伊藤信太郎の発言 (環境委員会)
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○国務大臣(伊藤信太郎君) 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の伊藤信太郎です。
第二百十三回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、所信を申し述べます。
まず、令和六年能登半島地震によりお亡くなりになられた皆様に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
環境省では、この災害に対応するため、地震発生当日に環境省非常災害対策本部を設置し、現地に職員を派遣、被害状況を迅速に把握するとともに、被災地域におけるし尿、廃棄物処理や、ペットに関する支援を行ってきました。引き続き、被災地域における早期の復旧復興に向け、過去の災害対応の知見や経験も踏まえて、被災市町村のニーズに即したきめ細かい支援に全力で取り組んでまいります。
東日本大震災、原発事故からの復興再生の推進について申し上げます。
発災から十三年が経過する中、被災地の復興はいまだ道半ばであり、引き続き、被災地の環境と被災された方々の生活を取り戻すべく、全力で取り組んでまいります。ふるさとに戻りたいという御意向のある住民の方々の帰還に向けて、特定帰還居住区域における除染や家屋等の解体を着実に実施してまいります。
また、国としての約束かつ責務である福島県内除去土壌等の県外最終処分に向けては、来年度中に最終処分場の構造、必要面積等を取りまとめつつ、二〇二五年度以降の進め方をお示しできるよう検討してまいります。
さらに、住民の不安解消や風評払拭を図るため、放射線健康管理やALPS処理水に係る海域モニタリング等を実施するとともに、福島の産業、町、暮らしの創生に向けた福島再生・未来志向プロジェクトにより、脱炭素を基軸とした事業創出等を推進してまいります。
次に、ネイチャーポジティブ、二〇五〇年温室効果ガス排出量のネットゼロ、循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーの統合的な実現について申し上げます。
まず、ネイチャーポジティブの実現に向けた取組について申し上げます。
二〇三〇年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるというネイチャーポジティブの実現に向けては、企業等様々な主体による自主的な取組を促進することが重要です。
環境省は、民間の自主的な取組によって生物多様性が保全されている場所を自然共生サイトに認定する取組を昨年から開始しました。今国会では、こうした民間活動を一層促進するための法案を提出しました。あわせて、ネイチャーポジティブを実現する経済に移行するための戦略策定、国立公園における滞在体験の魅力向上の取組等を進め、地域の自然資本を生かした地域活性化にも貢献してまいります。
次に、気候変動対策について、ネットゼロの実現に向けて、地域、暮らしの脱炭素化を主導します。
地域の観点では、脱炭素化と地域課題の同時解決に貢献する脱炭素先行地域の創出や、脱炭素の基盤となる重点対策を全国で実施し、地方公共団体主導の取組を加速させるとともに、今後の更なる地域脱炭素の展開のため、地方公共団体との対話を進めてまいります。加えて、地域と共生する再生可能エネルギーの導入が重要であり、これを更に促進させるための措置について、後ほど述べるJCMの実施体制を強化するための措置と併せて、関連法案を今国会に提出しました。
暮らしの観点では、脱炭素につながる個人の取組を促す新たな国民運動、デコ活を通じ、脱炭素型の製品等の需要を喚起するとともに、住宅、建築物の脱炭素化の推進等を進めてまいります。
また、商用車の電動化、船舶のゼロエミッション化、先進的なリサイクル設備への投資等、GX推進にも取り組んでまいります。
サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組について申し上げます。
循環経済と成長の好循環を目指すサーキュラーエコノミーへの移行は、ネットゼロの実現や産業競争力の強化、経済安全保障にも資する重要な政策課題です。このことから、製造業と廃棄物処分、リサイクル業等が一体となった資源循環を促進するための再資源化事業等の高度化に関する法案を今国会に提出する予定です。また、本年夏頃の閣議決定を目指す次期循環型社会形成推進基本計画においては、地方創生の観点も踏まえ、サーキュラーエコノミー政策を中長期的に重要な柱として位置付けます。
加えて、新たな国民運動、デコ活とも連携しながら、食品ロス削減やサステナブルファッション、紙おむつの再生利用等を推進するとともに、太陽光発電パネルの廃棄量増加に備えた対応の検討を進めます。あわせて、今般の能登半島地震での対応等を踏まえた災害廃棄物対策の強化、一般廃棄物処理施設や浄化槽の整備等を進めてまいります。
以上申し述べたネイチャーポジティブ、ネットゼロ、サーキュラーエコノミーの統合的な実現には、国民一人一人や、地域、企業の皆様の協力が不可欠です。自分事として取り組んでもらえるよう、大臣就任以来申し上げている同心円の考え方にも基づきながら、環境配慮の取組が一人一人のより良い暮らしの実現につながること、地域の活性化や企業の競争力強化にも資すること、ひいては、我が国の経済社会の在り方や地球の未来につながることを分かりやすくお伝えしてまいります。そして、この考え方を現在検討中の第六次環境基本計画にも反映させてまいります。
環境外交について申し上げます。
昨年末に開催されたCOP28の成果を踏まえ、世界全体のネットゼロや適応策の加速化に大きく貢献してまいります。特に、二国間クレジット制度、いわゆるJCMについて、二〇三〇年度までの累積一億トン程度の国際的な排出削減、吸収量の確保を目指します。あわせて、パリ協定六条実施パートナーシップセンターを通じ、各国のニーズに沿った市場メカニズムに関する体制整備等を支援することで、質の高い炭素市場の構築に貢献してまいります。特に、地球規模でのネットゼロの鍵を握るのがアジア諸国です。日ASEAN気候環境戦略プログラムなどに基づき、アジア・ゼロエミッション共同体構想の実現に貢献してまいります。このほか、プラスチック汚染に関する条約交渉において主導的な役割を果たしてまいります。
環境省の不変の原点である人の命と環境を守る取組について申し上げます。
能登半島地震への対応の中で、この人の命と環境を守ることこそが環境省の使命であるということを改めて痛感しました。この使命を肝に銘じ、公害健康被害対策、石綿健康被害者の救済、エコチル調査、熱中症対策、花粉症対策、有機フッ素化合物、いわゆるPFAS対策、水道の水質、衛生管理、海洋ごみ対策、ヒアリ等の外来種対策、昨年、人身被害が相次いだ熊に関する対策を含めた鳥獣保護管理、希少種保全、動物愛護管理等について真摯に取り組んでまいります。
原子力防災等について申し上げます。
万が一の原子力発電所の事故に対応するための備えに終わりや完璧はありません。東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をしっかり胸に刻み、また、今回の能登半島地震で得られた教訓も踏まえながら、今後も安全神話にとらわれることなく、内閣府特命担当大臣として、関係自治体等と一体となり、各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化等を図り、原子力災害対応の実効性向上に取り組んでまいります。
また、原子力規制委員会が独立性の高い三条委員会として科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣として予算及び体制面でサポートします。
以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
三原委員長を始め、理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようにお願い申し上げます。
今の発言の中で、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組の後、資源循環と申し上げるところを循環経済と間違って発声しましたので、訂正申し上げます。申し訳ありませんでした。