清水貴之の発言 (本会議)

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○清水貴之君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の清水貴之です。
 私は、会派を代表し、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案に対して、賛成の立場から討論を行います。
 今回の改正法案は、三十年以上にわたって国際貢献の名の下に外国人を安価な労働力として使い続けてきた技能実習制度を、日本の労働市場における人材の育成と確保を目的とする育成就労制度に改めるものです。
 この改正案に対して、我が党は、昨日の法務委員会での採決を前に修正案を提出しました。委員会での審議を通じて、今回の改正法案では、現行の技能実習制度が抱える課題の本質的な解決に至るには不十分だと考えたからです。
 今回の改正案が外国人に劣悪な労働環境を押し付け、人権上の問題も指摘されてきた状況を一定程度改善するために必要な改正であることには賛同いたします。
 しかし、この改正案には、これから我が国がどのような技能を持った外国人をどのくらい受け入れていくのか、そして日本に働きにやってくる外国人とどう共生をしていくのか、その基本となる方針が示されていません。
 さらに、経済成長への貢献という観点が足りず、基本方針の作成を通して、外国人の受入れがどれほどの経済成長につながるのか戦略を立てる必要があります。
 そういった観点から委員会での質問を重ねましたが、総理からは、特定技能制度と同様に受入れ見込み数を設定し、それを上限として受け入れていくという短期的な視点での答弁はありましたが、国家としての長期的な戦略、見通しについての答えはいただけませんでした。
 また、小泉法務大臣は、漸進的に各分野を通じて進めていきながら、国民の反応も見、成果を評価し、結果的に決まっていくと捉えているとのことで、あらかじめ目標設定をするのは難しいとの回答でした。
 総理は、いわゆる移民政策を取る考えはないと言われますが、二月九日の関係閣僚会議にて示されたように、育成就労制度を通じて永住につながる外国人の受入れ数が増加することが予想されます。
 どのような働き手がどれくらい入ってくる見込みなのか、先を見通した戦略がなければ、今後も人手不足に対する安易な外国人の受入れが続くことは避けられません。まずは、当該受入れに関する施策に関し、基本理念、国の責務、政府による基本戦略を制定するべきであることを主張させていただきます。
 改正案を見ると、技能実習から育成就労に名称は変わったものの、改正前と同じように外国人を受け入れ、そのまま特定技能者に移行できる仕組みになっています。育成に力を入れるというものの、改正前と大きく変わりません。
 我が党が出した修正案では、就労目的の外国人の受入れに係る大きな考え方として、高度人材の積極的受入れと、それ以外の人材の受入れという二つの方針を示しました。この二つの方針に基づき、戦略的に就労目的の外国人の受入れが行われていくべきだと考えています。
 まず、高度人材の積極的受入れでは、我が国経済の成長に資する専門的、技術的な分野で、高度人材としての活動や熟練した技能を要する業務への従事などを行う外国人を積極的に受け入れるよう推進していくべきです。
 そして、委員会でも繰り返し質問をしましたが、それ以外の人材の受入れを継続していくことが果たして日本の経済成長に寄与するのかどうか、大変疑問です。
 育成就労制度による労働力確保は、短期的には現在の、特に地方の人手不足解消のためには必要なことかもしれません。しかし、長期的に見ると、安価な外国人労働者の受入れは、本来ならば技術革新やデジタル化の推進により企業の生産性が向上し、よって賃金も上がっていくというプラスの循環を阻害することになるのではないでしょうか。
 安価な労働力に頼り続けるのではなく、伝統工芸や日本独自の技術など、我が国以外では修得することの難しい技能に対する意欲を有する外国人に限って受入れが行われるべきであり、そのために必要な措置を講ずることを政府には是非考えてもらいたいと思います。そうすることによって、我が国、そして各地域で経済成長に資する人材を確保していくことになります。
 そして、その際、企業には、これまでの安易な外国人の受入れでその地域の賃金水準の向上が阻害されることを防ぐ観点から、安価な労働力を求める企業等による制度の悪用を排除することが必要です。
 改正案では賃金水準について日本人と同等又はそれ以上との要件を付すとのことですが、現行の技能実習でも同じ規定があり、これまでどおりにすぎません。その実現についても、受入先企業の意向に期待するだけで、制度として担保されたものとはなっていません。
 我々は、育成就労外国人の報酬が適正な水準となるよう、地域、業界の賃金水準よりも一定比率以上の高い賃金を払う企業等に利用を認めることを前提に必要な措置を講じるべきだと訴えます。
 その上で、改正案にあるように、本人の希望により一年ないし二年での期間で別の就労先に移籍することが可能となれば、本人の希望と実際の就労先とのミスマッチの解消につながるだけではなく、受入れ企業側でももっと長く働いてもらおうという意識が強まることから、賃金アップ等の待遇や職場環境の改善への大きなインセンティブが働くことにもなると考えています。
 こうした点を明確にするためにも今回の改正案を更に良くしていくことが大切で、基本理念と国の責務、政府による基本戦略の策定、そして、その他の基本となる事項を定める新たな基本となる方針の制定のための措置が必要だと思います。これは、日本が選ばれる国として国際的な評価を高めるためにも必要です。
 我が党はこのような将来社会を描いた修正案を提出しましたが、今国会では賛同を得るには至りませんでした。しかし、早晩、我々の言う基本となる方針は必要となってくることは間違いないと確信をしています。
 今回の改正案では、積み残された多くの課題が全て解決できるとは思えません。しかし、外国人に劣悪な労働環境を押し付け、人権上の問題も指摘されている現在の技能実習制度を改善させることは喫緊の課題であることは間違いなく、一歩前へ進めるという意味で今回の改正案に賛成をしたいと思います。
 今回の法改正にとどまることなく、今後、不断の見直しと改革を進め、日本の社会と経済の発展に資する外国人の受入れ制度を確立していかなければなりません。
 日本維新の会と教育無償化を実現する会は、世界から多様な高度人材を受け入れ、豊かな多文化共生を実現することを目指してこれからも全力を尽くすことを表明し、賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 清水貴之

speaker_id: 28400

日付: 2024-06-14

院: 参議院

会議名: 本会議