水野素子の発言 (本会議)

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○水野素子君 立憲民主・社民の水野素子です。
 ただいま議題となりましたグローバル戦闘航空プログラム(GCAP)政府間機関の設立に関する条約について、会派を代表して質問します。
 近年、深刻な国際紛争が頻発しています。宇宙から見たら、地球に国境はありません。侵略や力による現状変更から国民の命、財産、主権、国境を守るのは大事ですが、そのために多くの大切な命が失われていることに深い悲しみを感じます。戦争の苦難の歴史と平和憲法を持つ日本こそが、武力の行使や戦争によらない平和の維持、構築を、戦争を防ぐ抑止力としては武力よりも外交を、国連改革やICJなどの国際裁判制度の補強などにおいて国際社会でリーダーシップを果たすべきだ、これが私の、そして多くの国民の願いであります。
 そのような基本認識の下、次期戦闘機、GCAPの開発や輸出を念頭に置いた国際組織GIGOの設立と参加に関する本条約について質問をいたします。
 そもそもなぜ次期戦闘機の開発が今必要なのか、改めて問います。
 残念ながら、国際紛争が多発している現状においては、日本でも自衛のために必要最低限度の装備が求められるのが現実です。しかし、約四十三兆円にも及ぶ防衛費の大幅な増加、トマホーク四百発など膨らみ続けるFMS調達など、国民の暮らしが厳しい状況においてほかの暮らしを守る予算とのバランスが悪く、具体的な用途にも疑問が多い。さらに、近年、安全保障の戦略領域は、無人機、ドローン、宇宙、サイバー、電磁波など、人員喪失リスクを極力低くすることを念頭に置いた装備品や抑止力技術に各国の主軸は移っています。十年も掛かると言われる次期戦闘機の開発に多額の国家予算、税金を投入し、これから取り組む必要性と合理性について、木原防衛大臣、改めて御説明ください。
 コロナ禍におけるワクチンやマスク不足、食料、エネルギー自給率の低さ、産業の米と言われる半導体不足など、国民の安心、安全に必要なものは自給率を高めるのが安心かつ産業政策上も国のあるべき姿です。同様に、従来、次世代戦闘機は日本独自開発を目指していたのに国際共同開発に転じた理由は何ですか。最大の費用対効果を得るための協力と前文にうたっていますが、本共同開発により、具体的に一機当たりの調達においてどの程度の金額面のコストメリットがあるのか、防衛大臣、御説明ください。
 万一、GCAPの開発が失敗し、GIGOが解散する場合、清算はどうなりますか。開発に失敗した実施機関や企業などによる共同事業体制などの原因者は、どのように責任を取りますか。我が国が拠出した資金について求償はできますか。防衛大臣にお聞きします。
 GIGOと企業などによる共同事業体制との契約において、利益相反や水増し発注などの不適切な行為を防ぐためのチェック体制はどうなっていますか。GIGOの公文書は不可侵と規定されていますが、着服や水増し発注などの場合でも資料開示請求ができないとしたら問題ではないですか。調達について、本件に限らず、そもそも防衛省、防衛装備庁では、企業からの価格等の提案を厳格に審査、チェックするためにどのような万全の対策をしていますか。防衛大臣にお聞きします。
 国際共同開発の協力先として、様々な選択肢の中から英国、イタリアが最善と考える理由について、安全保障、技術上のメリット、産業効果の観点から、防衛大臣、御説明ください。
 二〇二二年十二月の日英伊のグローバル戦闘航空プログラムに関する共同首脳声明の発表と同日に、次期戦闘機に係る協力に関する防衛省と米国防省による共同発表が行われた背景は何か、防衛大臣、御説明ください。
 追加的な締約国の参加が規定されていますが、どのような国が想定されますか。新規加入は全締約国の合意が必要とされています。機微技術の共有先であり、慎重な判断が必要なため、我が国においては新規加入の是非を事前に国会承認により判断しますか。防衛大臣にお聞きします。
 国際共同開発において国際組織の設立は不可欠ですか。職員への広範な特権免除や労働条件など、組織の設立、維持のための調整事項、手続コストが大きいと感じます。既に各国で企業の選定も進んでいます。防衛省を始め人材不足の中、我が国からの派遣は百人にも上ると聞きます。多くの人員を雇用、派遣する国際組織の設立に時間と費用を掛けるよりも、共同開発自体の合意を行い、定期会合などで共同事業体制の業務の進捗を共同で確認し、管理する方が合理的かつ一般的ではないですか。防衛大臣にお聞きします。
 本条約の実施詳細の大半、実施機関の業務の定義、非締約国への輸出の仕組み、秘密情報の保護のルールなど、十七項目にも上る重要事項について別途の取決めを関係当局間で定めるとされています。条文で基本的な考え方も示さず白紙委任するのは、国会軽視ではないですか。我が国において別途の取決めの内容を誰がどのようなプロセスで事前確認しますか。我が国における関係当局とは何ですか。条約上の権限を授権するのであれば、条文などで関係当局を指定してあらかじめ明らかにすべきではないですか。上川外務大臣にお聞きします。
 GIGOの本部は英国、そして企業などによる共同事業体制の本部も英国。GIGO実施機関の長たる首席行政官の初代は日本人でも以後はローテーション、共同事業体制の初代の長はイタリア人で以後はローテーションと聞きます。GIGO本部を日本に誘致する、又は企業などによるジョイントベンチャーとなる共同事業体制の立ち上げを担当する方が雇用や産業などへの実質的なメリットが大きいと感じます。なぜ実施機関の長を担当する選択をしたのですか。防衛大臣にお聞きします。
 円安の中で多くの職員が海外に駐在することや、下請も含めた雇用や将来ビジネスの喪失など、国内にGIGO本部を誘致したときと比べて、追加的に掛かるコストや逸失利益をどのように見積もっていますか。防衛大臣にお聞きします。
