石破茂の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(石破茂君) 永岡桂子議員の御質問にお答えを申し上げます。
 保育や看護、介護、教育分野における賃上げについてのお尋ねを頂戴いたしました。
 保育分野につきましては、今般の経済対策に大幅な処遇改善を盛り込んでおり、今後、この措置が確実に事業主から保育士に行き渡るよう、実績報告を求めるなどの取組を進めてまいります。
 医療、介護、福祉分野につきましては、今年度の報酬改定の賃上げの措置が最大限活用されるよう取り組みますとともに、今般の経済対策において、生産性の向上や職場環境の改善など、更なる賃上げを目的とする支援策を盛り込んだところであります。
 教師につきましては、働き方改革や給与面も含む処遇改善に取り組んでまいります。
 物価高対策についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 経済財政運営に当たりましては、コストカット型経済から脱却し、豊かさを実感できる成長型経済への移行を確実にするため、全ての世代の現在や将来の賃金、所得を増やすことを最重要課題といたしております。そうした取組に当たりましては、賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現するまでの間、賃上げの恩恵を受けにくい方々への支援が必要であります。
 具体的には、今般の経済対策におきまして、地方公共団体が、地域の実情に応じて、エネルギーや食料品価格の高騰に苦しむ方々への支援、価格転嫁が困難な中小企業への支援、学校給食費への支援のほか、新たに、厳冬期の灯油支援も行えるようにいたしております。また、御家庭の電力使用量の最も大きい一月から三月までの冬期の電気・ガス代を支援し、二人以上世帯の平均で電気、ガス合計で月千三百円程度の負担軽減を行います。さらに、物価高の影響を特に受ける低所得者世帯の方々に対する給付金の支援などの施策を盛り込んでおります。
 多様で柔軟な働き方の推進についてであります。
 男女共に、仕事と家庭を両立しつつ、希望に応じてキャリアを形成できる、魅力ある働き方、職場づくりを進めていく必要があり、これは人口減少下において若者、女性にも選ばれる地方づくりを実現していくためにも重要な課題であると考えております。
 このため、政府におきましては、女性活躍推進法に基づく取組の推進、短時間正社員等の柔軟な働き方の促進、男性の育児休業の取得促進などを通じまして、誰もが安心して暮らせる働き方を実現していくとともに、社会の構造、意識の変化に向けて取り組んでまいります。
 地方創生の推進についてでありますが、御指摘のとおり、人口減少問題や地方からの若者、女性の流出は、地方創生二・〇において重点的に取り組むべき課題であります。
 このため、各地域において、産官学金労言のそれぞれのステークホルダーが、いま一度、若者や女性にも選ばれる地域とするにはどうすべきかなどを真剣にお考えいただき、地域自らが行動を起こしていただくこと、これが極めて重要であります。
 その取組の一環として、例えて申し上げますれば、地域間、男女間の賃金格差の是正、非正規雇用の正規化の推進、女性雇用のL字カーブの解消、男性の育児休業取得の推進、そのような取組も効果的ではないかと考えております。
 地方におきましてこうした取組を具体化していく中で、国としても、倍増する交付金のみならず、規制・制度改革も含め、効果的な環境整備を重点的に進めてまいります。
 現場の方々のお声をよく聞き、これまでの成果と反省の検証を進め、年末に向けて基本的な考え方を取りまとめ、その後、今後十年間集中的に取り組む基本構想を策定いたしてまいります。
 食料の価格形成と食料安全保障の確保についてであります。
 現在、持続的な食料供給を確保するため、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、資材費、人件費などのコストが考慮される価格形成の仕組みを設けるべく検討を行っておるところでございます。
 食料安全保障の確保に向け、このような仕組みを通じ、議員御指摘のように、国民の皆様に食料の安定的な供給が図られますよう取り組んでまいります。
 事前防災への所見についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 我が国は世界有数の災害発生国ですが、いかなる地域で災害が発生したとしても、被災者の方々を苦難の中に置き続けるということがあってはなりません。地理的に不利であるとか、財政的に困難であるとか、そういう地域において災害が起こったときもきちんとした対応がなされる、当然のことでございます。
 国民を災害から守るためには、政府の災害対応体制を抜本的に強化し、事前防災を徹底する必要がございます。このため、平時における防災業務の企画立案及び全国的な調整と、大規模災害発生時における政府の統一的な災害対応の司令塔として、防災庁を設置いたします。ここには専任の大臣を置き、十分な人数の、委員御指摘のように、災害対応のエキスパートをそろえる方針でございます。令和八年度中の設置に向け、着実に準備を進めてまいります。
 また、国土強靱化により発災時の被害を最小限に抑制するため、五か年加速化対策に盛り込まれた各種取組を着実に推進しております。河川堤防や砂防施設を始めとする防災インフラの整備、老朽化対策などのハード対策に加え、線状降水帯の予測精度の高度化などのソフト対策を一体的に進めておるところでございます。
 現在、国土強靱化法に基づく実施中期計画の策定に向け、必要な施策を整理、検討いたしております。ハード、ソフトの両面にわたり、必要な事業を着実に進められますよう、万全を期してまいります。
 科学技術・イノベーション政策についてであります。
 科学技術、イノベーションは、国力の源泉であり、経済成長を加速させ、社会課題を解決する原動力であります。
 DXを切り口として、議員御指摘のように、日本の潜在的な強みでありますAI、量子、バイオ、宇宙、フュージョン、GXなどの戦略分野のイノベーションとスタートアップの支援、スキル向上など、人への投資を進めてまいります。
 今後五年間の科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた検討は、年内にも開始をいたします。
 クリエーター支援についてであります。
 我が国の二〇二二年の輸出規模は、自動車が十七・三兆円、半導体産業が五・七兆円、鉄鋼産業が五・一兆円であります。コンテンツ産業は四・七兆円であり、鉄鋼産業や半導体産業に匹敵するものであります。魅力あるコンテンツは国際文化交流の促進にも資することから、その源泉であるクリエーターの方々が海外でも活躍できるように支援をすることは極めて重要であると考えております。
 補正予算案におきましては、クリエーターとして国際的な活躍を目指す学生や社会人のための先端技術を活用した制作、企画開発、ライセンス管理などを習得する育成プログラムの構築、実装化の支援、海外売上げの拡大を図る事業者などのための映像作品の企画開発、制作支援などを盛り込み、関係省庁が一体となって、クリエーターの育成と海外での活躍を後押しいたしてまいります。
 法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くための外交についてのお尋ねを頂戴いたしました。
 現在、国際秩序に大きな挑戦がもたらされ、ウクライナ、中東、また地球規模課題への対応をめぐり、国際社会の分断と対立が進んでおります。我が国周辺でも、核・ミサイル能力の強化、急速な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層顕著になっております。
 こうした厳しく複雑な国際社会におきましても、国益に基づく現実的な外交により、日米同盟を基軸に、友好国、同志国と緊密に連携するとともに、中国を含む各国との対話を重ねてまいります。これにより、分断と対立を乗り越え、法の支配に基づく国際秩序を断固として堅持をいたしてまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――

発言情報

speech_id: 121605254X00520241209_010

発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2024-12-09

院: 衆議院

会議名: 本会議