石破茂の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(石破茂君) 立憲民主党代表野田佳彦議員の御質問にお答えを申し上げます。
 自民党における旧派閥の政治資金収支報告書の不記載に関し、衆議院の政治倫理審査会への関係議員の出席についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 国民からの信頼を回復するためにも、国民の疑問がある場合に丁寧な説明をしていくことは重要であります。自民党におきましては、それぞれの議員に対し、自らの置かれた状況をよく省みて、引き続き必要な説明責任を果たすよう促しております。
 その上で、衆議院の政治倫理審査会で審査を行うか否かにつきましては、まずは国会で御議論をいただくべき事柄である、このように承知をいたしております。
 企業・団体献金の禁止についてであります。
 政治資金に関するルールの在り方につきましては、既に政治改革に関する各党協議会において御議論をいただいており、政府としてお答えすることは差し控えますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、企業・団体献金につきましても、御党と我が党の出席者の間で議論が開始されたと承知をいたしております。
 企業・団体献金への考え方は各党各会派によって様々であると承知をいたしております。政党として避けなければならないのは、献金によって政策がゆがめられることであります。これには、個人献金も企業・団体献金も違いはございません。我が党としては、企業・団体献金自体が不適切であるとは考えておりません。
 他方で、企業・団体献金を含む政治資金について高い透明性を確保することは、政治資金規正法の目的及び基本理念に照らしても重要であります。
 政治資金規正法第一条は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公開などを行うと規定をいたしております。同法第二条は、企業・団体献金を含む政治資金を民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であるとした上で、その収支の状況に関する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないようにしなければならないとしております。
 我が党といたしましては、収支報告書の内容を誰でも簡単に確認できるデータベースの構築に取り組む方針であり、これにより、企業・団体献金を含む政治資金の透明性が飛躍的に高まり、国民の皆様方の御判断に資することになると考えております。
 企業・団体献金について何ら議論をしていないというものでは全くもってありません。引き続き、各党各会派との真摯な議論を行ってまいります。
 政策活動費についてお尋ねをいただきました。
 政治資金に関するルールにつきましては、各党各会派で御議論をいただくべきものであると認識しておりますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、政党から各級議員に支出をされ、その先の最終的な使途が公開されていない政策活動費は廃止することとし、我が党として、所要の法案を提出いたしてまいります。
 この結果、政党における最終的な支出先等については、基本的に全て公開することとなり、もはや従来の政策活動費ではなくなりますが、外交上の秘密や支出先のプライバシーあるいは営業秘密を害するおそれに配慮すべき場合など、一部の限定された支出につきましては、相手方との信頼関係等にも関わることから、公開を行いつつも、公開の方法に工夫が必要であると考えております。今後、どのような公開の仕方があり得るかにつきましては、我が党としても、各党各会派と真摯に議論を行いたいと考えております。
 第三者機関についてのお尋ねがありました。
 政治資金に関する第三者機関につきましては、国会と政府のいずれに置くべきか、いかなる権限を付与するべきかなどの点について、各党各会派によって考えが様々であると承知をいたしております。政党等による政治活動の在り方とも密接に関わる事柄であることから、政府としては、各党各会派において御議論いただくべき問題であると考えております。
 その上で、自民党の考え方についてあえて申し上げれば、政党、政治団体は、民主主義を支える重要な役割を果たしており、自由が尊重されるべきそれらの政治活動に対する行政庁の関与は必要最小限にとどめるべきという考え方から、お尋ねの機関は国会に置くことを基本として、各党各会派との議論に臨んでおるところであります。
 政治資金規正法の改正に関する議論の進め方についてお尋ねを頂戴いたしました。
 政治資金規正法の改正につきましては、既に政治改革に関する各党協議会が開催され、公開での議論が行われているものと承知をいたしております。その上で、今後の議論の進め方につきましては国会で御議論いただくべき事柄であると考えておりますが、この議論は、政治活動のインフラをつくるという重要な議論であり、引き続き、公開での議論を行うことは重要であると考えております。
