岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 杉尾秀哉議員の御質問にお答えいたします。
本法案の審議と日米首脳会談の関連についてお尋ねがありました。
本法案は、我が国自身の経済安全保障を確保する上で重要な法案であります。また、審議の日程は国会においてお決めいただいており、米国への手土産にするために衆議院での審議を急いだとの御指摘は全く当たりません。
日米首脳会談における発言の逐一については、外交上のやり取りであり、お答えを控えさせていただきますが、今般の米国公式訪問においては、日米安全保障・防衛協力を一層強化していくこと、日米でAI、量子、半導体等の先端技術の分野における国際的な取組を主導していくことなどを含め、幅広い分野における新たな日米間の協力について一致をいたしました。
下村議員や森元総理の言動についてお尋ねがありました。
報道された議員等の言動の、言動等の一つ一つについてコメントすることは差し控えますが、御指摘の下村議員のものとされる音声データの内容を含め、推測の域を超えて森元総理の関与を具体的に指摘するような発言は把握しておりません。
また、私の森元総理への聴取については、最大限の協力を得る観点から、やり取りの内容等を明らかにすることはしないという前提で行ったものであり、詳細をお答えすることは差し控えますが、結論として、森元総理の具体的関与は確認できなかったところであります。
いずれにしても、引き続き、できる限りの事実確認や原因究明の努力を行うことは大切であり、今後の公判の状況等を注視してまいります。
派閥の政治資金の問題に関する私の責任についてお尋ねがありました。
今回の事案については、検察による捜査が尽くされた結果、既に法と証拠に基づく厳正な刑事判断がなされているところですが、こうした刑事責任とは別に、深刻な政治不信を招いた政治責任を明らかにするため、党として所定の手続にのっとり、役職等の議員歴、不記載の金額や程度などの状況を総合的に勘案して厳正かつ公正に処分を行ったところです。
このような中で、私自身については、収支報告書の不記載がなかったことなどから処分の対象とはしないと党として判断されたものでありますが、党全体として政治不信を招いたことは事実であり、自民党総裁としての責任、これは重く受け止めております。
今回の一連の事案は政党とは異なる団体である派閥で起きたものですが、このような団体を含めて党のガバナンス改革を進めるとともに、政治資金規正法改正を含めた再発防止対策、政治改革、覚悟を持って断行することが総裁の責任の在り方です。これまでも、これからも私が先頭に立ってこの責任を果たしていくことしか考えておりません。
衆議院解散及び自民党総裁選の時期についてお尋ねがありました。
議員御指摘の私の発言は、最終責任者たる総理大臣、自民党総裁は、その仕事ぶりを日々国民、党員に厳しく判断される立場にあるという趣旨を申し上げたものであり、衆議院解散、総裁選など、特定の政治日程を念頭に置いたものではありません。国民の信頼回復のほか、内外に山積する先送りできない政策課題で結果を出すべく全力で日々の仕事に取り組んでいるところであり、今はそのことしか考えておりません。
衆議院でのこの法案修正及び種々の懸念点への対応についてお尋ねがありました。
まず、衆議院における政府法律案への修正については、与野党間で合意した内容を盛り込んだものであり、国会でお認めいただいた暁には適切に運用してまいります。
また、重要経済安保情報として指定する範囲については、本法案において三つの具体的な要件を明確に規定しており、それに加えて、法案成立後、有識者に意見を聴いた上で作成し閣議決定する運用基準において、一層の明確化を行っていくこととしております。
プライバシーとの関係については、適性評価の実施に当たって調査項目を七項目に限定をすること、調査の項目や方法について事前に本人に告知し、その同意を得るということ、適性評価の結果や個人情報の目的外利用を禁止すること、これらを規定するなど、必要な配慮を行っております。これらが本法案の運用においてもきちんと担保されるよう、政府全体でしっかりと対応してまいります。
適性評価におけるプライバシー侵害のおそれについてお尋ねがありました。
適性評価の実施に当たっては、先ほども述べたとおり、調査項目の限定や本人の事前同意、個人情報の目的外利用の禁止など、プライバシーへの配慮を法案上で明確に規定しており、適性評価及びそのための調査を行う行政機関や内閣府においてその遵守を徹底いたします。
また、労働者への不利益取扱いに関しては、適性評価の結果の目的外利用の禁止についても、今後、有識者の意見も聴き、定める運用基準において明確に定めることを検討していく旨お示ししてきているところであります。
なお、本法案では、この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことはあってはならないという規定も置いており、これらが運用においても政府全体できちんと担保されるよう、しっかり対応してまいります。
対象情報の指定件数、指定の方策等についてお尋ねがありました。
指定件数については、具体的な見通しを現時点で申し上げることが難しいことに変わりはありませんが、御指摘の高市大臣の答弁では、公表されている秘密文書ファイルの統計数値を起点に、あくまで大胆な仮定を重ねながら試算をさせていただいたものとして説明させていただいたものです。なお、その指定件数は情報の件数であり、文書の数を示すものではありません。
また、重要経済安保情報の指定については、まずは各行政機関において指定を行った後、内閣府において指定が適切に行われているかをチェックをし、必要であれば内閣総理大臣が勧告などを行うこととしております。
さらに、特定秘密の検証、監察を行っている独立公文書管理監が本法案の重要経済安保情報についてもその指定や解除が適切になされているかを検証、監察することを想定しています。
こうした重層的なチェック機能を通じて、情報の指定が各行政機関の長により恣意的な情報指定とならぬよう徹底をしてまいります。
特定秘密保護法についてお尋ねがありました。
現在、特定秘密保護法の改正を検討すべき具体的な事情は承知しておらず、法定事項である秘密の範囲を見直す予定はありませんが、経済安全保障に関する重要な情報が特定秘密に該当するかどうかを各行政機関がより的確に判断できるようにするため、法の授権の範囲内で運用基準の見直しを検討することとしております。
特定秘密保護法は、平成二十六年から約十年間、効果的かつ適正に施行されてきました。これにより我が国の情報保全水準が向上するとともに、同盟国、同志国との情報共有が一層円滑となり、また、知る権利を侵害する制度ではないとの理解も得られてきたものであると認識をしております。
さらに、経済安保行政における対応の在り方についてお尋ねがありました。
経済安全保障推進法の制定時、国土交通省において、港湾ターミナルオペレーションシステムの機能が停止してもその影響は限定的であると評価していたため、規制対象には当たらないと考えていたところですが、結果として、当時の検討が必ずしも十分ではなかったとの御指摘は真摯に受け止めさせていただきます。
また、大川原化工機の事件については、現在、国家賠償請求訴訟が係争中であると承知していることから、現時点で所感を述べることは差し控えますが、捜査が法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるべきこと、これは当然のことであり、捜査機関においては引き続き適正な職務執行に努めてもらいたいと考えております。
いずれにいたしましても、行政府の長として、引き続き、国会における議員各位の御指摘を真摯に受け止め、誠実に対応するとともに、適正な行政運営に努めてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