2024-03-15
参議院
上川陽子
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会
上川陽子の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)
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○国務大臣(上川陽子君) 所信を申し述べるに先立ち、令和六年能登半島地震の犠牲者の方々に心からの哀悼の誠をささげるとともに、御遺族に謹んでお悔やみを申し上げ、負傷された方々及び被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。海外からも多くのお見舞いと支援の申出をいただいており、これらの国、地域及び国際機関等に謝意を表します。
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶と所信を申し述べます。
世界は今、歴史の転換点にあると、私は日々実感しています。
今なお続くロシアによるウクライナ侵略、中東情勢、気候変動を始めとするグローバルな課題に直面しています。こうした複合的な危機の一方で、グローバルサウスと呼ばれる途上国、新興国の存在感が増しており、国境や価値観を超えて対応すべき課題は山積しています。
日本は、全ての人が平和と安定、繁栄を享受できるよう、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化し、誰一人取り残さないというSDGsの理念に基づき、人間の尊厳が守られる安全、安心な世界を実現するための外交を推進していきます。
こうした外交を推進する上で、日本の特色である人間を中心に据えたきめ細やかな開発協力は、最も重要なツールの一つです。
昨年六月に改定した開発協力大綱では、新たな時代の人間の安全保障を指導理念に掲げつつ、途上国等との社会的価値の共創により、開発途上国の課題解決と同時に、我が国の成長等の国益実現にも資するODAを推進していくことを表明しました。
本年は、国際協力七十周年、すなわち日本がODAを開始してから七十年の節目に当たります。国際社会の平和と安定、繁栄、日本の国益の双方の実現に貢献すべく、次の三点に重点的に取り組みます。
第一に、新しい時代における質の高い成長の実現のための取組の推進です。
日本の強みを生かして提案するオファー型協力として、昨年十二月、日・カンボジア首脳会談で、デジタル分野での協力メニューに合意しました。こうしたオファー型協力を一層推進するとともに、民間資金動員型ODA等も活用し、官民が連携する形で開発途上国の質の高い成長を実現し、同時に我が国の課題解決や経済成長につなげます。
また、質の高い成長のためには、女性や子供を始め、脆弱な状況下に置かれている人々への支援も引き続き重要です。深刻化の一途をたどるガザ地区における人道危機に対しては、先月新たに発表した約三千二百万ドルの緊急無償資金協力等も活用し、これらの課題に積極的に取り組んでいきます。
第二に、自由で開かれた世界の持続可能な発展に向けた貢献です。
自由で開かれたインド太平洋、FOIPの理念の下、法制度整備支援や平和構築、連結性、強靱性強化等の実現に資する取組を引き続き力強く進めます。
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化のため、先月の日・ウクライナ経済復興推進会議の成果も踏まえ、日本ならではの貢献を通じて、ロシアの侵略に立ち向かうウクライナを引き続き強力に支援していきます。
第三に、複雑化、深刻化する地球規模課題への国際的取組の主導です。
本年九月の国連未来サミットも見据え、人間の安全保障の理念に立脚し、二〇三〇年までの国際社会全体でのSDGs達成に向け、食料、エネルギー、気候変動を含む環境問題、国際保健、女性・平和・安全保障、いわゆるWPS等の分野にしっかりと取り組みます。その際には、二国間支援と国際機関拠出を戦略的、機動的に活用し、強力かつ迅速な支援を実施します。
これらの取組を力強く進める上では、新たな時代に合わせたODAを支える制度と基盤の改善強化が不可欠です。
今月、私の下に、開発のための新しい資金動員に関する有識者会議を立ち上げました。本有識者会議からいただく提言も踏まえ、開発ニーズに合わせた柔軟かつ効率的な協力の実施のため、不断の制度改善を行います。
同時に、公的資金を原資とするODAは、国民の理解と協力が基盤であることは言うまでもありません。国際協力七十周年という節目の本年、先般、神戸にて七十周年キックオフイベントを行いました。今後、七十周年の機運も大いに活用し、ODAが日本の国益、特に国民生活の維持や日本の経済成長に寄与していることを分かりやすく、親しみやすく説明してまいります。
以上の施策を前進させるべく、外務大臣として全力を尽くす所存です。
藤川委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御支持を心からお願い申し上げます。