 国民の政治に対する信頼を取り戻すための政治改革の議論には、与党も野党もございません。党派を超えた建設的で真摯な議論を期待しておるところであります。
 核兵器禁止条約についてのお尋ねをいただきました。
 我が国周辺では、核・ミサイル戦力を含む軍備増強が急速に進展するなど、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しております。
 加えて、核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約でありますが、この条約には核兵器国は一か国も参加しておらず、いまだにその出口に至る道筋は立っておらないのが現状であります。
 こうした中で、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるように努力をしていかなければなりません。
 NPT体制は、核兵器国、非核兵器国が広く参加する唯一の、核兵器のない世界に向けた普遍的な枠組みであります。我が国は、運用検討会議において、リーダーシップを発揮することを含め、NPT体制の下で現実的かつ実践的な取組が一歩一歩進められるよう取り組んでおります。
 政府といたしましては、抑止力を維持強化し、安全保障上の脅威に適切に対処していくとの大前提に立ちつつ、NPT体制を維持強化し、核軍縮に向けた国際社会の機運を改めて高め、核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取組を維持強化してまいります。
 アメリカ合衆国のトランプ次期大統領の会談についてであります。
 トランプ次期大統領との会談について、具体的に決まっているものはなく、会談の場で想定される議題について、予断を持ってお答えすることは差し控えます。
 その上で申し上げれば、厳しく複雑な国際社会において、日米安保体制は、引き続き、我が国の外交、安全保障政策の基軸であります。同時に、合衆国も、この体制から戦略上大きな利益を得ておるものであります。
 合衆国には合衆国の国益があり、我が国には我が国の国益があるのは当然のことでありますが、だからこそ、率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高め合うことで、自由で開かれたインド太平洋の実現に資することができると考えております。
 トランプ次期大統領の会談の際には、こうした考えの下、率直に議論を行い、同盟を更なる高みに引き上げてまいりたいと考えております。
 CPTPPについてお尋ねを頂戴いたしました。
 CPTPPは、幅広い分野をカバーした高い水準の新たな共通ルールを維持し、世界に広めていく意義を有しております。新規加入に当たりましては、加入要請エコノミーがそのような意義を共に実現するパートナーとしてふさわしいかどうかが重要となります。
 中国の貿易慣行やビジネス環境に関しましては、様々な意見があると理解をいたしております。中国が協定の高いレベルを完全に満たすことができ、加入後の履行においても満たし続けていく意図と能力があるかについては、まず適切に見極める必要があると考えております。
 いずれにせよ、加入要請を提出したエコノミーの扱いにつきましては、他の参加国ともよく相談する必要があります。我が国としては、戦略的観点や国民の理解を踏まえながら対応をいたしてまいります。
 日中首脳会談でのやり取りについてであります。
 先般の日中首脳会談では、私から習近平国家主席に対し、在留邦人の安全対策の強化を要請いたしました。これに対し、習主席からは、日本人を含む在中国の外国人の安全を確保する旨の発言がありました。
 また、中国における邦人拘束事案につきましても、私から邦人の早期釈放を改めて求めたところであります。
 引き続き、これまでに生じた個別の事案について中国側に具体的な説明を求めていくとともに、在留邦人の安全確保には全力を尽くしてまいります。また、邦人拘束事案につきましても、様々なレベルや機会を通じて働きかけを行ってまいります。
 北方領土問題についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 北方領土問題につきましては、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるという点で、我が国の立場は一貫いたしております。これまでにも、御指摘のシンガポールでの合意を含め、ロシア側と粘り強く交渉を進めてまいりました。
 ロシアによるウクライナ侵略によって日ロ関係は厳しい状況にありますが、政府として、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持いたしてまいります。
 ロ朝軍事協力や拉致問題を含む北朝鮮問題への対応についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 北朝鮮兵士によるウクライナに対する戦闘への参加や、ロシアによる北朝鮮からの武器弾薬の調達といったロ朝軍事協力の進展を強く非難いたします。ウクライナにおける一日も早い公正かつ永続的な平和の実現に向け、国際社会と緊密に連携して取り組んでまいります。
