仁比聡平の発言 (法務委員会)
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○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
自民党政治の外国人差別、排外主義はどこまで底深いのかと。昨年、難民申請者から送還停止効を奪う改悪入管法がこの委員会で強行されました。今度は、永住者の在留資格取消し拡大法案を突然持ち出して、こうして強行する。
反対理由繰り返しませんけれども、断固としてこの二法案には反対です。大臣はしきりにルールを守ってもらうと言いましたけれど、ルールと言うなら、国際人道法、難民条約など、国際人権水準に反しているのは、政府・与党、入管行政の方ではありませんか。
第二に、育成就労創設する法案について。技能実習制度の廃止こそ求められ、政府の検討においてもそれが出発点だったはずにもかかわらず、技能実習を育成就労と言い換えただけで、看板の掛け替えにもなっていないからです。人権侵害の防止、是正と言いながら、その担保はありません。増え続けている失踪者についても、その原因究明、再発防止はあやふやにされ、本法案でも温存されかねません。
転籍についてはどうか。やむを得ない場合に加え、本人の意思による就労実施者の変更を可能とすると言いながら、転籍の自由の保障とは言い難い内容です。労働者にとって転籍の自由は不当な搾取から自らを守る最も中核的な権利であり、だからこそ、その期間制限は有識者会議で一年が相当とされました。ところが、法案は最大で二年とし、これでは育成就労三年のうち二年間の間は転籍できず、結局実質的に転籍はできないことになりかねません。
また、法案は、研修生制度以来、外国人労働者を食い物にする悪質なブローカー、人材ビジネスの温床構造となってきた、その中心にある監理団体を監理支援機関と看板を掛け替え、そのままにしています。監理費は実費と言いながら、不当な監理費を理由として監理団体の許可が取り消されたこともありません。悪質な監理団体を排除するどころか野放しにし、もたれ合ってきたという批判を免れないではありませんか。
さらに、育成就労に派遣形態を解禁することは大問題です。派遣手数料の更なる負担は、育成就労労働者の待遇を悪化させることになります。新たな搾取の仕組みになりかねない派遣形態の育成就労はやめるべきです。
そして、法案は、基本方針や分野別運用方針はもちろんのこと、業務、技能、日本語能力などの目標や内容、外国人労働者が送り出し機関に支払う手数料の上限など、育成就労労働者を適正に受け入れる基準について、数々の問題を主務省令で定めるとしかしておらず、審議でその中身を聞いても明らかにできないままです。数々の人権侵害を生み出した構造に反省なく、人手不足対策にのみ前のめりの政府に白紙委任するなど、立法府として断じてやってはならないことです。
在留カードとマイナンバーカードの統合により、プライバシー侵害の危険も重大です。
人手不足社会を打開するには、そもそも日本経済の実体経済の抜本的改革、中でも抜本賃上げ、非正規の打開こそ必要なのではありませんか。外国人労働者を安価で都合の良い単純労働者となお考えるなら、経済の転換にも人手不足打開にも逆行をしていきます。
国境を越えた移住労働は当然であり、横浜華僑総会の曽参考人が述べられたとおり、人があってこそ材がある。永住者を始め、外国人労働者、外国籍住民の法的地位の安定と難民条約に基づく難民認定、入管収容、仮放免における苛烈な人権侵害の打破、こうした人権後進国を抜け出す我々の取組こそ本当に大切だということを改めて強調し、日本共産党はそのために全力を尽くす決意を申し上げて、反対討論を終わります。