三木圭恵の発言 (本会議)

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○三木圭恵君 日本維新の会の三木圭恵です。
 会派を代表して、補正予算案について全て総理に質問します。(拍手)
 政府は、今般、一般会計の規模で十三・九兆円にも上る巨額の予算を経済対策に投じようとしています。
 その中で私たちが肝に銘じなければならないのは、税を徴収するということは、国民一人一人が汗をかき、必死の思いで仕事に励み稼ぎ出したお金を、一旦政府が税金としてお預かりしているということです。当然、その税の使途が公益に資するものであるかどうかを厳しく審査しなければなりません。決して野方図にばらまいたり、一部の企業や団体のために還元されたりすることがあってはなりません。その観点から質問をいたします。
 日本の財政の歴史をたどると、戦後からコロナ禍以前まで、補正予算の規模が十兆円を超えたのは僅か四度しかありません。コロナ禍の収束後も財政支出の規模縮小が進まず、補正予算の規模が四年連続で十兆円を超えるのは、財政上の異常事態ではないですか。
 日銀によると、本年の第二・四半期のGDPギャップはマイナス〇・六%、金額にすると年四兆円程度です。また、総務省が算出した本年十月のコアCPIは前年比二・三%であり、外形的には三十九兆円規模にもなる経済対策が必要な状況には思えません。
 石破総理は、さきの衆院選で、昨年を上回る大きな補正予算を成立させると表明しましたが、本経済対策は規模ありきではないでしょうか。また、なぜ今、三十九兆円にも上る規模なのですか。
 今般の経済対策中に、財政健全化策はとにかく、行政の効率化の観点からの踏み込んだ記載は一切ありません。我が国の普通国債残高は令和六年度末で一千百五兆円、債務残高の対GDP比は二五七%と、G7諸国のみならず、ほかの諸外国と比較しても突出した水準にあります。インフレ抑制の観点からも、今必要なのは、歳出規模をむやみに膨張させることよりも、歳出削減ではないですか。
 そもそも、大量の国債発行と財政出動を前提に補正予算を考えるのであれば、同等の合理化と効率化を進めるのが筋ではないでしょうか。大阪では、平成二十年に橋下元府知事の下、一千百億円削減の収支改善目標を定め、財政再建プロジェクトチームを組織することでこれを達成しました。国でも同様に、例外なしの徹底した歳出削減目標を設け、強いリーダーシップの下で行財政改革を断行するべきではありませんか。
 しかし、このような歳出削減を、支持母体から企業・団体献金を受け、その利害から自由になれない自民党に進めることはできません。民間の経営感覚とリーダーシップを持った外部人材を活用し、歳出削減組織を立ち上げ、答申をトップダウンで実現する形で支出削減を進めてはいかがですか。
 今般の補正予算に組み込まれた宇宙戦略基金などの基金事業は、長期にわたって執行するものであり、緊要性の要件について疑念があります。補正予算に計上する事業は、少なくとも今年度中に執行が完了し、事業目標の達成が見込まれるものに限るべきではありませんか。
 先般、会計検査院が報告した一般会計の補正予算の執行状況等によると、補正予算で金額を追加した予算科目のうち、追加額と同額が翌年度に繰り越されているもの、また、それ以上の額が翌年度に繰り越されているものが、合わせて約四割に上ったことが明らかになっています。補正予算の半分近くが結果的に不用であったとも考えられます。つまり、令和四年度補正予算は適正な規模ではなかったのではないですか。
 今の我が国は、自立する国民個々人の努力によって成り立っています。日本を前に進めるには、働く意思を持ち積極的にチャレンジをする個人を徹底的に後押ししなければなりません。その点、今の税や社会保障のシステムは、働きたい人に重過ぎる縛りや負担を設けながら、本当に苦しんでいる人々に正確に支援が届いていないのではないかとの思いがあります。
 今般の経済対策では、二〇二〇年代に最低賃金千五百円が目標として掲げられていますが、これを実現する具体的な手法に乏しいと言わざるを得ません。経済成長なく最低賃金を引き上げれば、最低賃金近くで働く方々を失業に追い込み、零細企業を破綻に追い込みます。
 政府は、中小企業に相談体制を拡充するとしていますが、先立つものがなければ、幾ら相談しても賃上げは不可能です。生産性の向上による、市場を通じた実質賃金の増加でしか、働く方、企業、国の三方よしの賃上げはあり得ないと考えますが、具体的にどのようにして中小企業の破綻を防ぎながら最低賃金千五百円を実現するのですか。
 百六万円の壁を撤廃し、厚生年金、健康保険の適用拡大を進める厚生労働省の案は、民間の事業者に過剰な負担を強いることになり、就労抑制をより強めるという、働き方改革に逆行する結果を生むのではないですか。
 また、厚生労働省は、労使の合意の下、労働者側の負担を会社が肩代わりする仕組みを整備する方針ですが、今でも社会保険料の事業者負担に苦しむ中小事業者が、前向きにこの仕組みを取り入れるでしょうか。社会保険料の事業者負担分は、給与を目に見えない形で天引きする制度にほかなりません。事業者負担分も個人負担分と同様に、被雇用者の収入に応じて少しずつ増加する制度を構築するなど、事業者の負担に激変が生じない制度を導入するべきではないですか。
 就労を阻む壁を別の角度から見ると、年齢にも壁があることに気づきます。
 在職老齢年金制度は、働く高齢者の年金を減額することで就労意欲を奪い、六十五歳以上の就業率を押し下げる、一つの壁と言えます。厚生労働省では現在、制度そのものを廃止する案や、基準を現行の月五十万円から月六十二万円若しくは七十一万円に引き上げる案が検討されていると承知しています。これからの時代、スキルのある高齢者にも労働市場に参入して力を十分に発揮していただくべく、在職老齢年金制度の廃止若しくは可能な限り基準を引き上げることが必要と思われますが、総理の見解を伺います。