 また、北朝鮮との間の武器及び関連物資の移転等を双方向で全面的に禁止する関連安保理決議の完全な履行に向けて取り組んでまいります。
 その上で、我が国の北朝鮮に対する基本方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するというものであります。
 とりわけ、拉致被害者やその御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題はひとときもゆるがせにできない人道問題であるとともに、その本質は国家主権の侵害であり、政権の最重要課題であります。
 御質問の点を含め、今後の対応について具体的にお答えをすることは差し控えますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下、総力を挙げて最も有効な手だてを講じてまいります。
 経済対策の規模についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 我が国経済は、コストカット型の経済から脱却し、デフレに後戻りせず、賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行できるかどうかの分岐点にあります。今回の経済対策は、この移行を確実なものとすることを目指して、必要な施策を積み上げたものであります。
 具体的には、現下の賃上げができるよう、価格転嫁や省力化、デジタル投資を促進するとともに、将来の賃金、所得の増加に向けて成長力を強化する施策を盛り込んでおります。さらに、能登地域の一刻も早い復旧と創造的復興を一層加速するための対応を始め、国民の安心、安全の確保に万全を期すための施策も盛り込んでおるところであります。こうした施策の積み上げの結果、昨年を上回る規模となったものであります。
 能登の復興策についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 今回の経済対策におきましては、被災自治体からの要望をきめ細かく伺い、能登の復旧復興に必要な施策を盛り込んだところであります。
 例えば、災害公営住宅の整備への支援の拡充、在籍型出向支援の創設と雇用調整助成金の特例措置の延長、豪雨による被災者にも地震と同様の各種支援など、御党が御提案されている施策についても講ずることといたしております。
 活気ある能登を取り戻すため、引き続き、被災自治体のお声も伺いながら、復旧と創造的復興に向けた取組を講じてまいります。
 物価高対策の給付金についてのお尋ねをいただきました。
 今般の経済対策におきましては、特に物価高の影響を受ける低所得の方々を支援する趣旨で、住民税非課税世帯を対象に給付を行うことといたしております。この中には金融資産の多い高齢者も一部含まれるものと承知をいたしておりますが、迅速に支援を届けるとともに、給付事務を担う地方公共団体の負担を軽減する観点から、住民税非課税世帯を対象としたものでございます。
 住民税非課税世帯以外の方々に対しましては、重点支援地方交付金を活用して地方公共団体が行う物価高対策や賃上げを支援する施策など、様々な物価高対策を講じることにより、必要な支援を行うことといたしております。
 いわゆる百三十万円の壁への対応についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 社会保険の適用に関するいわゆる百三十万円の壁につきましては、当面の対応として、被扶養者認定を円滑化するなど、年収の壁・支援強化パッケージの活用にまずは取り組んでまいります。
 その上で、就業調整を行っている労働者が希望に応じて働くことができるよう、制度的な対応を図ることも重要であると考えております。
 現在、次期年金制度改正に向けて議論を行っているところであり、働き方に中立的な制度を構築する観点から、被用者保険の更なる適用拡大など、関係者間で丁寧に議論を進め、成案を得るべく努力をいたしてまいります。
 学校給食費についてのお尋ねがございました。
 野田議員御指摘のように、今回の経済対策において、現在の物価高などの状況を踏まえ、地域の実情に応じた保護者負担の軽減の観点から、学校給食費の支援も行えるよう、重点支援地方交付金を追加しております。
 学校給食の実態調査の結果も踏まえつつ、関係省庁が連携をし、児童生徒間の公平性や、国と地方の役割分担、政策効果、法制面等の課題を整理いたしてまいります。その際、子供、子育て加速化プランにおきまして児童手当の抜本的拡充や高等教育費の負担軽減を進めているところであるなど、家計を支援する様々な施策を総合的に考慮する必要もあると考えております。
 以上でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2024-12-02

院: 衆議院

会議名: 本会議