谷口信和の発言 (農林水産委員会)

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○参考人(谷口信和君) 私は、一番大事なことは、国民が小学校から中学校までの間の義務教育の間に、一年ではなくて三年から五年間ぐらい農作業や家畜を飼育するというプロセスに携わることを義務付けるべきだと思っています。これは農業のためじゃないんです。
 というのは、大学に入って、私、二十九年間東大で教えていましたけれども、東大生でもそうですし、東京農大で教えたときも同じことありましたけど、一番学生が精神的に駄目になるのはほとんど失恋です。失恋の影響の大きいことはないです。つまり、自分がやったことがうまくいかない機会で最大のものは失恋なんですね、人間にとって、どうも。
 そうすると、農作業しますね、全部うまくいくところだけ教えている、駄目です、こんなものでは。五年やれば絶対うまくいかないときがあります。一生懸命育てても、最後に虫に葉っぱが食われて全然収穫できなくなることもあります。台風が来るかもしれません。木が風が吹いて倒れるかもしれません。そういう失敗も成功もある中で食料って得られているんだという経験を積むことが、人生はこういうことなんだよということが分かるもう出発点になると思うんです。それは自分でやってみないと分からないんですね。人からもらったもので、不作だったね、豊作だったねという話、幾ら聞いても役に立たない。人間的なものを育てる上で一番欠けているのは、日本ではそこだというように私は考えております。
 そこで、そういう経験をできればいいということで、逆に言うと、生協なんかはいろいろ産直して、いいところだけみんなやります、消費者が。やめた方がいいです。洪水になっている状態の水田を見に来てもらわなきゃいけないんです、農業者は。こういうふうにして水田があるからここで止まっているんですよというのを見てもらわなきゃいけない。テレビで見るだけじゃ駄目なんです。自分が関係しているところがこんなになっちゃうのかという共通の経験を持つことによって、初めて国土とこの下における農業と自分たちの存在というのは関係がよく分かるというふうに思っております。よろしくお願いします。

発言情報

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発言者: 谷口信和

speaker_id: 8427

日付: 2024-06-06

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会