武正公一の発言 (憲法審査会)
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○武正委員 立憲民主党、武正公一です。
憲法審査会の運営、議論の進め方について申し述べたいと思います。
国民投票法改正案に対して、立憲民主党は、附則第四条が求める法制上の措置には、国民投票の公平及び公正を確保するための措置を講ずるものとあることから、その点も法改正に盛り込むべきと主張してきた。法施行後三年の見直しを本年九月十八日に迎えたことから、最優先で取り組むべき課題と考える。
ネット広告の飛躍的増加、ネットを通した世論操作、広告放送の量的自主規制を行わないとの民放連の発言などの事情変更を踏まえ、国民投票法改正案に次のような事項を検討すべきである。一、憲法改正案に対する賛否の勧誘のための広告放送の全面禁止、二、政党等による賛否の意見表明のための広告放送の禁止、三、政党等によるインターネット有料広告の禁止などである。
さらに、選挙におけるネット、SNSによる誤・偽情報、いわゆるフェイク情報の拡散といった問題に対応するため、一、憲法改正案に関するタウンミーティングの開催、二、インターネット等を利用する方法による広報の二項目を広報協議会の事務に追加することも検討すべきである。また、フェイク情報の流布に対応するため、ファクトチェックを行う民間団体等と広報協議会との連携に関する規定についても検討すべきである。
最近の選挙では選挙妨害や選挙運動用ポスターなどに関わる問題に対して法整備の必要性が指摘される一方、選挙運動や表現の自由の保障も重要である。そこで、表現の自由や選挙運動の自由の意義と、制約の可否や程度について、憲法の観点から議論すべきであると考える。
次に、衆議院の解散に際し、時の内閣による恣意的な権限行使が繰り返されている。政府解釈では党利党略による解散権の行使は許されないとされており、このような恣意的な権限行使は、憲法上、到底許されるものではない。
在外日本人選挙権訴訟違憲判決より、可能な限り在外投票の機会を確保すべきというのが憲法の要請と考える。しかし、今回の衆議院選挙の解散では、投票所入場券が届くのが特に大都市を中心に遅れて、期日前投票に影響が出、結果、投票率は戦後三番目の低さになり、在外投票率も一%台と言われる。解散から選挙期日までの期間が短いことは選挙権の行使に支障を生じさせており、国民の権利を侵害していると言える。
立憲民主党は、衆議院の解散は、一、憲法六十九条に規定する場合のほか、二、直近の衆議院総選挙後に浮上した国政上の重要な争点について国民の判断を仰ぐべき場合などに限定することを提案する。加えて、衆議院を解散する場合には、内閣は解散の予定日と理由を衆議院に通知し、本会議で質疑を行うことを義務化することで、恣意的な解散を抑制することができると考える。以上の解決方法について議論を進めるべきである。
さらに、憲法第五十三条による内閣の臨時国会召集は憲法上の法的義務であり、内閣は合理的期間内に臨時国会召集を決定しなければならないとするのが、政府、学説のいずれにおいても確立した見解である。ところが、諸内閣が臨時国会召集を放置する憲法違反の繰り返しが常態化している。同規定の趣旨を踏まえ、臨時国会召集の要求があった場合、二十日以内に臨時国会を開会するなど、必要な法制上の措置を議論するべきだ。
また、憲法審査会の目的には、「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査」がある。同性婚訴訟は、今年に入って三つの高等裁判所で違憲判決が出た。同性婚を認めない民法などの規定が憲法十四条一項の法の下の平等や二十四条二項の個人の尊厳と両性の本質的平等に反するとしたほか、福岡高裁では、十三条の幸福追求権にも反すると判断された。裁判所は同性婚の法制化を立法府に求めており、違憲判決が相次いでいることから、同性婚の法制化について国会で議論をすべきである。
法人の人権については、八幡製鉄事件では、法人の人権享有主体性を権利の性質上可能な限り認め、法人は政治資金の寄附など政治的行為をなす自由を有するとしている。その上で、巨額の寄附による金権政治といった問題点への対処は立法政策で解決すべきものとしており、法律により企業の政治活動の自由を制限することは可能であると解される。また、南九州税理士政治献金事件では、強制加入団体による政治資金の寄附は目的の範囲外であるとしている。このような判例を踏まえ、法人の政治活動の自由に関し、今臨時国会でも衆議院予算委員会で石破総理の発言もあり、議論を深めるべきと考える。
また、サイバー攻撃に対して常時パトロールを行う積極的、能動的サイバー防御が必要とされる一方、通信の秘密が制約される可能性も考えられる。通信の秘密を最大限保障する観点から、能動的サイバー防御の導入に際し想定される具体的事例と制約の可否について、ヒアリングや議論を行うべきである。
信教の自由は個人の価値観の根源であり、手厚く保障されるべきである。一方、旧統一教会などの問題から、カルト宗教への対策の必要性も指摘されている。そこで、信教の自由に関する判例などに関するヒアリングを行い、信教の自由の制約の可否や程度について議論すべきである。
ほか、立憲民主党憲法論議の指針の下に臨んでまいりたい。
最後に、衆議院議員選挙も終え、憲法審査会の進め方は、新しい議員を多く迎え、各党各会派での意見集約、情報共有を前提に、党会派を代表しての意見を述べ、質疑を行い、憲法審査会での議論を丁寧に、そして闊達に進める必要がある。
以上です。