木原稔の発言 (本会議)

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○国務大臣(木原稔君) 水野素子議員にお答えいたします。
 先月二十日に発生した海上自衛隊ヘリコプターSH60K二機の墜落事故についてお尋ねがありました。
 防衛省・自衛隊は、引き続き、現場周辺海域において、行方不明者及び機体の捜索に全力で当たっています。昨年、陸上自衛隊のUH60JAの墜落事故が発生したことに続き、今般の墜落事故が発生し、国民の皆様に再度不安を与えたことを大変遺憾に思います。
 このような事故が発生したことを重く受け止め、事故発生の当初より、私の指示に基づき、飛行前後の点検、操縦者への安全管理、緊急時の手順に関する教育、各部隊における指導を徹底し、航空機の運航に当たっての安全管理に万全を期しております。
 今回の事故については、これまでの調査でSH60Kの機体自体の安全性に問題がないことが確認され、二機が衝突したことが墜落の原因であると判明しました。二機が衝突した事故の原因については事故調査委員会で調査中であり、再発防止策についても事故調査委員会において検討してまいります。
 次に、災害対処が自衛隊に与える影響についてお尋ねがありました。
 防衛省・自衛隊は、災害派遣の実施に当たっては、平素の部隊訓練を含めて、主たる任務である我が国の防衛に係る警戒監視や情報収集、各種事態への即応態勢に支障が生じることがないよう留意しております。他方、近年、自衛隊による災害派遣活動は、大規模かつ長期化、多様化する傾向にあります。
 このような中、自衛隊は、発災当初は人命救助活動に全力で対処しつつも、生活支援などについては自治体や関係省庁等とも調整、協力し役割分担を行い、順次必要な態勢へ移行していくなど、今後とも、主たる任務である我が国防衛に影響を与えないよう、適切に災害対応を実施してまいります。
 次に、統合作戦司令部についてお尋ねがありました。
 統合作戦司令官の権限は、全て防衛大臣の命令によることから、防衛大臣が自衛隊を指揮監督する体制が確保されるため、文民統制が侵されることはありません。
 また、日米間では、米側のカウンターパートを含む日米の調整要領の詳細について、統合作戦司令部の任務や役割を踏まえ米側と議論を進めているところであり、御指摘の存立危機事態における対応も含め、予断を持ってお答えすることは差し控えます。
 その上で、武力攻撃事態等に至った際の我が国の武力の行使について申し上げれば、事態対処法の手続にのっとり、対処基本方針を閣議決定し、国会の承認を求めるなど、国会の関与を得て運用されることとなります。
 次に、海上自衛隊地方隊の改編についてお尋ねがありました。
 防衛省としては、我が国周辺海域における外国艦艇の極めて活発な活動を踏まえ、海上自衛隊の警備区を再編し、より高度な警備実施体制を構築していく方針であり、令和六年度は大湊警備区と横須賀警備区を統合することで、北方から太平洋にかけて沿岸の警戒監視任務をより迅速かつ効率的に実施していく予定です。
 一方、今回の改編により、横須賀地区についてはその役割に変化はなく、定員の増加もありません。そのため、地元の御負担が増えることはないと考えております。
 次に、航空自衛隊馬毛島先遣隊についてお尋ねがありました。
 防衛省は、南西地域における自衛隊の訓練、緊急時の活動及び米空母艦載機の着陸訓練のため、馬毛島基地を開設する予定です。
 令和六年度、開設の準備を担う馬毛島先遣隊を約九十人規模で新設し、将来的には、飛行場の維持管理等のため、恒常的に約二百人程度の自衛隊員が勤務する方向で検討しています。
 防衛省としては、引き続き、地元に対する説明や適時適切な情報提供を行いながら、環境にも配慮して施設整備を進める考えです。
 次に、航空自衛隊宇宙作戦群についてお尋ねがありました。
 宇宙作戦群は、宇宙空間の安定的利用への脅威に対応するため、宇宙領域把握を実施する部隊です。
 令和五年度末で約二百人規模ですが、令和六年度に約百十人の増員を行い、合計約三百十人規模の部隊とする予定です。
 宇宙作戦群の将来の人員規模については不断に検討することとしておりますが、いずれにせよ、防衛省としては、引き続き宇宙領域把握能力の強化を図ってまいる考えです。
 次に、ドイツ軍への弾薬の提供及び武器の定義についてお尋ねがありました。
 改正後の自衛隊法第百条の十八の下で、自衛隊からドイツ軍に提供可能な物品については、弾薬が含まれます。
