青島健太の発言 (本会議)
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○青島健太君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の青島健太です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案並びに出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案について、岸田総理大臣に質問します。
一九九〇年、プロ野球を引退した私は、オーストラリアに渡り、ビクトリア州の学校で中学生と高校生に日本語を教えていました。平日の夕方、そして週末は地元の人々に誘われ、実習生のように未体験の様々なスポーツに取り組みました。そうした時間の中で改めてスポーツの価値と多様性を学び、スポーツライターになることを決意し、帰国します。私にとってオーストラリアは第二の故郷であり、自分の原点でもあります。
技能実習の制度は、私が帰国した直後、九三年に始まります。それから三十年、これまで同制度を利用して日本を訪れた外国人は延べ百八十三万人を数えます。彼らはどんな思いで日本での日々を過ごしたのか。彼らにとって日本が第二の故郷になっていることを祈るばかりですが、現状の技能実習はその狙いとは全く違うものになっています。
令和四年に受入先から失踪した実習生は九千六人。一年だけの出来事ではありません。平成三十年からの五年間を数えても、九千五十二人、八千七百九十六人、五千八百八十五人、七千百六十七人。とんでもない数の実習生が失踪しています。一体これは何を意味しているのでしょうか。見解をお示しください。
この失踪者の数だけでも制度の問題点を十分に物語っていますが、令和四年に行われた実習生に対する調査では、実習先でのこんな問題も報告されています。携帯電話やインターネットの使用禁止、外出禁止やほかの実習生との交流禁止、パスポートや預金通帳を取り上げる、母国語の新聞を読むことを禁止、男女交際の禁止、結婚、妊娠、出産を理由とした不利益な扱い。紹介していてもつらくなるばかりです。
技能実習では、原則三年間同じ職場にいなければならない。その上、日々過酷な労働環境や劣悪な住環境の中に置かれる。この制度が海外から現代の奴隷制度と言われるゆえんがここにあります。
技能実習制度の三十年間での人権侵害の要因についてどうお考えですか。政府の責任を問い、説明を求めます。
そこで、この現状を改善すべく、今改正には大きな期待を寄せたいところですが、もっと深刻な事態が発生する懸念が拭えません。最大の問題は、これから我が国はどんな技能を持った外国人をどのくらい受け入れていくのかという基本となる方針が示されていないからです。
こうした基本戦略の策定に当たっては、経済成長への貢献という観点が重要になります。外国人の受入れがどれほどの経済成長につながるのか、人手不足への安易な対策としての受入れではかえって経済成長を阻害するとの意見もありますが、政府の明確な見通しと見解を求めます。
経済成長につなげるには、国や地域の経済成長に資する高い資格や技術を有する高度人材について積極的に受け入れるように推進体制を整えるべきと思いますが、いかがですか。
また、人手不足緩和のための安易な外国人材の受入れは、通常の労働者の賃金水準の上昇を抑制するなどの弊害を生じさせるため、賃金水準を維持、上昇させるためにも、受入れについては慎重であるべきと思いますが、答弁を求めます。
我が会派は、まず基本戦略となる外国人基本法を作るべきだと考えます。外国人に選ばれる国になる前に、我が国としてどのような人材を求めていくか、その戦略なきままに一部の産業界からの要望などに応え、場当たり的な外国人の受入れが続けば、欧米諸国以上に深刻な移民問題に直面する可能性があるからです。移民問題に直面しないという保証はあるのでしょうか。お答えください。
日本社会を構成する一員としての外国人とどう向き合い、どう共存していくのか、受け入れる外国人の技能水準とその受入れ人数、さらには人権保護などについて、根本的な理念や政策を盛り込んだ基本戦略である仮称外国人基本法を早期に制定することを提案しますが、いかがですか。
基本法制定までの間、現行法の改正で対応することは当然ですが、最低限、現行法の問題点、反省点を踏まえた改正でなければなりません。
まず、外国人への不当な待遇についてです。
改正案では、現行法の基本理念にあった、技能実習は労働力の需要の調整の手段として行われてはならないの一文が削除されています。雇用の調整弁として外国人を扱わないようにするためにどのような手だてを取るのか、お答えください。
次に、受け入れる側の企業についてです。実習生を受け入れてきた日本の企業や事業所など、受入先にも大きな問題がありました。学びに来たという立場をいいことに、日本人以下の賃金で過酷な、しかも単純な労働を強いる、それによってブラックな企業が延命される。これでは経済の成長にはつながりません。
今回の育成就労では、外国人を不当な待遇で酷使するような悪質な企業をどうやって排除するのですか。具体的にお答えください。
言語の壁の問題も重要です。
日本で暮らす上で日本語の習得が大切ですが、働きながら日本語の勉強に取り組むことは容易なことではありません。受入先の理解はもちろん、周辺に日本語を学べる機関があることが必要です。
国内の日本語学校や教員の充実、母国を出国前に日本語を学べる海外での日本語教育について、政府はどのような計画を持っているのか、お聞きします。
地域に与える影響にも問題があります。
さきの令和四年の調査では、実習生の六〇・四%が家族と離れて寂しかったと答えています。私もオーストラリアの田舎町にたった一人で乗り込んだので、その不安がよく分かります。不安解消のためには、地域のコミュニティーに溶け込めることが大事になってきます。
働く場所だけでなく、コミュニティーの受入れ態勢も整備しなければなりません。地元への説明や理解促進は誰が進めるのですか。地域の住民や自治体への支援策が必要ではありませんか。外国人を受け入れる地域への対応と環境整備についてお答えください。
最後に、治安対策について伺います。
残念なことに、在留外国人による犯罪がもう既に多発しています。外国人犯罪がなぜ発生するのか、その要因と傾向について見解をお示しください。加えて、今後の犯罪、防犯対策についての所見をお答えください。
また、犯罪に至らないまでも、地域住民と外国人との対立が顕在化している地域もあります。当該の地域では、住民も自治体も対応に苦慮しています。こうした現状を解決するために国としてなすべきことは何か、政府の責任ある答弁を求めます。
この国の未来を見据えて、どのようなバランスで外国から来た人たちと共生していくか、その未来予想図をしっかりと描かなければなりません。外国人を安価な労働力としてだけ受け入れるのであれば、経済成長は見込めないばかりか、この国の秩序と安心は守ることができません。
日本が目指すべき豊かな社会の実現に向けた外国人基本法の早期制定を含めた今後の議論をしっかりと見極めていきたいと思います。会派を超えた真剣な議論を求めて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