古賀之士の発言 (経済産業委員会)
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○古賀之士君 派遣報告。
大阪府及び愛知県における経済、産業等に関する実情調査のため、去る二月十九日及び二十日に行われました委員派遣について御報告申し上げます。
派遣は、森本委員長、青山理事、中田理事、長峯理事、東理事、里見委員、礒崎委員、岩渕委員、平山委員及び私、古賀の十名により行われました。
一目目は、まず、二〇二五年に開催される大阪・関西万博について、国際博覧会協会の石毛事務総長から、万博開催に向けた準備の進捗状況等を聴取し、その後、夢洲会場に移動して、株式会社大林組の現地事務所や大屋根リングから建設現場の状況を視察いたしました。派遣委員との間では、来場者の交通アクセスに関する課題、機運醸成の方策、現代においてバーチャルではなく現場で万博を開催する意義、防災・減災対策、周辺の経済活動、市民生活との両立、大屋根リングの開催後の活用等について意見交換が行われました。
次に、大阪ガス株式会社のエネルギー技術研究所を訪問いたしました。同社は、二〇五〇年カーボンニュートラルへの挑戦として、メタネーションを軸とした都市ガス原料の脱炭素化等に取り組んでおり、近年では、エネルギー変換効率の更なる向上等が期待されるSOECメタネーション技術革新事業がグリーンイノベーション基金事業に採択されています。藤原代表取締役及び担当者からメタネーションの仕組みやメリットについて伺い、メタネーション技術を用いて製造されたEメタンにより燃える炎を間近で見学いたしました。Eメタン普及に向けての一番の課題としては、製造コストの高さが挙げられるとのことでした。
二日目は、まず、愛知県庁において、中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議の古本愛知県副知事から、中部圏の自治体や経済団体の方々が一体となって進めている、大規模な水素及びアンモニアのサプライチェーン構築、利活用の促進等の取組について説明を伺いました。派遣委員との間では、背後圏も含めたサプライチェーン構築に向けたロードマップ、水素ステーションの整備に関する諸課題、水素等の実需創出に向けた支援の必要性、低炭素水素の認証基準等について意見交換が行われました。水素・アンモニアの導入拡大に向けて、産業の集積する中部圏から先陣を切ってムーブメントを起こしていきたいとのことでした。
次に、スタートアップ支援施設である、なごのキャンパスを訪問いたしました。なごのキャンパスは、民間事業者及び名古屋商工会議所により運営され、スタートアップ企業へ、コワーキングスペースの提供や、スタートアップと協業したい大企業等とのマッチングを始めとするビジネスサポートを提供しています。粟生企画運営プロデューサーによれば、今、名古屋はスタートアップが最も成長している都市とのことです。起業家を育成するアントレプレナーシップ教育も行われており、イベントには、小中学生も含めた多くの若者の参加があるということでした。また、同施設は防災訓練や近隣商店街の課題解決の場としても活用されており、名古屋市からは町づくりの拠点としても期待されていると伺いました。
次に、株式会社JERA碧南火力発電所を訪問いたしました。同社は、二〇五〇年にCO2排出をゼロにするJERAゼロエミッション二〇五〇を策定し、その一環として、火力発電の燃料を石炭からアンモニアへ転換する技術確立に向けた実証事業に取り組んでおります。奥田社長及び担当者から、JERAゼロエミッション二〇五〇のアプローチやロードマップ、今月末に開始される、大型の商用石炭火力としては世界初のアンモニア混焼実証事業等について説明を聴取いたしました。また、ボイラトップから、アンモニア船の係留地を含む発電所設備全体や周辺環境について伺い、その後、敷地内に新設されたアンモニアタンク及び漏えいリスクに備えた装置を拝見いたしました。派遣委員との間では、商用運転に向けて残された課題、アンモニアへの転換率を増加させる見通し、テロの発生も念頭に置いた安全対策の必要性、世界全体での脱炭素化に向けた海外との協業の取組状況、コスト低減方策等について意見交換が行われました。
最後に、旭鉄工株式会社を訪問いたしました。同社は、自動車部品製造を行う中小企業ですが、IoT技術を活用して生産性向上を図り、大幅な労務費及びエネルギーコストの節減を実現されました。また、その経験を生かし、i Smart Technologies社を設立し、他の中小企業のDX支援にも取り組まれています。両社の代表である木村社長によれば、多くの企業に生産性向上の伸び代があり、IoT技術で数値ではなく問題を見える化することが重要であるとのことでした。
以上が各訪問先における概要であります。
最後に、今回の派遣を通じて、大阪・関西万博、水素社会推進、スタートアップ育成、中小製造業の生産性向上などの重要課題について大変有意義な調査を実施できましたことに関し、御協力をいただきました関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。