水野素子の発言 (本会議)
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○水野素子君 立憲民主党の水野素子です。
会派立憲民主・社民を代表し、防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
まず、四月二十日の海上自衛隊ヘリの事故について、亡くなられた方の御冥福、御不明な方の早期発見を心から祈念申し上げます。最新の対応状況を木原防衛大臣にお尋ねします。また、昨年四月の宮古島での事故など、事故が続く原因と具体的な再発防止策も御説明ください。
近年頻発する自然災害への救助、復旧活動に伴う急な計画変更や人員動員などが、訓練を含む防衛省・自衛隊の他の本来業務に影響していませんか。木原大臣にお尋ねいたします。
災害救助、復旧における自衛隊の皆様の御尽力に心から敬意を表します。しかし、炊き出しなど、自衛隊以外でもできる作業もあると感じます。防災省、防災・復興庁など、専門の組織、機関を設置して政府の対応体制を強化すべきではないでしょうか。
近年、年に四、五回も激甚指定災害が発生していますが、政府は都度対策本部を設置する場当たり的な対応です。省庁間や国、自治体間の縦割りで対応が遅れ、作業が重複し非効率です。ワンストップで平時から自治体、NGO等と連携し、専門人材を雇用、育成して予測や減災に努め、発災時に速やかに対応して防災のPDCAを回す体制が急務です。
災害大国日本における国民の安全、安心のため、防災・復興庁など災害と復興対策に特化した常設の専門の組織、機関の設置を是非とも御検討いただきたい。林官房長官に御見解をお尋ねいたします。
この度の法改正による統合作戦司令部の新設により、米軍との連携が強化され、防衛大臣の指揮権の一部が授権されます。文民統制に問題はないでしょうか。仮に海外で米軍の活動に起因し存立危機事態に該当し得る事案が生じ、反撃の是非を検討する場合、米軍インド太平洋軍司令部と自衛隊統合作戦司令部でどのように連絡調整が行われますか。また、日本政府は国会審議を含むどのようなプロセスで反撃の是非を最終判断しますか。木原大臣にお尋ねいたします。
今回、日米の防衛関連組織を改編するなら、文民統制の確保や平等なパートナーシップのため、日米合同委員会の構造も改編すべきではないでしょうか。日米間の国際会議で外務省の相手方が国務省ではなく在日米軍とのいびつな構造は、日米合同委員会のみです。近年問題となっている米軍基地周辺の高濃度のPFAS問題で立入調査が実現しづらいのは、日米合同委員会で申入れをしても規制を受ける立場の米軍が対応に消極的なためではないですか。
米軍基地をめぐる問題が頻発しています。日米の防衛に関する連携体制改編の機会を捉え、日米合同委員会の構造改革や日米地位協定自体の改正を日米2プラス2で真摯に話し合うべきです。上川外務大臣に伺います。
横須賀地方隊への大湊地区隊の統合が必要不可欠な具体的な理由は何ですか。私の地元神奈川では、商業地域に隣接する広大な米軍施設、ノースドックなど、米軍、自衛隊関係施設が多く、PFAS、爆音、コロナ感染爆発など、基地周辺で問題が頻発し、多くの市民が不安を感じています。
今回の改編で横須賀地方隊の任務や規模はどのように変わりますか。近隣市民の負担が増えることは絶対にないと言えますか。木原大臣にお尋ねいたします。
六十人が今般新規に配置される航空自衛隊馬毛島先遣隊の具体的な任務は何ですか。馬毛島基地完成後の常駐人員規模と具体的な任務も御説明ください。
馬毛島基地の建設により、環境省が保護するマゲシカの生息地の環境破壊が急速に進んでいます。周辺の良好な漁場は消失し、近隣の種子島では基幹産業だった漁業が壊滅的な状態。医療機関や農業などの人材も不足し、市民が不安を覚えています。強引に建設を進めずに、一旦立ち止まって市民の声を丁寧に聞くべきではないでしょうか。木原大臣にお尋ねいたします。