 ACSAに関連する自衛隊法上の武器とは、直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置等を指しており、弾薬は含まれません。なお、日印ACSAに関連する自衛隊法の規定は、このような前提を踏まえて、提供できない物品として武器及び弾薬を明示する形で規定したものです。
 防衛装備移転三原則等では自衛隊法と異なる武器の定義が使われていますが、当該武器の具体的な内容は、それが規定されている規範の趣旨、目的に照らして定められるもので、両者を単純に比較することは適当でないと考えています。
 次に、ACSAにおける第三国移転についてお尋ねがありました。
 日独ACSAの下で提供される物品については、提供国政府の書面による事前の同意を得ないで受領国政府の部隊以外の者又は団体に移転してはならないとされています。仮に相手国政府から自衛隊が提供した物品を第三国に移転することにつき同意の要請があった場合には、そのときの状況を総合的に勘案して我が国政府として主体的に判断することになります。
 次に、防衛装備移転三原則及び運用指針の改正についてお尋ねがありました。
 防衛装備移転三原則及び運用指針は、外国為替及び外国貿易法の運用基準及びその指針を定めるものであり、同法の運用は行政権の作用に含まれることから、三原則等の見直しについては、同法にのっとり政府が主体となって行っていくことが適切であると考えています。
 その上で、防衛装備移転を含め、我が国の政策について国民の皆様の御理解を得ることは重要であると考えており、政府の考え方については国会における質疑などを通じて適切に説明してまいります。
 次に、GIGO設立の必要性についてお尋ねがありました。
 先端技術を含む最新鋭の戦闘機の開発に当たっては、企業側のみならず政府側も一元的に事業管理を行い、性能、コスト、スケジュール等の様々な要素について日常的に企業側と緊密に調整を行う必要があります。
 このため、GCAPはNATOの下のプログラムではありませんが、戦闘機の共同開発に係る機関として、ユーロファイターの事例を参考にしつつ、国際機関を設置し、効率的な開発体制を構築することとしており、三か国間でのバランスの取れた協業体制を構築するため、GIGOの本部については英国に置くことで合意したものです。
 次に、GCAPに係る知的財産権等の取扱いや、それらに関する国際約束の必要性についてお尋ねがありました。
 一般に、国際共同開発では参加国の知見の共有がなされるものであり、GCAPについても、現行法の下で我が国が保有する技術情報や知的財産を英国及びイタリアに使用させることが可能です。
 GCAPで新たに発生する知的財産権の取扱いについては、今後、英国及びイタリアと協議の上、企業側との契約等に適切に反映していくものであり、また、情報の保全については、GIGO設立条約において締約国及びGIGOに対し秘密情報の保護が義務付けられており、新たに国際約束を締結する予定はありません。
 次に、GIGOへの派遣人数、任務、経費等についてお尋ねがありました。
 GIGOは、三か国から合わせて数百人規模の組織となるとの想定の下、現在、具体的な派遣人員、任務、経費を検討しており、性能、コスト、スケジュール等の様々な要素について日常的に事業管理を行っていく予定です。
 いずれにせよ、これらの人員は我が国の防空を担う次期戦闘機を開発するために必要なものであり、人件費を含むGIGOに係る経費については年度ごとの予算案として国会で御審議いただき、国民への説明責任を果たしてまいります。
 次に、本法案の審議の在り方についてお尋ねがありました。
 本法案については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえ、防衛省・自衛隊の任務の円滑な遂行を図るための防衛省・自衛隊の組織、活動内容に関する法整備であるとの政策が統一的なものであり、その結果として、法案の趣旨、目的が一つであると認められること、また、内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められることから、御指摘の条約に関係する改正事項を含め、一つの法案で一覧的にお示しし、一体としての御審議をお願いしているものです。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121315254X01620240508_005

発言者: 木原稔

speaker_id: 34247

日付: 2024-05-08

院: 参議院

会議名: 本会議