 GIGO本部が設立される英国はEUから離脱しています。GCAPは世界中から先端の技術や知見を糾合する必要があり、また、非締約国への輸出も想定されています。日本やイタリアよりも英国にGIGO本部を置くことで、技術、情報、関係者などの国境を越える移動において現場のデメリットはありませんか。防衛大臣にお聞きします。
 GIGOの雇用契約又は労働条件は、締約国の最良の慣行を反映するとされています。我が国の労働条件が他の締約国の労働条件より劣っており、他の締約国の条件に従うことになるのは具体的にどのような点ですか。例えば、防衛省が派遣する職員の給与はどの程度増減しますか。また、日本と英国などをGIGOの業務において往復する際のビジネスクラスの利用などの待遇の差は生じますか。我が国の公務員の労働環境の国際比較の観点からも防衛大臣にお聞きします。
 条約には、締約国と産業界との間でデータ及び有形資産の移動を認め、並びにこれらを共有することが重要とありますが、知的財産権を含む無形資産の移動や共有はないのですか。GCAP共同開発により新たに発生する知財の所有者は、各国政府ですか、GIGOですか、企業などによる共同事業体制ですか、それとも開発に関わった企業ですか。国家予算を投じて生じた安全保障上重要な知財であり、我が国政府として単独又は共同での保有、あるいは利用権を明確に保持すべきです。開発に伴う知的財産権の取扱いについて、どのような文書により定めることが想定され、政府としてどのようにその内容の妥当性を確認するのですか。防衛大臣にお聞きします。
 GCAPの製造拠点はどこになる見込みですか。パーツを分散して製造する形式であれば、全体をインテグレートする拠点工場はどこになりますか。また、開発成功後のGCAPの製造権は誰が持ち、各国はどのようなルートと手続で発注し支払を行いますか。防衛大臣にお聞きします。
 秘密情報を共通の程度で保護すると規定されていますが、我が国で具体的に対応する法制度は何ですか。我が国において遵守すべき守秘の程度について、他の締約国や関係企業などの遵守をどのように確保できますか。GIGOの職員採用時のセキュリティークリアランスについて、我が国の関係法令と相違はありますか。防衛大臣にお聞きします。
 条約ではGCAPのための装備や技術の非締約国への輸出を円滑にする共通の仕組みを設立するとしていますが、この仕組みとは具体的に何ですか。また、この仕組みに反映するとされる適用のある国際協定並びに武器管理制度に関する約束を含む締約国のその他の法的義務及び規則とは、我が国においては具体的に何ですか。防衛大臣にお聞きします。
 GIGO本部を国内に誘致できなかった背景に防衛装備移転三原則及び運用指針は影響しましたか。我が国からの完成機の輸出を解禁するために、昨年十二月及び本年三月に防衛装備移転三原則及び運用指針を、自公政権内でも異論がある中、強引に改正したのはなぜですか。防衛大臣にお聞きします。
 我が国で製造されても、他の締約国で製造されても、同じ性能の完成機です。改正された防衛装備移転三原則及び運用指針では、我が国は現に戦闘が行われている国に対してGCAP完成機の移転は行わないとしています。他の締約国が第三国に移転する際の我が国の事前確認においては、現に戦闘が行われている国への移転を我が国は認めず、したがって、現に戦闘が行われている国にはGCAPの移転は一切行われませんか。そもそも第三国移転への我が国の不同意を他の締約国が遵守する根拠は何ですか。防衛大臣にお聞きします。
 改正された防衛装備移転三原則及び運用指針では、我が国からのGCAP完成機の第三国移転は、国連憲章に適合した使用を義務付ける国際約束の締約国に限定しています。しかし、国連にはほとんどの国が加盟しているので、国連憲章との適合による移転先の限定はないに等しく、実態としては、国際約束を締結さえすれば、どの国にも移転できるのではないですか。防衛大臣にお聞きします。
 改正された防衛装備移転三原則及び運用指針は、完成機の輸出をGCAPのみに限定しています。このように、本来そもそもは輸出できる武器の範囲を狭めているのはなぜですか。憲法の平和主義の精神に基づくものですか。そして、このような制約を生じさせているのは防衛装備移転三原則及び運用指針ですか。そうであれば、防衛装備移転三原則及び運用指針は、日本国憲法の平和主義の解釈と適用に深く関わるものであり、政府・与党のみの閣議決定で改正するのは立憲主義、民主主義の観点で問題があり、事前に国会で丁寧に説明して国民的議論を行うべきではないですか。近藤内閣法制局長官にお聞きします。
 結びに一言申し上げます。
 昨年末の防衛装備移転及び運用指針の改正、さらには一昨年末の安保三文書の改正についても、私は国会で改正内容を事前に政府にただしましたが、全く回答はなく、国会閉会直後に閣議決定により改正されました。憲法の平和主義に関わる重要な法政策について国会で事前に説明せず、与党のみの閣議決定で密室的に改正し、骨抜きにしてきた政府の姿勢は、立憲主義、民主主義の観点で問題です。
 この政府・自民党の国会、国民軽視の政治姿勢は裏金問題にも通じます。多くの自民党現職議員が絡み、違法性のおそれもある戦後最大級の不祥事を仲間内の不透明な調査や形だけで中身のない改善策でごまかし、トップも責任を取らない。このように国民を欺き続ける政治を変えなければ、日本の未来はありません。
 真っ当な政治のために政権交代を。国民の皆様に決意と連帯を訴えて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 水野素子

speaker_id: 34869

日付: 2024-05-29

院: 参議院

会議名: 本会議