青山繁晴の発言 (経済産業委員会)
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○青山繁晴君 私が大臣の答弁を解説することはないんですけれど、ただ、今おっしゃったことは非常に正確なんですよね。使っている人が負担すべきという意味の需要家ということであって、再エネを喜べと言っているわけじゃないという趣旨だというのは理解します。
それで、今、参議院のホームページでどなたもインターネットでこの審議、御覧になれますよね。そうすると、恐らく今大臣がちらっとおっしゃった、この電力会社に負担させられないというのに引っかかる人が多分いると思うんですよね。
それで、だから、私が解説するのも変ですけど、これは電力会社に責任がないという意味ではなくて、私の立場でいうと、福島原子力災害は普通言われてきた原因と違います、私は現場を見ていますから。その上で、原子力は再開すべきだと考えているんですが、電力会社は再開しようとしてきたわけですよ。
例えば、福島のすぐ近くの東北電力の女川原発は、震度もやや少ないですけど似ていたし、津波の大きさも似ていました。でも、被害ゼロですね、単に防潮堤が高かっただけで。私は、福島の事故現場、事故進行中の現場に入った後に女川に行ったら、女川原発の中の体育館に、これ何度もお話ししているんですけど、反対派の町民もお住まいになっていたわけですね。原発が一番安全だと分かったからということだったわけです。
でも、それが十三年間も稼働しないままなんですよね。そのために、これはっきりした試算がないんですけれど、油やガスを高値で海外から言い値どおりで買ってしまって、恐らく電気代にこの十三年の間に二十兆以上の負担増になっていると、私が仮に試算するとそうなるわけですね。
これ、いきなり言いますけど、例えば共産党の質問なんかでももっと出てほしいんですよね。原発を止めているのはいいけど、二十兆以上の余計な油やガスを高値で買わされていて、それが需要家負担ということで一般消費者に来ているということは、与野党を超えて考えるべきだと思うんですね。だから、これはもうお願いとして、その再エネ賦課金の在り方というのは、齋藤大臣の在任中にお考えいただきたいと願います。
それから、三つ目のポイントなんですが、時間長くても油断しているとなくなっちゃうんで、三つ目のポイントは、大臣の答弁の最後に潮目の変化とおっしゃったんですね。潮目の変化が起きているのは間違いないです。ただし、きつい質問ばっかりで本当に内心萎えるんですけれども、言わざるを得ないのは、潮目の変化についての認識が甘いと思うんですね。
今回、この法案審議、随分審議やってきたんですけど、この審議の冒頭で、お世辞じゃなくて、若手期待の星の越智俊之議員の質問に対して、若手期待の星、政府参考人、つまり、分かりやすく、主権者のために分かりやすく申し上げると、経産省の行政官、僕は敬意を込めて、役人とか官僚とか言いません、行政官です。選挙に選ばれない人も必要なんです。その経産省の責任ある行政官は、気を緩めてはいけないと答弁なさったんですね。ちょっと私は愕然としたんですね。そんな段階ですか。株価の四万円台乗せ、四万円落ちても今大体三万八千円ぐらい維持していますよね。それって本当は、主要国に三十五年も遅れてようやく元の水準に戻ったというのが事実ですよね。
それから、春闘における賃上げも、大企業が中心という問題以外にも、実は同様に三十年以上遅れてやっと賃金が少し上がり始めたかな、諸国の国民がいただいている賃金の水準にこれから戻るのかなという段階で……(発言する者あり)前委員長がいろいろおっしゃっていますが、言論は自由ですが、何よりも、事実、物価の高騰に追い付いていないわけですよね。だから、実質賃金、実際に手にする賃金水準はまだ二十四か月連続マイナスなわけです。
それから、設備投資の回復傾向、これ、済みません、齋藤大臣も三十年ぶりに百兆円投資だとおっしゃっていて、それは事実なんですよ。事実なんだけれども、これ相当、もうこれ私個人の考えかもしれませんけど、円安効果があるわけです。円安は、悪いことだけじゃなくて、むしろ本当は企業収益にとっては良いことが多くて、特に設備投資、過去の統計を調べると、私は資料って出さないんですけど、それは話が途切れるからで、資料は点検していますが、そうすると、円安のときは設備投資増えるんですよ。したがって、違う言い方すると、この設備投資も、本質的な回復だけじゃなくて円安に助けられているわけです。
そうすると、今言ったとおり、企業収益の改善も円安に助けられていて、為替は予測すべきじゃないというのが、私が経済記者だったときの鉄則と教わってきたんですけど、でも、恐らくこれ以上円安に振れるよりは、百六十円にまた乗せたりすることはあっても、基本的には円高に戻っていく傾向のがありますから、そうすると、今までの、今申し上げた潮目の変化というのが円高に振れるだけでもろくも崩れるおそれがあります。そして、経産省御自らの統計でも、既に倒産件数は増えているわけです。
さらに、さっき言いました不動産バブルについて、私は記者出身ですから、業界団体幾つもお会いしまして直接お話を聞き、それから町の不動産屋にも飛び込みで入って聞いてみましたけれども、そうすると、円安何とか止められないんですかと、材料費が上がって上がってどうしようもないと。で、売れている売れていると言うけれども、それ、例えば僕も中古マンションに住んでいます、今も私ローン払っていますけれど、中古マンション値上がりしているんで、これ売って新築マンション買ってもいいですかと聞いてみたら、実は円安で材料費が上がっているから、新築マンションの値段も単にバブリーな異常な高値なんですと。だから、もう億ションが東京では死語になっているそうです。知っていました、億、普通だそうですよね。それで、これも調べたんです。そうすると、本当にそうなんですよね。
これを別な言い方で言うと、中古マンション売って買い換えても質は上がっていないと。実は材料費が上がっているから、中身は上がっていない。しかも、この不動産が活況なのは実は東京、大阪などの都市部が中心であって、地方には惨たんたるところもあると。しかも、これはバブルなのでいずれ崩壊します。それを考えると、このままでは、産競法の改正も改正前の産業競争力強化法と同じように、本来の志を達せずに終わる懸念があると思います。
長話で恐縮ですが、さすがに大臣は、潮目の変化を強調されつつも、楽観してはいけないと答弁されました。これも厳しいことを言うようですが、政府参考人のおっしゃった気を緩めてはいけないと大臣の楽観してはいけないというのは似て非なるもので、差があるんですよ。なぜかというと、例えば、大学入試の若者に先生が気を緩めてはいけないよと言ったら、それは今までの勉強ぶりでよい、多分受かるよということですよね。しかし、楽観してはいけないよと言ったら、それは受かるかどうかまだ本当は分からないんだと、落第のおそれも十分あるんで、これまでの勉強ぶりでは実は足りないということなんです。
そうすると、今の潮目の変化というのは、もう一度言いますが、三十から三十五年ぶりにようやく諸国に、先進諸国を中心にした諸国に追い付く可能性が出てきたということにすぎないんじゃないでしょうか。
この法改正を経産省とオンラインで討論したという経団連のまとめによると、この改正の柱は二つだと。一つは、税制改正によって国内投資を増やす。もう一つは、従業員二千人以下の企業のあるものを中堅企業、中小企業じゃなくて中堅企業という新しい言葉で定義して、その中堅企業とスタートアップ企業、いわゆる起業の企業ですね、起業なさる企業への支援だと。これ、逆に見ると、財界の解釈では目玉はこの二つに絞られるということになるんですね。
そこで、大臣の見識に期待してお尋ねいたします。三十年から三十五年停滞していた日本経済をよみがえらせるために、この法改正はどこまで実際には役割を果たせるんでしょうか。お願いします。