金子道仁の発言 (本会議)

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○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。
 教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、令和六年度予算三案に対し、反対の立場から討論いたします。
 日本の少子化は、もはや抜き差しならぬ状況にあります。本年二月、厚生労働省は、二〇二三年の出生数が七十五万八千六百三十一人だったと明らかにしています。出生数は昨年に引き続き八十万人を割り、過去最低を更新しています。最後に百万人を超えたのは二〇一五年であり、八年間で二十五万人近く減少したことになります。
 そもそも我が国の合計特殊出生率は一九七四年に人口置換水準を下回っており、以降五十年間にわたって若い世代の人口は減少を続けています。
 地方に目をやると、問題は一層深刻です。今年は増田寛也元総務大臣が「地方消滅」を出版し日本を震撼させてから十年になりますが、その間の地方の人口減少は悪化の一途をたどっており、現在、全国で人口最小の鳥取県、人口が約五十三万五千人、東京都世田谷区の人口約九十一万八千人を大きく下回るに至っています。
 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、二一〇〇年の日本の人口はおよそ六千三百万人まで減少すると推計しています。少子化は我が国の活力を徐々にむしばみ、様々な社会システム維持すら不可能にしています。
 総理はしばしば二〇三〇年までが少子化反転のラストチャンスと述べておられますが、ついに今回がラストチャンスになってしまうまで、幾つのチャンスを逃し続けてきたこれまでの子育て政策を真摯に振り返り、その反省を生かして政策に着手すべきです。本来は事前に抜本的な行財政改革に取り組み、しっかり財源を確保した上で新しい施策に大胆に取り組むべきだと考えますが、このラストチャンスに当たり、これから社会保障の歳出改革を行い財源確保を目指すというのは、後手に回った余りに悠長な対策ではないでしょうか。危機感の欠如と言わざるを得ません。
 このような状況にありながら、今国会の大半の質疑時間は政治と金の問題に費やされました。政治資金パーティー収入の不記載が初めて問題になったのは昨年秋のことです。しかしながら、これまで自民党が国民に対して誠実に説明責任を果たしたとはとても思えません。
 安倍元総理の死後、清和政策研究会においてキックバックが再開した経緯についても、派閥の幹部全員が知らぬ存ぜぬを貫き通し、キックバックがいつから始まったのか、誰の発案なのか、いずれも明らかになっていません。これで国民に対して説明責任を果たしたと言えるでしょうか。
 総理御自身も政倫審へ御出席になりました。政倫審での真相究明は非常に不満が残る結果となり、残念ながら説明責任を果たそうとする総理のリーダーシップが十分発揮されたとは言えない状況です。政倫審の限界が見えた以上、疑惑の残る議員には、証人喚問を含めて説明責任を果たす別の機会を用意するのが総理の党総裁としての責任ではないでしょうか。
 自民党は聞き取りを行った約八十二名の議員の皆さんを対象に処分を行おうとしているという報道がございます。そもそも真相が明らかでない状態で、どのように処分の軽重を決めるのでしょうか。性急に幕引きを図ろうとする姿勢が見受けられることは誠に遺憾です。
 総理は、今国会中に政治資金規正法の改正を行うと明言しておられます。しかし、政治改革を前に進める責任は各党各会派に押し付けたままです。自民党は衆参の過半数を占める最大会派であり、今回の改正の大きな立法事実である派閥による政治資金パーティー裏金問題の責任会派として、政治資金規正法改正の議論を積極的にリードすべきではないでしょうか。
 一月に出された自民党政治刷新本部の中間とりまとめ、これはそもそも内容が希薄な上、公表から二月が経過しても続報が聞かれません。最終取りまとめは、いつ公表されるのでしょうか。自民党が置かれた立場を考えれば、最も早く、最も踏み込んだ方針を表明し、議論を主導すべきです。
 そもそも実態が明らかになっていない以上、再発防止策も的を得たものにはなり得ないという懸念もあります。また、裏金が必要である背景であるお金の掛かる政治から脱却しなければ、根本的な再発防止にはなりません。課題は山積しています。しかし、各党各会派の議論すら始まっていません。ゆゆしき事態であることを御指摘いたします。
 総理は、関係者や総理が事実を実直に公表していれば、真相究明や処分が段取りよく進み、再発防止に向けた政治資金規正法等の改正の議論を腰を据えて始められたはずです。しかし、このような混乱が今後も続けば重要な法案の審議にも悪影響が及びます。今国会では明らかに内容の詰められていない政策が議論の俎上に上がっています。その一つが政権の看板政策である子ども・子育て政策です。
 子ども・子育て政策加速化プランにおいて、令和十年までに支出予定の金額計三・六兆円のうち、一兆円は子ども・子育て支援金で賄おうとしています。政府は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会負担、社会保険負担軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、実質的な負担増は生じないなどと繰り返し説明しておられますが、答弁は今に至るまでぶれ続けています。
 総理は支援金の財源について歳出改革と賃上げで財源を捻出すると述べておられますが、経済再生担当大臣は歳出改革でカバーするため賃上げは関係しないと述べておられます。閣内ですら解釈が一致していません。こども政策担当大臣の答弁でも、一人当たりの負担金額は五百円、千円、千二百五十円と変化し続けており、内容が十分精査された上で提案されているようには思えません。法案審議までには具体的な負担額計算が示されるということですが、これも遅過ぎると言わざるを得ません。
 政府は常々、支援金によって全体として実質的な負担増は生じないと述べておられますが、個々人のレベルで実質的な負担が生じる可能性は明らかです。また、政府は、国民負担率の計算上、全体として実質的な負担は増加しないとしていますが、そもそも賃上げがなされなければ、また今後の歳出削減がうまくいかなければ、全体としても必ず負担増が生じます。これでは子育て世代、若者世代の可処分所得はいつになっても増える見通しが立ちません。
 我が党議員の質疑により、子ども・子育て支援金は今後増額される可能性があることが明らかになりました。社会保険料はこれまでもなし崩し的に引き上げられてきた経緯があります。そもそも社会保険料は逆進性が高いため、子育て支援のための財源確保策には最も適さないのではないでしょうか。
 様々、このほかにも財政上の懸念事項があります。コロナ禍を越え、財政の平時への回帰も重要な課題でありながら、令和六年度予算の歳出規模は令和五年度から僅か一・八兆円弱、約一・六%の減額にとどまります。また、その内訳は特定目的予備費の減額や防衛力強化資金の繰入れ停止を主としており、経費の膨張トレンドは全く反転できていません。
 新型コロナウイルス感染症が拡大した令和二年度から、政府は機動的な対策を盾に予備費を積み増し、その合計は約三十兆円に上っています。同時に、基金の残高は約十六兆円を超えています。にもかかわらず、来年度予算では能登半島地震の復旧復興を大義名分とし、一兆円の一般予備費を計上しました。加えて、基金にも約八千億円を積み増すこととしています。財政規律が徹底的に毀損されています。
 これまでるる指摘してきたとおり、政府の予算案には検討不足の点、懸念点が山積しています。こうした議論、本来すべき議論に、事項に速やかに集中するため、裏金問題の実態解明、処分、そして再発防止策のための政治資金規正法の改正が速やかに行われ、深刻な政治不信という国難に速やかに対応していただくことを強く求め、私の反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 金子道仁

speaker_id: 6561

日付: 2024-03-28

院: 参議院

会議名: 本会議