岸田文雄の発言 (予算委員会)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 済みません、まず、先ほどの答弁の中で、米国の国家防衛産業戦略、昨年の一月と答弁したようですが、実際は本年一月でありました。訂正をいたします。
その上で、今の御質問に対してのお答えですが、国際共同開発の協議は、各国が置かれている安全保障環境に応じて必要となる性能について議論を重ねつつ、共通の機体を造り上げていく、こうしたプロセスです。具体的には、機体のサイズやコストに制約があり、各国全ての要求性能が実現できない中、各国が同等の貢献を行うことを前提に自国が優先する性能の搭載を主張し合う、こういったプロセスでもあります。
先ほど答弁したとおり、我が国は次期戦闘機の開発において空対空能力を重視しています。具体的には、レーダーやカメラ等を通じて脅威の状況を把握するセンシング技術や相手から見えにくくするためのステルス性能、敵味方の位置情報等を通信で共有して組織的な戦闘を行うネットワーク戦闘、こういった面で高い能力に加えて、航続距離等も重視することとなります。
二〇二二年末に三文書を閣議決定した当時は、我が国は、技術面や資金面で十分な貢献をすることによって我が国の要求を通し、我が国が求める戦闘機を実現することが可能であると考えていました。しかしながら、協議を進める中で、英国、イタリア、英伊は調達価格の低下等に向けて完成品の第三国移転を推進することを貢献の重要な要素と考え、我が国にも同等の、同様の対応を求めている、こういったことが明らかとなりました。
こうした中で、要求性能を実現するためには、輸出等による価格低減努力を含めて十分な貢献を行う必要があります。逆に、我が国から第三国への直接移転を行う仕組みが存在しなければ、我が国は価格低減の努力を行わないことになり、そのような我が国が優先する性能を実現するために英伊が自ら求める性能を断念することは想定されず、我が国が求める戦闘機の実現、これが困難となります。
したがって、我が国の安全保障環境にふさわしい戦闘機を実現し、我が国防衛に支障を来さないようにするため、直接移転を行い得る仕組みを持ち、英伊と同等に貢献し得る立場を確保することが我が国の国益であると考えた次第であります。
また、国際共同開発・生産による完成品である次期戦闘機において、我が国が直接移転を行い得る仕組みを持たないこととなれば、我が国は国際共同開発・生産のパートナー国としてふさわしくないと国際的に認識をされてしまうことにもなります。今後、同盟国、同志国との国際共同開発・生産への参加が困難となれば、我が国が求める性能を有する装備品の取得、維持が困難となり、我が国の防衛に支障を来すことになる、このように考えた次第であります。
こういったことから、この英伊との共同開発交渉を進める上で、この三国移転の、第三国への移転の重要性を認識した次第であります。