関係なく、督促を出し、財産調査や差押えを行い、悪質性の高い者には刑事罰が科せられ、外国人の場合は、一年を超える懲役を受ければ退去強制の対象となるんです。既に現行法で公正に対応できるし、対応しているのではないでしょうか。
 にもかかわらず、永住外国人にだけ、永住資格の喪失という、その生活の基盤の根幹を失わせる極めて重い罰則を科すこととなるこの条項は、極めて差別的で、人権侵害のおそれがある不当なものだと言わざるを得ません。自治体も対応に苦慮するのは明らかです。
 さらに、政府案は、季節性のある分野を対象として、派遣労働を認める内容となっています。しかし、派遣という労働形態自体が、低賃金など多くの問題を抱えています。外国人労働者が、事業者側の都合により、十分な補償もないまま、一方的に雇用が打ち切られる可能性があるなど、育成就労外国人の立場が不当に不安定なものとなり、労働条件が悪化する懸念を拭えません。このことから、派遣形態での育成就労には反対をいたします。
 海外から一時的に働きに来てもらう単なる労働力扱いのままで、どこが抜本改革なのでしょうか。低賃金や不安定な労働環境が失踪や人権侵害につながってきたことは、政府は学んでいるのでしょうか。
 私たち会派は、法案審議と並行して、立憲案に基づいた九つの修正項目を示して、修正協議を呼びかけてきました。その結果、自由民主党・無所属の会、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会、立憲民主党・無所属の四会派で、附則において、永住外国人の永住資格を喪失させる規定の適用に当たっては、従前の支払い状況、現在の生活状況そのほか、その者の置かれている状況に十分に配慮するなど、幾つか修正合意し、附帯決議の内容も含めて、一定の成果がありました。真摯な姿勢で協議に応じていただき、一定の前進があったことに敬意を表します。
 しかしながら、修正部分を除く政府案は、来日前の高額な初期費用や監理費の負担、家族帯同の長期制限、悪質ブローカーの介在や、先ほど申し上げた問題点など、根本解決に至らない点が色濃く残り、多文化共生社会の実現、共に暮らし、働いていきましょうという意思が見えません。
 以上のことから、政府案よりも私ども立憲案の方が、外国人の方々に選ばれる国となり、多くの方々に来日していただき、より長期間、安心して就労、定住することができる、経済界のみならず、農業、漁業の現場からも喜ばれる内容であることは明白であり、政府案には反対をいたします。
 また、在留カード等とマイナンバーカードの一体化に関する入管法等改正案についても、その立法趣旨に疑問があるだけではなく、プライバシー保護の観点から疑念が残るものと言わざるを得ず、反対をいたします。
 以上、私の討論といたします。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 鎌田さゆり

speaker_id: 11528

日付: 2024-05-21

院: 衆議院

会議名: 本会議