航空自衛隊宇宙作戦群が五十三人増員されますが、現在の総数及び将来の計画人員数、また具体的な任務内容について、木原大臣にお尋ねいたします。
専門人材を採用する任期付自衛官制度を導入しても、そもそも日本全体で宇宙を始めとする専門人材が不足しており、理工系などの専門人材の育成が急務です。我が国の教育は総合偏差値を重視する普通科教育が大半ですが、ドイツのマイスター制度のように、早期に専門能力を見出して伸ばすことが子供たちの生きる力を伸ばし、日本の競争力にもつながります。そのためには、工業高校、農業高校、水産高校など高校課程の専門教育にもっと力を入れるべきと考えますが、具体的な取組や計画について盛山文部科学大臣にお尋ねいたします。
日独ACSAに対応するための自衛隊法改正案には武器の提供は含まないとありますが、日独ACSA協定案では弾薬は提供対象です。自衛隊法の改正によりドイツ軍への弾薬の提供は認められますか。念のため伺います。
日独ACSAに関する条項案の武器には弾薬は含まないと解されますが、日印ACSAのために過去に新設された条項では武器に弾薬を含むと明示しています。自衛隊法という一つの法で武器に弾薬が入るか入らないか、正反対の定義があるのは誤解を生じます。自衛隊法における武器の定義を統一すべきではないですか。また、外為法や防衛装備移転三原則など、他の法制度にも武器と弾薬に関する定義、条項があります。改めて、政府全体として、武器の定義について、弾薬を含むかどうかを含めて、統一見解を示すべきではないですか。木原大臣にお尋ねいたします。
ACSAでは合意があれば第三国への防衛装備移転が認められるとされていますが、第三国移転に合意する場合の具体的な判断の基準とプロセスについて、木原大臣にお尋ねいたします。
防衛装備移転三原則及び運用指針はACSA締約国との協力の基盤ですが、昨年末の閣議決定で、紛争地であっても被侵略国なら装備品移転が可能と改正されました。そして、具体的な弾薬などの輸出の是非が紙面などでも取り沙汰されています。
憲法の解釈運用に関わる大事な法原則を国会で議論せず、与党のみの閣議決定で密室的に改正するのは、民主主義の観点で問題です。私は、昨年会期末、十二月五日の外交防衛委員会において、木原大臣に改正内容をただし、閉会後に閣議決定で改正すべきではないと申し入れましたが、説明もないまま、結局、閉会直後に改正を閣議決定しました。一昨年末の安保三文書の改正も同様でした。
なぜ国会で一切議論せず、国会閉会後に与党のみの閣議決定で改正するのですか。国会、国民軽視ではないですか。改めて、木原大臣に、民意を踏まえた政治姿勢の在り方について見解をお尋ねいたします。
グローバル戦闘航空プログラム、GCAPのための政府間機関、GIGOへの職員派遣のための自衛隊法改正案について、なぜわざわざ運営コストの掛かる国際機関を設立し、遠く欧州まで多くの職員を派遣するのですか。今回のモデルとされる欧州のユーロファイター開発組織はNATOの関連組織です。GCAP、GIGOはNATOとは一切無関係のプログラムですか。念のためお尋ねします。
わざわざ国際組織をつくらず、国際約束で役割分担、権利義務関係を定め、企業を共同選定し、定期的な運営会議で進捗を管理する方が一般的で合理的ではないでしょうか。木原大臣にお尋ねします。
そもそもGCAPの共同開発に関する政府間合意を行わず、組織設立の協定だけで実施する形式にも違和感があります。過去の米国との戦闘機共同開発では、国際約束により技術情報の供与などを合意しました。今回のGCAP共同開発のために、海外に技術情報や政府保有の知的財産権の提供は行いますか。
