金子道仁の発言 (本会議)
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○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。
教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案について質問いたします。
昨年生まれた子供の数は七十二万七千人、過去最低を更新しました。子供の数が減っているにもかかわらず、児童生徒が被害となった性犯罪の数は十年前とほとんど変わっておらず、痛ましいニュースが報じられています。こうした中で、長く待ち望まれていた本法案が審議されることは非常に意義のあることです。本法案を通して、子供たちを性暴力から守るという社会的意識が一層高まることを期待します。
イギリスでは、一九八六年から犯罪歴照会制度、いわゆるDBS制度が導入され、以降、様々な制度改正の結果、現在では用途に応じて四種類の証明書が発行され、子供に関わる幅広い職種での制度利用が定着し、子供を性暴力から守るということが当たり前という社会意識が広がっています。
日本では初めての導入ですが、先行する諸外国で積み重ねられた知見も参考にしながら、子供の安全確保を最優先にして制度構築を目指すべきだと考えます。こうした視点から、以下の質問をいたします。
最初に、犯罪事実確認の実施主体について加藤大臣にお伺いします。
犯罪事実確認の実施主体については、本法律案では学校設置者にのみ義務を課し、民間教育保育等の事業者については手挙げ式の認定方式を採用しています。義務である場所と任意である場所の相違は社会の都合であり、子供にとってはどちらも自分たちの活動場所です。民間教育保育事業者等、民間教育保育等事業者の中で速やかに実施主体の拡大を図るべきだと考えますが、民間の認定事業者の促進に向けた施策をお聞かせください。
次に、犯罪歴確認の対象期間の合理性について質問します。
犯罪歴の掲載期間について、イギリスでは児童対象の性犯罪全般、ドイツでは児童対象の性的虐待致死等の重大犯罪については、無期限に記載される運用となっています。これに対して我が国では、最も重い性犯罪でも刑の執行終了から二十年が経過すると記載されない運用となります。子供の安全を守る観点からは、重篤な性犯罪についてはこうした確認期間に制限を設けない方が適切ではありませんか。
教職員等性暴力防止法では、その基本指針において、特定免許状失効者等データベースの情報は少なくとも四十年間分は蓄積されるとの方針を示しています。本法案では、この方針と矛盾していませんか。二十年より四十年間データが蓄積され照会される方がより子供の安全に資するものと思われますが、本法律案では子供の安全を守る姿勢が後退しているのではありませんでしょうか。
犯罪歴確認の対象期間に制限を設けるのであれば、性犯罪加害者の再犯予防アプローチ、更生プログラムの充実は不可欠であり、子供を対象とする再犯防止を確実なものとすべきだと考えます。性犯罪者の更生プログラムの現状と課題をお聞かせください。
以上三点、加藤大臣に回答を求めます。
また、既存のデータベースの確認プロセスとの関係について質問します。
本法律案に類似する過去の行為の確認手続としては、令和三年に成立した教員等性暴力防止法における特定免許状失効者等データベースと、児童福祉法改正により今春運用開始となった保育士特定登録者、ごめんなさい、保育士特定登録取消者データベースがあります。現場の負担を考えれば、同様の照会プロセスは可能な限り早急に一元化すべきだと考えますが、衆議院で我が党浦野議員の本会議質疑において大臣より、現場の意見を聞いて検討する旨の答弁がありました。現場の負担軽減は制度運用の鍵であり、早急な対応をお願いしたく、加藤大臣の答弁をお願いいたします。
続いて、通報義務について加藤大臣に伺います。
本法案では、確認対象となる性犯罪歴については、裁判所が事実認定した前科のみを対象としていますが、その土台となるのは、学校現場等での通報義務の徹底です。本法律案では通報義務の規定はありませんが、運用上問題ありませんか。
教員等性暴力防止法の通報義務による運用が想定されていると理解されますが、同法の基本指針では、依願退職等により水面下で穏便に済ませるようなことは決してあってはならないと明記されています。
しかし、今年五月、教員による性犯罪事件の公判をめぐり、横浜市教育委員会が職員を大量動員し、一般市民を傍聴席から締め出すという事件が発覚しました。この事例は学校現場における隠蔽体質をうかがわせ、大変憂慮すべきものです。学校現場にこうした体質が広がっていないことを願うばかりです。
こうした懸念を払拭するためにも類似案件をしっかりと全国規模で調査すべきだと考えますが、こちらは盛山文科科学大臣に御所見を伺います。
そして、子供の受皿となる制度の簡素化について質問いたします。
本法律案の特徴の一つは、定義規定が非常に長いということです。こども家庭庁の皆さんが対象事業者等を網羅するために大変な努力をされたことを評価します。しかし、裏返して言えば、これは子供の受皿となっている施設、制度が複雑化している現状を反映しています。
今後、子供の利益を図る様々な施策を行う際に、こうした制度の複雑さは制度設計上も運用上も支障となりかねません。教育の理念の多様性は重要だからこそ、制度はシンプルに一元化する方向が望ましいと考えます。制度の簡素化、例えば認可外保育施設の認可施設への移行促進、幼保一元化等、重要だと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
また、無犯罪証明書、いわゆるホワイトペーパーについて伺います。
無犯罪証明書を本法律案で導入しなかった理由としては、従業者本人が自ら無犯罪証明書の交付申請ができることとすると、対象事業とは無関係の業種への就職時にも無犯罪証明書の提出が求められる危険性、例えば結婚相手の親から無犯罪証明書の提出を求められるなどのおそれがあるとして、事業者を申請主体とした犯罪事実確認書の交付という立て付けにしたと承知しています。
しかし、こうした課題は今後の制度手続の改善により解決できるものではありませんか。また、今後は対象事業者の拡大に比例して情報管理の困難さが増大します。万一の情報漏えいに際しても、犯罪事実確認書、いわゆるブラックペーパーより、無犯罪証明書、ホワイトペーパーの方が就職希望者本人に与える影響は小さいのではないでしょうか。
制度の運用拡大に伴い、イギリスやドイツのように、ホワイトペーパーも含めた多種類の犯罪証明書を業種に応じて使用する制度に改変していくべきだと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。
最後に、今後の検証スケジュールと改正についてお伺いします。
重篤な再犯が起こってから制度を改正することは絶対に避けるべきです。子供の安全を最優先に考えて、可能な限り事前にリスクを回避すべきです。事業対象者の拡大、ホワイトペーパーの導入、通報制度の徹底等、制度の改善を積極的に行うべきだと考えます。今後の検証スケジュールと制度改正の見通しについて加藤大臣に伺います。
私たちは、足りない親であっても自分の子供には最善のものを提供したいと願います。こうした親の思いを共有して社会全体で子供を我が子のようにして守る、そのような社会意識が広がるよう、本院でも建設的な議論が重ねられていきますことを願っております。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣加藤鮎子君登壇、拍手〕