 今や物価高は、一部の国民、一部の業界だけの問題ではありません。仕事に子育てに、毎日を懸命に生きる現役世代も、同じように物価高に苦しめられています。
 自民党の政策の特徴は、多く集めて集中的に配ると表現できましょう。確かに、日々のやりくりに苦しんでいる層に対して手厚く支援する必要があることは明らかです。一方で、実際の困窮度合いを正確に把握できていない物差しを用いると、一部の業界団体や特定の層に支援の厚塗りを繰り返すことになります。
 今般の経済対策にも住民税非課税世帯に三万円を給付する案が盛り込まれていますが、資産で生活する方々を考慮しておらず、また、住民税を支払う現役世代も捉え損ねています。現役世代も含めた生活困窮者に給付を届けるためには、対象者を見直すべきではありませんか。
 我が党は、かねてより、減税や社会保険料減免など、集めて配るのではなく、そもそも集めない経済対策を提唱してきました。物価高であれば、多くの野党が提案している消費税減税を行えば、その効果はあまねく社会に行き渡ります。また、逆進性の極めて高い社会保険料を引き下げれば、現役世代の手取りを大きく引き上げることができます。国民から集めて配り、国の財政規模をいたずらに膨張させるよりも、そもそも集めないという考え方を政府の物価高対策にも取り入れるべきではないですか。
 一方で、私の地元の御高齢の方からは、この物価高の中でどれだけ苦しい生活に置かれているか想像できるかとの切実な声もいただきます。
 例えば、長く夫婦二人暮らしを続けてきて伴侶に先立たれた方の場合、先立たれた方が第二号被保険者であれば、残された方は遺族厚生年金を受け取ることができ、何とか生活を続けることができます。しかし、夫婦どちらも第一号被保険者であれば、残された方は遺族基礎年金の対象とはならず、満額で月六万八千円の老齢基礎年金を受け取れるにすぎません。果たして、この収入のみで生活を続けることができるとお考えですか。
 また、住民税非課税世帯に直接給付を行う場合、同じ年金暮らしといっても、毎月六万八千円の給付と若干の収入で生活する世帯は、老齢基礎年金であれば住民税が課税され対象外、片や、遺族基礎年金であれば住民税非課税のため支給対象となる場合があり、不公平ではないかとの声も伺います。どちらも生活の苦しみは同じである以上、同等に支えられるべきとは考えませんか。
 このように、現行の社会保障制度は多種多様な制度の積み重ねですが、その隙間に落ちて十分な支援を受けられない方々の声を数多くいただいています。適切なタイミングに、真に支援を必要とする人に支援を届けるために、マイナンバーを活用した所得、資産把握を早急に制度化した上で、これを活用して現行の税と社会保障を統合して改革し、給付つき税額控除を実現するべきではないですか。
 安価で安定したエネルギーを供給することも、広く国民に豊かな生活を提供することにつながります。このエネルギー政策に関しても、我々は、そもそも集めない観点から行うべきと考えます。
 例えばガソリン代です。燃料油価格激変緩和補助金に代表される事業者への補助金の逐次投入は、消費者がガソリン代が下がったと実感するにはほど遠く、また、市場の価格形成メカニズムをゆがめ、脱炭素に向けた世界的な潮流にも逆行するものです。物価高対策は、企業や団体等への事業者支援を中心とするばらまき路線から脱却し、あまねく国民個人に直接還元されるような形での支援に転換するべきです。
 揮発油税及び地方揮発油税並びに軽油引取税の当分の間税率を廃止し、国民のエネルギー負担を抜本的に引き下げませんか。また、当分の間税率にも消費税一〇%がかかるのは、税金の二重取りではありませんか。
 熊本県にTSMCの半導体工場が進出した理由の一つに安価な電力の安定供給が挙げられるなど、ビジネス環境を整備する観点からも、電気料金の引下げは喫緊の課題です。その中で、原子力発電所の再稼働が進められていますが、その運転期間には限界があります。二〇四〇年には国内原発の十五基が運転開始から五十年を経過することとなり、安全性の観点から懸念を持たれる方も多くいます。
 新増設や建て替えのロードマップを示し、また、既存原発の運転期間延長や次世代革新炉への建て替えを行う際の国、地方自治体、事業者の責任を法的に明確化することで、安全かつ円滑なリプレースが実現できるよう計画を立てて推進すべきではないですか。
 私たち現役世代は、豊かな社会を、未来を生きる子供たちにつなぐ責任があります。そのためには、経済成長を原資にして、将来世代へ徹底的に投資をしなければなりません。そのセンターピンこそ、高校の完全無償化です。
 大阪モデルを活用した高校の無償化は、約六千億円あれば可能です。毎年十兆円を超える規模の経済対策を繰り返しながら、財源がないとの理屈は成り立ちません。そもそも本年度当初予算では、一般の予備費と、原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費、計二兆円が計上されており、コロナ禍以前の計上額にのっとると過剰です。このように、コロナ禍で水膨れした予算を徹底的に歳出改革し、高校における所得制限のない無償化を行う方針を、期限を切って明確にすべきではないですか。
 以上、総理に真摯な回答をお願いして、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

発言情報

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発言者: 三木圭恵

speaker_id: 927

日付: 2024-12-09

院: 衆議院

会議名: 本会議