財政法により、知的財産権を含む国の財産の処分は法律や条約に基づく必要があります。また、GCAP共同開発で新たに発生する知的財産権の所有権はどのような扱いとなりますか。国の安全保障に関わる機微技術の流出を防ぐためにも、情報や知財の扱いなどを国際約束であらかじめ定めるべきではないですか。木原防衛大臣にお尋ねいたします。
GIGOに派遣するのは何人ですか。百人にもなると聞きますが、開発そのものは企業が行います。派遣職員の任務は開発事業の管理、調整、交渉、研究、訓練などと法案に規定されていますが、海外に大勢で常駐する職員の日々の具体的な業務は何ですか。職員派遣の経費はどの程度ですか。防衛省・自衛隊は人員不足と聞きますが、派遣する余力はあるのですか。
政府は、防衛費を五年で約四十三兆円に増やして国民に増税までも求めており、海外に大勢派遣する国費の負担について国民の理解は得られません。木原防衛大臣にお尋ねいたします。
本件は、異なる課題を束ね法案で一括審議としていますが、個別に丁寧に審議すべきではないですか。特にまだ成立していない日独ACSAやGIGO設立条約のための法改正は、本来は条約成立後に審議すべきです。なぜ束ね法案としたのか、木原大臣にお尋ねいたします。
法律や条約の国内審議プロセスが近年ずさんになっていると感じます。私が長く携わった宇宙分野の国際協力でも昨今同様の懸念があるため、この際お尋ねします。
月面与圧ローバーの開発提供とその見返りとしての日本人宇宙飛行士の月面着陸は新規の大規模な財政措置が必要となり、具体的な役割分担や責任を詳細に規定した合意でもあり、本来は国会審議が必要です。なぜ閣議決定すら行わず、四月に訪米して署名してきたのですか。慣例として長く守られてきた大平三原則では、新規の財政措置を伴う合意は国会審議が必須とされています。大平三原則違反ではないですか。国会、閣議を経なかったので法的拘束力はなく、実現できたらいいなという共同宣言程度の合意、いつでもキャンセルできるということです。
大平三原則が示すように、このような法的安定性のない協力には国家予算、税金は投入できません。本件は国の予算措置を伴う協力のため、今後、別途国際法上の法的拘束力のある合意が必要ではないですか。盛山大臣にお尋ねします。
本件合意は、日米宇宙枠組協定の下で署名されました。日米宇宙枠組協定の下でも、閣議決定などで法的拘束力のある国際約束を締結できますか。もし前身の日米宇宙損害協定と異なり、枠組協定の下では全てが閣議決定不要、すなわち法的拘束力のない合意しか行えないなら、大平三原則に照らして予算措置を伴う協力は行えず、日米宇宙協力の法的基盤が後退しています。
また、日米宇宙枠組協定は、協力の共通条件、ハウにすぎず、予算を伴う協力の可否までの白紙委任はできません。特に本件協力は予算措置や国の債権放棄を含むため、法的拘束力のある国際約束が別途必要ではないですか。上川大臣に伺います。
米国ロケットの国内打ち上げ解禁の日米交渉が四月の訪米を機に突如開始されました。信頼性やコストで圧倒的に優位な米国ロケットの国内参入で、我が国のロケット産業が壊滅的になるおそれがあります。宇宙飛行用機体の、宇宙旅行用機体の国内離発着は別として、海外ロケットの国内打ち上げ解禁は我が国の防衛産業、技術の維持発展にも関わる重大事項であり、慎重に対応すべきと考えます。高市宇宙担当大臣に見解を伺います。
結びに一言申し上げます。
四月の総理、大臣の訪米は、裏金問題や統一教会問題など、山積する不祥事から国民の目をそらし、衆議院補選前に支持率を上げるためだったのではないですか。政府の政治姿勢への国民の不満が高まっています。国会、国民軽視で、国会を経ずに閣議決定された安保三文書などの近年の密室的な政治、その背景にある金権政治、古い政治を根本的に変えていく決意を申し上げて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣木原稔君登壇、拍手〕