木原稔の発言 (外交防衛委員会)
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○国務大臣(木原稔君) 防衛大臣の木原稔です。小野田委員長を始め、理事及び委員の皆様に防衛大臣としての所信を申し上げます。
まず、元日に発生した令和六年能登半島地震について、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
防衛省・自衛隊としては、発災直後から、人命第一の方針の下、人命救助に全力で取り組むとともに、孤立集落への物資輸送を始めとする各種支援や、被災者の方々のニーズを踏まえた様々な取組などを行ってきたところです。
引き続き、被災者の方々に寄り添った活動を全力で実施してまいります。
国際社会は戦後最大の試練のときを迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入していると認識しており、我が国を取り巻く安全保障環境も戦後最も厳しく複雑なものとなっています。
中国は、国防費の急速な増加を背景に軍事力を増強させており、こうした軍事力を背景に、我が国周辺全体での活動を活発化させるとともに、台湾に対する軍事的圧力を高め、南シナ海での軍事拠点化等を推し進めています。
特に、尖閣諸島周辺海域では中国海軍艦艇が活動を活発化させており、そうした状況の下、中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入を繰り返しています。
北朝鮮は、体制を維持するため、大量破壊兵器や弾道ミサイル等の増強に集中的に取り組んでおり、技術的には我が国を射程に収める弾道ミサイルに核兵器を搭載し、我が国を攻撃する能力を既に保有しているものと見られます。
特に、弾道ミサイルについては、その発射の態様を多様化させるなど、関連技術、運用能力を急速に向上させています。低空を変則的な軌道で飛翔する弾道ミサイルの実用化を追求するほか、新型ICBM級弾道ミサイルの発射も繰り返し強行しています。さらには、巡航ミサイルに核兵器を搭載して攻撃を行う能力の獲得も追求していると見られます。
ロシアは、ウクライナ侵略を継続するとともに、我が国周辺においても北方領土を含む極東地域において、新型装備の配備や大規模な軍事演習の実施等、活発な軍事活動を継続しています。さらに、近年は、中国とともに艦艇の共同航行や爆撃機の共同飛行を実施するなど、軍事面での連携を強化しています。
このように、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らし、そして我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画に基づき、次の施策を特に推進していく考えです。
まず、防衛力の抜本的強化の着実な実現です。
スタンドオフ防衛能力や統合防空ミサイル防衛能力といった将来の中核となる能力の強化に優先的に取り組む必要があり、トマホークや地上発射型の一二式地対艦誘導弾能力向上型といった各種スタンドオフミサイルの配備を前倒しすることとしています。イージスシステム搭載艦についても、高度化する弾道ミサイル等の脅威から我が国を防護するため、早急に建造に着手する予定です。
また、持続性、強靱性の強化も重要な課題であり、装備品の可動数向上や弾薬、誘導弾の十分な確保、防衛施設の強靱化への集中投資を進めてまいります。
こうした各種事業、各事業を的確に執行していくため、徹底した進捗管理や経費の精査に努めるとともに、まとめ買いや長期契約等による装備品の効率的な取得を一層推進します。
次に、同盟国、同志国等との連携です。
今や、どの国も一国では自国の安全を守ることはできません。既存の国際秩序への挑戦が続く中、我が国は普遍的価値と戦略的利益等を共有する同盟国、同志国等との協力、連携を深めていくことが不可欠になっています。
米国との同盟関係は我が国の安全保障政策の基軸であり、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた具体的な取組を着実に進めてまいります。
また、普天間飛行場の辺野古移設を含む在日米軍再編を進める中で、抑止力の強化を図りながら、沖縄を始めとする地元の負担軽減にも引き続き取り組みます。
同時に、地域の平和と安定のためには同志国等との連携を強化することが重要であり、自由で開かれたインド太平洋の実現に資する取組を進めてまいります。
そのために、地域の特性や各国の事情を考慮した上で、共同訓練や防衛装備、技術協力を始めとする多角的、多層的な防衛協力、交流を積極的に推進します。
次に、次期戦闘機の共同開発は、防衛力の中核である戦闘機の能力を強化し、今後数十年にわたる世界の安全、安定及び繁栄の礎となるものです。昨年十二月の日英伊防衛相会合に際し、政府間機関設立に関する条約に署名したところであり、日英伊三か国で一層緊密に連携しながら進めていく考えです。
その上で、我が国の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現すべく、第三国への直接移転を行い得る仕組みを持ち、英伊と同等に貢献し得る立場を確保することが、我が国の防衛上必要であり、ひいては国益にかなうものと考えています。
さらに、昨年十二月に運用を開始した日米韓三か国での北朝鮮のミサイル警戒データのリアルタイム共有や、日米共同指揮所演習であるヤマサクラやキーンエッジ24への豪軍の初参加など、日米を基軸とした多国間協力も進展しており、今後も更に進めてまいります。
防衛生産・技術基盤は、言わば防衛力そのものであり、その早急な強化は必要不可欠です。
昨年十月一日に施行された防衛生産基盤強化法に基づく施策を強力かつ迅速に進めてまいります。また、将来の戦いにおいて実効的に対処する能力を早期に実現するための研究開発にもしっかりと投資をしていきます。
人的基盤の強化も待ったなしの課題です。
防衛力の中核は自衛隊員であり、少子化が進む今日、人材の確保は大きな課題です。
厳しい募集環境の中でも優秀な人材をしっかりと確保していくため、募集能力の強化のみならず、再任用の拡大、任期付自衛官制度等による幅広い層からの人材確保、女性の活躍推進や人材の育成はもちろんのこと、艦艇やレーダーサイト、水陸機動団での勤務や、レンジャー訓練といった厳しい任務に従事する隊員の手当引上げなどの処遇の向上や生活、勤務環境の改善等を通じ、全ての隊員が高い士気と誇りを持って働ける環境を整備してまいります。
そして、ハラスメントは人の組織である自衛隊の根幹を揺るがすものであり、ハラスメントを一切許容しない環境を構築することが必要です。
今年一月には、防衛省職員ハラスメント防止月間としてハラスメント防止教育等を集中的に行ったところであり、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
最後に、今国会提出法案について申し上げます。
防衛省設置法等の一部を改正する法律案は、自衛官の定数の変更、統合作戦司令部の新設、日独ACSAに関する規定の整備、自衛官等の人材確保のための制度の導入拡大等を主な内容とするものです。
次に、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出する年限に関する特別の措置を定める現行法を恒久化する改正を行うものです。
そして、風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するための措置に関する法律案は、風力発電設備が自衛隊のレーダー等に障害を及ぼすおそれがあることを踏まえ、自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するため、風力発電設備の設置者と防衛大臣が調整を行う仕組み等を制度化するものです。
委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いします。
以上、防衛省・自衛隊が直面する課題に対し、防衛大臣として全力で取り組んでまいります。
皆様におかれては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
一か所訂正をさせていただきます。
七ページ目でございます。三パラ目でございますけれども、次にと発言をいたしましたが、特にと訂正をお願いします。大変失礼いたしました。